著者
紺家 裕子 椎尾 一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.19, pp.1-6, 2012-03-19

映像,演劇など映像と音声にて表現されるコンテンツにおける聴覚障害者向けバリアフリー対応として字幕の付与がある.日本において,地上波放送では字幕放送が増えつつあるが,演劇等ではほとんど付与されていない.また,演劇鑑賞においては,皆が集まって観劇するため楽しみ方はほかの観客の反応にも大きく影響される.私たちは,演劇における字幕付与方法および観客の反応を表示する仕組みを提案して実装,演劇公演にて利用し評価したThis paper addresses information support for hearing-impaired people. In present Japan, there are few theater programs with captions for hearing-impaired persons. A few programs that provide captions for hearing-impaired persons also only show a dialogue and sound (note sign). It is offered as a part of the pleasure of theater. We propose a caption presentation method for hearing-impaired persons in theater plays. The method has to show dialogues and sounds of the play program and applause from the audience. We implement the method and evaluate it.
著者
辻田 眸 川原 夕季 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, ユビキタスコンピューティングシステム (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-6, 2011-05

通信技術の発達により,昔に比べると遠距離間でもコミュニケーションをとりやすくなっている.しかし時差がある場合,相手の時間等を気にする必要があり, コミュニケーションをとることが難しい.そこで,我々は時差を考慮した遠隔コミュニケーション支援システムを提案する.その具体例として "AsyncDecor","CU-Later" について述べる.これらは遠隔地の相手の行動をリアルタイムに伝達するのではなく,時差の分だけずらしてその行動を伝達するシステムである.本稿では AsyncDecor, CU-Later の概要と具体例について述べ,今後の展望について示す.It is easier to communicate with remote partners than ever before since various means of communication become widespread recently. However, remote communication issues for people living in different time zones are still not resolved. In these cases, most people often worry about her/his partner, since they have only limited time to communicate with each other. To address this problem, we propose the two communication system considering time difference - the AsyncDecor system and the CU-Later system which support remote communication of partners considering the time difference between two locations. AsyncDecor and CU-Later can transmit an activity of a user to her/his partner who lived in another time zone after several hours (decided by the time difference) the original activity occurred.. We discuss the design of this system and future prospects.
著者
大野敬子 椎尾一郎
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.141-142, 2014-03-11

互いに知り合いである少人数グループが共同利用する資源へのアクセス管理手法として,SNS,とくにTwitterのようなマイクロブログ型情報共有システムが有効と考え,システムを実装した.ここでは,十数人の大学研究室メンバーが共同利用する研究室ドアをカードや暗証番号で解錠するシステムに,Twitterボット機能を組み込み,1年以上運用した.メンバーがドアを解錠すると,Twitterボットが本人を含めた研究室メンバー全員にそのことを発信する.アクセスされたことをメンバー相互が知ることで,セキュリティの強化とともに相互コミュニケーションが促進された.
著者
大野敬子 椎尾一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.141-142, 2014-03-11

互いに知り合いである少人数グループが共同利用する資源へのアクセス管理手法として,SNS,とくにTwitterのようなマイクロブログ型情報共有システムが有効と考え,システムを実装した.ここでは,十数人の大学研究室メンバーが共同利用する研究室ドアをカードや暗証番号で解錠するシステムに,Twitterボット機能を組み込み,1年以上運用した.メンバーがドアを解錠すると,Twitterボットが本人を含めた研究室メンバー全員にそのことを発信する.アクセスされたことをメンバー相互が知ることで,セキュリティの強化とともに相互コミュニケーションが促進された.
著者
笹川 真奈 椎尾 一郎
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2015-UBI-47, no.8, pp.1-7, 2015-07-20

日本の都市部では,多くの人々が長時間の電車通勤・通学を強いられている.その通勤時間に,電車の中で座って休めるか否かは重要問題である.本研究では,電車内で乗り合わせた乗客が降りる駅を,過去の事例から推定・提示することで,席に座れるチャンスを利用者に提供するスマートフォンアプリケーション SUWANT!a を提案・実装した.本アプリケーションは,スマートフォンや各種デバイスが発信する Bluetooth 信号を利用して,電車内の乗客を特定する.そして Bluetooth 機器所有者が過去に乗降した駅のデータから,特定した乗客の降車駅を推定する.もしユーザの周辺にすぐに降りそうな乗客がいれば,本アプリケーションはその乗客の存在と推定距離と推定降車駅を表示する.ユーザは座っている乗客の周辺を歩き回り,変化する推定距離を見ることによって,もうすぐ降りそうな乗客を探し当てることができる.また,本アプリケーション使用中にも Bluetooth 信号を記録し,周辺の Bluetooth 機器所有者の乗降駅をデータベースに登録するためのデータを,サーバに送信する.本アプリケーションのユーザは,アプリケーションを使えば電車で座れる可能性が上がるという動機で,Bluetooth 信号の情報を収集するクラウドソーシングに参加することになる.評価実験では,特定の電車区画において,10 乗車中 2 回本システムを使って座ることができた.
著者
西村 綾乃 椎尾 一郎
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-38, no.9, pp.1-6, 2013-05-09

