著者
板橋 秀一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.951-953, 1991-12-01
被引用文献数
42

日本国内の企業、大学、国立研究所の研究者で構成される委員会で作成した騒音データベースと日本語共通音声データを紹介している。騒音データベースは、音声入力装置の使用が予想される環境を考慮して、典型的な騒音を十数種類収録し、装置の性能評価などに利用できるものである。これはDATテープ18巻に収録されている。日本語共通音声データは、装置の性能評価及び音声処理システムの研究開発への利用を目的として作成された。単音節、地名、4桁数字、制御語、計323語を20代から60代まで男女各75名計150名の話者が各項目を4回ずつ発声している。DATテープ76巻に収録されている。
著者
小山 敬之 板橋 秀一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.387-388, 1996-03-06

現在、打ち上げ花火のデザインは、主に花火師の感性、創造力、そして経験に委ねられている。さらに、設計された玉の試し打ちは容易ではない。この設計から試し打ちまでの過程を計算機上でシミュレートすることにより、打ち上げ花火のデザインに伴う完成までの時間、労力、コスト、危険性を大幅に減少させることが期待できる。また、熟練を要しないため、花火製作の技術がなくとも花火のデザインが可能となり、花火師の教育や、実際に受注する際にも役立つと考えられる。本稿では、既に報告した打ち上げ花火CADシステムの構想をもとに、未完成であった花火創作デザインから試し打ちまでの一貫した支援システム、打ち上げ花火シミュレーションシステムを構築したので報告する。
著者
木本 豪 板橋 秀一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.355-356, 1992-02-24

日本の伝統であり、世界的にも評価の高い芸術である打ち上げ花火は、そのデザインの創作が容易でない。この原因として、試作・試し打ちに時間と費用がかかることと、その完成イメージが花火師の頭の中にしかないことがあげられる。これまで花火のコンピュータ処理としては、点火の制御とアミューズメント用途がほとんどで、花火のデザイン支援のためのシステムはなかった。試作・試し打ちがCADで行なえれば、時間と費用が大幅に節約できると考えられる。また、完成イメージがCRT上で動画として見られれば熟練していない人でも容易に花火のデザインが可能になる。本稿では打ち上げ花火を計算機の画面上に表現することのできるシステムについて報告する。
著者
岡登洋平 加藤佳司 山本 幹雄 板橋秀一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.469-478, 1999-02-15
被引用文献数
13

機械とユーザの対話において 機械が人間と同様に相槌を打つことが可能であれば ユーザの話しやすさの改善につながる. 本研究では 話し手の発話間にポーズの出現とほぼ同時に相槌が打たれる場合を対象として システムによる相槌挿入を試みた. システムが適切なタイミングで相槌を打つにはポーズを検出するよりも早く相槌の挿入判定を行う必要がある. そこで本稿では話し手の発話から抽出した韻律情報を用いて 予測的に相槌の挿入判定を行う手法について検討した. まず対象としたテレフォンショッピングをタスクとした対話について音声を分析し 聞き手の相槌が韻律的に特徴のある話し手の発話箇所で打たれていることを示した. 次に相槌音声を消去した対話を聞かせ 相槌の箇所を人間が判定する実験を行ったところ 実際に出現した相槌の76%は実験でも検出され 発話長が長い場合に相槌を打つと判定した被験者が多いことが明らかになった. さらに相槌を打つタイミングについて 対話の分析と知覚実験を行った. この結果 相槌は発話中のポーズ開始から0.3秒以内に打つ必要があることが明らかになった. そこでテンプレートを用いた韻律パターンの認識による相槌タイミングの検出方法を提案し 相槌判定のための予測時間を変えて相槌挿入判定とタイミングの検出実験を行ったところ 予測時間0.1秒のとき84% 予測時間0.4秒のとき72%のタイミング正解率を得た. また予測時間0.1秒のとき得られたシステムの応答を人間が評価したところ 抽出箇所の74%は自然な発声箇所であると判定された.A user's degree of comfort in a man-machine spoken dialog environment is likely to improve, if spoken dialog systems can provide correct 'Aizuchi' responses to the use's utterances. This hypothesis was evaluated using a dialog corpus that relates to telephone shopping tasks, and contains 'Aizuchi' responses near the end of a speaker's utterance. The evaluation also requires a dialog system capable of detecting 'Aizuchi' timing before the end of the utterance. To this end, therefore, a method is proposed which uses prosodic information to guide correct 'Aizuchi' responses. A preliminary prosodic analysis of our utterances confirmed that an 'Aizuchi' indeed relates to the duration, speaking rate and minimum F0 of an utterance. Next, using dialogs from which 'Aizuchi' responses were previously removed, an experiment was carried out to spontaneously prompt such responses from human subjects. Results show that subjects were able to match about 80% of the 'Aizuchi' responses contained in the original dialogs, and that many subjects tended to do so during long utterances. Then, a dialog analysis was performed to investigate 'Aizuchi' timing, Results of which indicate that the system should give an 'Aizuchi' within 0.3 seconds of the end of the speaker's utterance. By comparison, in an 'Aizuchi'-prompting experiment based on prosodeic pattern recognition, the system achieved 84% with no 0.1-second prediction of end of utterance and 72% with 0.4-second prediction. Finally, human perceptual evaluation of the timing of system detection, yielded an accuracy of 74% which lends support to the naturalness of 'Aizuchi' response given by system.
著者
板橋 秀一
出版者
筑波大学図書館課
雑誌
つくばね : 筑波大学図書館報 (ISSN:02850117)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-2, 2000-06-30

