著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-34,

原発賠償京都訴訟団第3回学習講演会, 日程:2019年2月16日(土), 会場:京都弁護士会館
著者
林 衛 加藤 和人 佐倉 統
出版者
裳華房
雑誌
生物の科学 遺伝
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.30-34, 2005-01

科学コミュニケーションとは何か,それがいままでの「科学普及」や「科学啓蒙」とどう違うのか,なぜその概念が有効なのか,とくに生命科学でこれを考えることの意味をさぐるのが,本特集のねらいである.科学をいままで以上に深く考え楽しみながら,専門家と非専門家,あるいは一般市民がつながりをもって社会の中に本当に必要な科学を育んでいけるようになるために,いま双方向・多方向の科学コミュニケーションが求められている.そのためには,情報を共有し,交流をしながら,研究者も一般市民も同時に高まっていけるしくみが必要だ.
著者
林 衛
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

自然にはたらきかけ,自然を改変しながら進化的適応をはたしてきた人間やその営みを理解するためには,はたらきかけの対象である自然環境の理解が欠かせない。自然環境の理解は,人間やその営みの限界(ポジティブな表現では到達点)や矛盾を照らし出すはたらきをもっている。地球惑星科学の探究者はしばしば,その最先端にいてそれら限界や矛盾にいちはやく気づける。 社会の代表者として探究をしている科学研究者ならではの役割は,市民社会の構成員であるほかの主権者(市民)と共有を図ることにある。しかし,地球惑星科学によって得られる知見や批判的思考力はしばしば「抑制」され,活用されず,学問が軽視あるいはねじ曲げられる状況が放置され,自然災害や原発震災の原因となってきた。 「御用学者」問題発生に通ずる科学リテラシーや批判的思考力の「抑制」とその克服の道筋を,認知科学的な「共感」と理性のはたらかせ方のメタ認知から始まる人の「倫理」の視点から考察する。
著者
林 衛
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.119-131, 2013-03-15

東日本大震災・原発震災は,市民社会における科学や科学者のあり方を見直す機会となった。日本の市民社会には原発震災の未然防止はできなかったが,震災後に発揮された「超専門力」「市民科学リテラシー」によって,政府や御用学者からの偏った情報提供を批判的に受け止めるのに成功した面もあった。理科離れは「文系人間」の科学リテラシー不足の問題としてしばしば語られるが,より重要なのは「理系人間」が異分野への知的好奇心を磨きつつ自らのリテラシーの再点検・向上に努め,自由に科学を論じられる社会的な雰囲気づくりに貢献することだろう。
著者
林 衛
出版者
オーム社
雑誌
メディカルバイオ (ISSN:18819354)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.73-78, 2011-03

日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007 年版」は,政府による生活習慣病対策の要とされている。「高コレステロール値は避けねばならない」という「常識」とその根拠が集約されているはずのこのガイドラインに対し,2010年9月,日本脂質栄養学会が「ノー」を突きつけた。指摘によれば,「まちがい」は動脈硬化コレステロール原因説「確定」の時期までさかのぼる。
著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-57,

第7回日本サイエンスコミュニケーション協会年会, 日程:12月8日(土)~9日(日), 会場:三鷹ネットワーク大学
著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-45, 2015-08-02

日本理科教育学会第65回全国大会 京都大会, 日程:2015年8月1日(土)~2日(日), 会場:京都教育大学キャンパス
著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-26,

日本災害復興学会2018年度東京大会, 日程:2018年10月26日(金)~28日(日), 会場:東京大学本郷キャンパス
著者
林 衛 瀬川 嘉之 山内 知也 藤岡 毅 柿原 泰
巻号頁・発行日
pp.1-94, 2014-11-15 (Released:2016-02-15)

日本の一部研究者が多用するトランスサイエンス,作動中の科学,予防原則といった概念の有効性と使い方を現実の放射線被爆問題を通して検証する。「健康管理のあり方」(瀬川),科学的な問題としてのシーベルトの困難性(山内),長瀧重信らのいう「科学的」とは何か(藤岡),それをとらえきれていない変容するSTSの問題点(柿原)を議論する。1980-90年代におけるSTSの形成過程について論じるOS「STSをつくる社会:日本における科学技術社会論の形成と立論構造の変化」に関連し、本OSでは,放射線問題をテーマに,そのようにして形成されたSTSの今日的課題を浮かび上がらせる。 2014年度 第13回科学技術社会論学会年次学術大会,日程:2014年11月15日(土)~16日(日),会場:大阪大学豊中キャンパス 林衛「【問題提起】被爆による人権侵害問題を通してSTSの到達点と変容を検証しよう」 瀬川嘉之「犠牲を強いられているのは誰か : 「東電原発事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」を分析する」 山内知也「シーベルトで被爆影響は測れるか : 要素還元主義の間違い」 藤岡毅「中川保雄の被曝史研究から引き継ぐべきもの : 科学的とは何か」 柿原泰「放射線リスクコミュニケーションのもたらすもの : 放射線リスクをめぐる科学技術論の変容」
著者
林 衛
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.119-131, 2013

東日本大震災・原発震災は,市民社会における科学や科学者のあり方を見直す機会となった。日本の市民社会には原発震災の未然防止はできなかったが,震災後に発揮された「超専門力」「市民科学リテラシー」によって,政府や御用学者からの偏った情報提供を批判的に受け止めるのに成功した面もあった。理科離れは「文系人間」の科学リテラシー不足の問題としてしばしば語られるが,より重要なのは「理系人間」が異分野への知的好奇心を磨きつつ自らのリテラシーの再点検・向上に努め,自由に科学を論じられる社会的な雰囲気づくりに貢献することだろう。
著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-25, 2015-10-31