家事などの日常的な仕事は単調でつまらない作業,いわゆるルーティンワークになりがちである.また,今日では,音楽情報処理の技術が発達し,携帯プレーヤーで音楽を再生するだけでなく,ソフトウェアを利用することで歌詞とメロディをコンピュータに歌わせることも可能となった.そこで,本稿では位置情報や家電 (掃除機,冷蔵庫,電子レンジ,食洗機など) に取り付けたセンサ及びネット (SNS,天気予報,webニュースなど) から取得したユーザーの状況 (コンテクスト:Context) に合わせた歌詞とメロディを自動的に作成しリアルタイムに VOCALOID に歌わせることで,生活に彩りを与えるシステムを提案し,その実装を行った.
著者
沖 真帆 塚田 浩二 栗原 一貴 椎尾 一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1586-1598, 2011-04-15

本研究では,家庭内の様子をオルゴールのメタファを用いて音で提示するインタフェース「イルゴール」を提案する.イルゴールの背面に設置したぜんまいを巻いてふたを開くと,オルゴールのBGMに乗せて,過去の家庭の音が聞こえてくる.このように,オルゴールで過去の思い出を振り返るような感覚で家庭の様子を知ることができる.本論文では,実験住宅に複数のセンサを設置してユーザの行動を取得し,イルゴールを用いて生活状況が確認できるかを検証した.We propose a music-box-type interface, "HomeOrgel", that can express various activities in the home with sound. Users can also control the volume and contents using the usual methods for controlling a music box: opening the cover and winding a spring. Users can hear the sounds of past home activities, such as conversations and opening/closing doors, with the background music (BGM) mechanism of the music box. This paper describes the concepts, implementation and evaluation of the HomeOrgel system.
著者
椎尾 一郎 辻田 眸
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1221-1228, 2007-03-15
被引用文献数
4

PDA や携帯電話などの表示画面が小さな小型情報機器では,大きなサイズのWWW ページなどを閲覧する場合に,スクロール操作と閲覧操作を頻繁に繰り返す必要がある.本論文では,表示コンテンツのスクロール操作と編集操作を直感的に切り替える手段として,文鎮メタファに基づくインタフェース手法を提案する.平滑な机の上に紙片を置き,片手で紙片に文字を書き込もうとする場合,筆記具の先だけを紙の上において動かすと,文字を書くことができず紙が滑ってしまうことがある.このような状況では,人は,手のひらを使って,紙を押さえて固定して文字を書こうとする.手を使って文鎮のように紙を押さえるこの動作をメタファとして利用すれば,スクロールと編集操作をスムーズに切り替えるインタフェースが実現可能である.そこで,本論文では,ペン入力が可能なPDAなどの手のひらが当たる部分にタッチセンサを取り付けたデバイスを提案する.これにより,手のひらがタッチセンサに触れていないときに,ペンでドラッグするとコンテンツがスクロールするインタフェースを実現できる.本論文では,このインタフェースを実装し,地図,WWW ページ,写真を閲覧するアプリケーションを試作し評価した.Conventional scrolling methods for small sized display in PDAs or mobile phones are difficult to use when frequent switching of scrolling and editing operations are required, for example, browsing and operating large sized WWW pages. In this paper, we propose a new user-interface method to provide seamless switching between scrolling and other operations such as editing, based on "Paperweight Metaphor". A sheet of paper that has been placed on a slippery table is difficult to draw on. Therefore, in order to write or draw something on the sheet of paper, a person must secure the paper with his/her palm to avoid the paper from moving. This will be a good metaphor to design switching operation of scroll and editing modes. We have made prototype systems by placing a touch sensor under each PDA display where user's palm will be hit. We also have developed application programs to browse maps, WWWpages and photographs, which switch scrolling and other operation mode by the sensor output, and have evaluated them.
著者
池松 香 椎尾 一郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.1344-1352, 2014-04-15