附属図書館では芸術学系と共催で,「筑波大学附属図書館所蔵 日本美術の名品」の特別展示を5月22日~6月9日の期間に開催した。これは5月26日~28日に筑波大学で開催される美術史学会に合わせて企画されたが,その出展作品の調査中に新たに屏風絵3双が発見された。それらが狩野探幽,狩野尚信,田村直翁の作になるものと判定されたが, ...
著者
小山 敬之 板橋 秀一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第52回, no.メディア情報処理, pp.387-388, 1996-03-06

現在、打ち上げ花火のデザインは、主に花火師の感性、創造力、そして経験に委ねられている。さらに、設計された玉の試し打ちは容易ではない。この設計から試し打ちまでの過程を計算機上でシミュレートすることにより、打ち上げ花火のデザインに伴う完成までの時間、労力、コスト、危険性を大幅に減少させることが期待できる。また、熟練を要しないため、花火製作の技術がなくとも花火のデザインが可能となり、花火師の教育や、実際に受注する際にも役立つと考えられる。本稿では、既に報告した打ち上げ花火CADシステムの構想をもとに、未完成であった花火創作デザインから試し打ちまでの一貫した支援システム、打ち上げ花火シミュレーションシステムを構築したので報告する。
著者
松隈 大亮 板橋 秀一 鵜野 伊津志 若松 伸司
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.173-178, 2012-07-10 (Released:2012-10-23)
参考文献数
12

神奈川県北西部に位置する丹沢山地ではブナの衰退が深刻な問題となっている。この一因としてO3が考えられているが、丹沢山地ではO3生成に関わる一次汚染物質であるNOXの排出源、排出量が少ない。このことから、東京湾岸などの都市部で排出された一次汚染物質が光化学反応を起こしながら局地風などの影響により丹沢山地に移流して来ると考えられる。そのため、2007年7、8月を対象期間とし、測定では把握しにくい大気汚染物質の三次元的な濃度分布や動態を見るために領域化学輸送モデルWRF/Chemを用いて再現を行った。また、モデルの気象場の再現結果を使用してFLEXPART-WRFで後方流跡線解析を行い、日中に丹沢山地でO3濃度を高くした気塊の移流経路を示した。その結果、日中に丹沢山地でO3濃度が高くなる場合は、陸風により東京湾岸などの都市部から排出された一次汚染物質が相模湾に流入した後、日中に光化学反応を起こしてO3濃度の高くなった気塊が海風の影響を受けて丹沢山地の南~東南東側から移流して来ていた。また、海風には関東地域を覆うような大規模な海風と小規模な相模湾からの海風が見られ、前者の場合には丹沢山地の南方から、後者の場合には丹沢山地の南東方向から移流する傾向が見られた。
著者
木本 豪 板橋秀一
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.84, pp.1-8, 1992-10-23