平成27年度日本理科教育学会北陸支部大会, 日程:2015年10月31日(土), 会場:金沢大学 人間社会第2講義棟
著者
林 衛
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

東日本大震災以前から市民に提供されていた石巻市ハザードマップでは,新北上川沿いの沖積平野に河口から3.5kmもの津波遡上が予測され,明示されていた。同震災で最大級の被災の現場となった大川小学校は,浸水域予測範囲のわずか0.5km上流に立地していた。地震津波発生のしくみの多様性,潮の干満などを考えれば,高低差のない平野部での0.5kmは「誤差の範囲」といってよい。ハザードマップには,体感する震度に比して巨大津波をもたらす津波地震への注意書きもあった。つまり,公的にマグニチュード8を想定した宮城県沖地震(連動型)においても,大川小学校の津波による浸水は予見の範囲外にあったとはいえないのである。避難訓練やマニュアルの整備の重要性が強調されているが,現実の災害は想定どおりとはならない。想定から想定外が予見できる大川小学校被災の事例などから,地球惑星科学の知見があってもいかされない自然災害の人災的側面に関する教訓を導き出す。文 献林 衛:中学校「理科」で震源モデルを学びたい—大川小児童の思いを語り継ぐためにも,地震学会モノグラフ第4号「学校・社会による地震知識の普及」(2015)地震学会(http://zisin.jah.jp/)出版物・資料ページからダウンロード可林 衛:有権者教育のための理科知識・批判的思考力 : 石巻市立大川小学校津波被災の原因,2015年10月日本理科教育学会北陸支部大会(金沢大学) http://hdl.handle.net/10110/14685 からダウンロード可『市民研通信』(電子版)林 衛:大川小事故検証委員会はなぜ混迷を続けるのかhttp://archives.shiminkagaku.org/archives/2014/01/post-468.html林 衛:大川小事故検証委員会はなぜ混迷を続けるのか(その2)http://archives.shiminkagaku.org/archives/2014/02/2-11.html
著者
林 衛
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.311-316, 2004
参考文献数
14

研究者コミュニティのなかで日々みられるインフォーマル・コミュニケーションに加えて,いま,研究者コミュニティと社会全体とのインフォーマル・コミュニケーションが求められるようになってきているのはなぜだろう。それは,基礎研究(科学)はやがてその応用である技術を通して社会に還元されると考える「リニアモデル」優位の時代が終焉を迎え,また,市民の無知を前提とした「欠如モデル」が見直されているからだ。両者に代わる双方向コミュニケーションとして,産学連携および狭義の科学コミュニケーションの充実が必要となる。たんにわかりやすいだけでなく,科学を広く深く魅力的に表現するサイエンス・ライティングの理論化も進んでいる。
著者
林 衛
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.81-91, 2006-12

2006年4月,富山大学人間発達科学部に,科学技術社会コミュニケーション研究室が誕生した。いままでの科学教育が,専門家養成のために体系化された科学知識のダイジェスト版を初等中等教育に提供するものであるとみるならば,ここに提案する新しい科学教育は,市民社会のさまざまな場面で,問題提起や判断,意思決定を保証できる能力の獲得をめざしている点が特徴的で,補足的だといえよう。地域をベースに有効な科学コミュニケーション手法の研究・開発を進めるとともに,科学の文化をスポーツや政治などのほかの文化と比較しながら,分析し,育んでいく研究・実践の舞台として,人間発達科学部には好条件が揃っている。
著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-12,

科学教育研究協議会第65回全国研究大会群馬大会, 日程:2018年8月3日(金)~5日(日), 会場:高崎市総合文化センター内中央公民館・文化会館・少年科学館
著者
林 衛
巻号頁・発行日
pp.1-84,

科学教育研究協議会第65回全国研究大会群馬大会, 日程:2018年8月3日(金)~5日(日), 会場:高崎市総合文化センター内中央公民館・文化会館・少年科学館
著者
林 衛
出版者
黒部川扇状地研究所
雑誌
黒部川扇状地研究所研究紀要
巻号頁・発行日
vol.38, pp.36-45, 2013-03-31

東京電力福島第1原子力発電所で、複数の原子炉の核燃料が冷却不能になり、飛散した放射性物質が、東北地方から関東地方を中心に広範な環境汚染をもたらした。過酷事故は、広範な放射能汚染をもたらすとともに、何万人から何十万人あるいはそれ以上の人びとの生活基盤を破壊する。世の中をよりよいものにしようとする人びとのさまざまな日常の営み農業も漁業も、将来世代のための子育てや教育活動も努力の成果をだいなしにしてしまいかねないのだ。専門家として尊重されているはずの科学者たちが、道をふみはずし、世の中を混乱させ、地域社会に分断をもたらす。これが原発過酷事故の本質だろう。富山県は、北陸電力志賀原子力発電所の風下に位置する。偏西風、季節風、局地風が影響して風下に放射性物質が流れる現実からみて、北西の季節風がまだ強かった冬の終わりに、太平洋岸で日本初の過酷事故が生じたのは不幸中の幸いであったといえる。二度と悲劇を繰り返さない道を検討する。