パーソナルコンピュータ(PC),スマートフォン,タブレットPCなど,複数のコンピュータを利用する状況では,表示されている情報をコンピュータ間で転送する必要がしばしば発生する.単一コンピュータ内でならば,ドラッグ・アンド・ドロップなどの直接操作により情報の移動が容易に可能であるが,複数台のコンピュータによる環境では,転送先機器の探索や指定などのために煩雑な操作が必要になることが多い.そこで本論文では,急速に普及しつつあるマルチタッチ可能なトラックパッドやタッチディスプレイを利用して,複数コンピュータ間での情報移動操作を直感的に実現する操作技法:記憶の石(Memory Stones)を提案する.本方式はコンピュータ上に表示されている情報を,ユーザが複数の指を使ってつまみ上げ,これを別のコンピュータに運び・置く動作により,情報移動を実現する.
著者
紺家 裕子 椎尾 一郎
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012-EC-23, no.19, pp.1-6, 2012-03-19

映像,演劇など映像と音声にて表現されるコンテンツにおける聴覚障害者向けバリアフリー対応として字幕の付与がある.日本において,地上波放送では字幕放送が増えつつあるが,演劇等ではほとんど付与されていない.また,演劇鑑賞においては,皆が集まって観劇するため楽しみ方はほかの観客の反応にも大きく影響される.私たちは,演劇における字幕付与方法および観客の反応を表示する仕組みを提案して実装,演劇公演にて利用し評価した
著者
辻田 眸 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.18-28, 2010-01-26
被引用文献数
1

距離を隔てて暮らす人たちに,相手の存在感や振る舞いなどのアウェアネスを伝えることで,従来の電話やメールを補完もしくは置き換えようとする新しいコミュニケーションシステムが多数提案されている.本研究では,日常生活における行動の偶然の一致が,話題のきっかけ,親近感,連帯感などをもたらすことに着目し,遠隔地にいる人々の行動が偶然一致したことを伝達する,新しいコミュニケーションシステムを提案する.また,ドアの開閉,ソファーへの着席,テレビの視聴などを検出して一致を伝達するシステムを試作し,研究室間での評価実験を行った.さらに2家族間での遠隔実験の結果を示し,今後の展望を述べる.
著者
森 麻紀 栗原 一貴 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.69-72, 2008-01-17
被引用文献数
4

日常生活の中で欠かせない食事をより楽しくするために,我々は食卓の彩りに着目し,いろどりんシステムを構築した.本システムはまず,ユーザが盛り付けした料理を食卓上でカメラを用いて撮影し,取得画像から料理に使用されている色を分析し,彩り色(料理の彩りをよく見せるための色)を計算する.次に,得られた彩り色で柄を生成し,プロジェクタを用いて皿に投影する.これにより,ユーザがテーブルに置いた料理の,視覚的なおいしさの向上を実現する.
著者
椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.45-50, 2000-05-12
被引用文献数
40

本研究では、拡張現実システムや実世界指向インターフェースで用いるための、安価で測定範囲を容易に拡張できる位置検出手法として、RFIDタグを利用した方式を提案する。床などにRFIDタグを複数貼付して、ウェアラブルな機器や、人が携帯・操作する装置にRFIDリーダを取り付ける。あらかじめ床に貼りつけたタグを読みとることで、ユーザーの位置を検出する。本論文では、ヒトの履き物にリーダを取り付けたシステム、ユーザーが操作するカートにリーダーを取り付けたシステムを試作して、性能評価を行った。その結果、コストと精度のトレードオフがあるものの、様々な応用が可能な実用的な方式であることを示すことができた。
著者
椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.1-8, 2002-09-20

Aware Homeは,ジョージア工科大学のキャンパス内に建設された,家庭向けコンピュータ利用を研究する実験住宅である.2000年春の完成以来,建物,家具,日用品に埋め込んだコンピュータ,ネットワーク,センサを利用して,人の状況認識技術の開発やアプリケーションの研究が進められている。筆者はここで,単機能のコンピュータを組み込んだ家具や日用品を使って,収納物の探索支援や,遠隔家族とのコミュニケーション支援を実現するシステムを試作した.本報告では,Aware Homeのプロジェクトを中心に,日常生活を豊かにするユビキタスコンピューティング研究を紹介する.