日本の打ち上げ花火は世界に名高い芸術でもあるが、新しいデザインを設計する際にかかる費用や時間はたいへん大きい。打ち上げ花火の試作・試し打ちをCADで行なうことができればこれらのコストを大幅に節約できると考えられる。また完成イメージがCRT上で動画として表現できれば花火の制作の技術をもたない人でも花火のデザインが可能になる。花火を「筒」、「玉」、「星」、「尾」、「子割」などの部分ごとにモデル化し、パーテックルシステムを基にしたシミュレーションをおこなった。New models of hanabi, Japanese fireworks, are hard to design. This is because it takes lots of time and money and test launchings are dangerous. In addition, one cannot express one's own creative design ideas if he does not happen to be skilled in the manufacturing of fireworks. If prototyping and test launching hanabi could be done using a CAD system, these costs would be significantly reduced. This paper describes a technique for simulating Japanese fireworks and proposes the concept of the hanabi CAD system.
著者
川俣 眞人 山本 幹雄 板橋 秀一 大村 浩 田中 和世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.392, pp.9-14, 2000-10-19

ホルマント型音声合成方式において、ホルマント振幅の項に声帯振動の影響による効果を表すための非線形項を導入することによって音質が改善されることは既に報告した。非線形項は音質改善の他に音声の自然性や個人性にも影響を与えることが予想される。今回はその非線形関数を10話者、5母音別に新たな関数モデルを導入していくつかのパタンとして類型化することを試みた。その結果このモデルの妥当性を確認することができた
著者
板橋 秀一 弓本 桂也 鵜野 伊津志 大原 利眞 黒川 純一 清水 厚 山本 重一 大石 興弘 岩本 眞二
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.175-185, 2009-07-10
被引用文献数
9

日本各地で光化学オキシダント注意報が発令された2007年4月下旬から5月末の期間を対象に,化学輸送モデルCMAQを用いてモデルシミュレーションを行い,光化学オゾン(O_3)を中心に,硫酸塩粒子(nns-SO_4^<2->)などにも着目して,その濃度変化や気象学的な特徴について解析した.シミュレーションの結果は観測されたオゾン濃度などを概ね再現しており,対象とした期間内には九州北部においてO_3とnss-SO_4^<2->が同時に高濃度となる5つのエピソードが見られた.これらの中から九州地域で典型的な越境汚染が起こっていると考えられた3つのエピソードに着目してより詳細な解析を行った.これら3つのエピソード時には,いずれも東シナ海南部に高気圧が位置し,高気圧の北部をまわる西から北西の気流に乗って大陸起源の汚染気塊が輸送されていることが明瞭に示され,それはnss-SO_4^<2->の高濃度域の広がりと合致していた.また,後方流跡線解析から,中国大陸上の汚染気塊がおよそ2日かけて九州北部へと輸送されたことが示された.中国起源の一次汚染質排出による越境汚染の寄与を見積もるため,中国国内の一次汚染質の排出量をゼロとした感度解析も行った.中国起源のnss-SO_4^<2->とO_3には高い相関があり,直線回帰の傾きは気象条件により異なるが0.8〜1.3(ppbv_-O_3)/(μg/m^3_nss-SO_4^<2->)を取り,nss-SO_4^<2->=20μg/m^3に対する中国起源の汚染質に起因するO_3は16〜26ppbvであることが示された.全球モデルで与えているO_3の西側境界濃度レベルの50ppbvを勘案すると,今回着目した3つのエピソード時のオゾン濃度に対する中国起源のO_3前駆物質の寄与率は東アジア起源の約30〜50%に達し,高濃度オゾンエピソードにはアジア大陸を起源とする越境汚染が強く影響していることが示された.