著者
奥邨 大輔 塩崎 一紀 三田 村隆 菅野 幸雄 嶋倉 一實 横山 真太郎
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成19年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.1375-1378, 2007-08-24 (Released:2017-08-31)

The present study describes control methods for influenza virus. We verified the effect of slightly acidic electrolyzed water on influenza virus in both fluid condition and aerosol condition. By the hemagglutination test and the TCID50 test, it was confirmed that virus lost its viral activity drastically. In addition, we introduced the new system adopted electrolyzed water into school facilities. Experimental results showed the effect of keeping adequate relative humidity and decreasing airborne common bacteria and fungi.
著者
塩崎 一紀 籏谷 広司 嶋倉 一實 横山 真太郎
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成17年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.1633-1636, 2005-07-25 (Released:2017-08-31)

The present study describes improvement methods for indoor microbial contamination in urban public facilities. We investigated the effects of low concentration of hypochlorous acid water on influenza virus with the tissue culture infectious dose 50 (TCID-50) assay using Caco-II cells and hemagglutination test. And experiment of applying system reducing airborne microbe to a primary school is introduced. Experimental results showed the validity on improvement of both relative humidity and airborne bacteria and fungi. In addition bactericidal effects of low concentration of hypochlorous acid water against Legionella bacteria in hot spring water as well as in distilled water are demonstrated.
著者
吉岡 誠記 横山 真太郎 小口 智
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.146, pp.13-21, 2009-05-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
24
被引用文献数
2

わが国では人口構成の高齢化が進んでおり、今後、社会福祉施設を利用する数の増加が予想される。一方、近年では室内環境における微生物汚染が着目されており、例えば一般に易感染者とされる高齢者を中心とする社会福祉施設においては、重症かつ大規模な被害の可能性も考えられる。そこで、我々は札幌市東区にある老人保健施設を対象に、ビル管法で室内における濃度基準が定められている項目に加え、一般に室内空気汚染の指標として取り上げられることが多いと思われる室内浮遊微生物や自然放射性物質などを加えた項目を主要室内空気質として、その測定調査を実施し、その実態の調査を行った。この結果、冬期では非常に低湿度傾向にあることが確認された。続いて、このような低湿環境においては細菌やウィルスに対する抵抗力が低下すること多くなることが考えられるため、施設内感染対策に関連した室内空気環境における微生物制御を念頭に、加湿・滅菌複合システムの開発を行った。そして本システムの有効性の考察およびその活用法の具体的手順の提示を目的とし、同施設での導入実験を行い、湿度レベルの保持とともに浮遊微生物数の減少に効果がみられることを確認した。
著者
三上 秀人 湯 懐鵬 横山 真太郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.73, no.626, pp.457-462, 2008-04-30
被引用文献数
1

化学物質過敏症(CS)は化学物質の急性曝露あるいは低濃度の慢性曝露によって過敵性を取得し,その後に極低濃度の化学物質曝露によりアレルギー様の症状を示すようになる健康障害である。症状は様々で,疲労感,頭痛,倦怠感,腹痛やぜんそく,皮膚炎など多岐にわたる。CSを診断・治療するには,空気中の汚染物質を除去した専門の治療施設が必要とされており,その清浄度目標値はVOCで10μg/m^3,非メタン炭化水素(NMHC)で30μg/m^3である。治療施設内の清浄度目標値は外気濃度よりも低いため,導入外気は汚染物質を除去する活性炭フィルターが必要であり,室内で発生した汚染物質を除去するために,循環系統にも活性炭フィルターが必要である。一方,建築部材から発生する汚染物質は室内を汚染すると共に,循環系統の活性炭フィルターのコストを高めるため,極力汚染物質の発生の少ない建築部材を選定する必要がある。本研究の目的は,CSの診断・治療施設の建設に先立ち,汚染物質の濃度を低減する技術を確立することであり,本報はその第1報として,治療施設用に開発した特殊活性炭の性能試験と,治療施設の建築部材の選定についての報告である。粒状炭を充填した充填式の活性炭フィルターは長寿命であることから,大風量を処理する場合に使用されるが,発塵量が大きいため,二次側にHEPAフィルターなどの塵埃除去フィルターが必要である。HEPAフィルターはアウトガスの問題と僅かな特有の臭気の問題があり,治療施設では活性炭フィルターの2次側に設置すべきではない。そこで,筆者らは発塵を抑制するために,活性炭表面を珪酸ナトリウムで被覆した特殊活性炭(SAC)を試作した。SACは,椰子殼活性炭を珪酸ナトリウム溶液に含浸して減圧し,その後乾燥して作成した。このSACと市販の椰子殼活性炭について,寿命と発塵の点について性能評価を行った。寿命試験はFig.1に示す実験装置において行った。試験用ガスにはベンゼンを使用し,ホルムアルデヒドについても同様の試験を行った。濃度を一定に調整した空気を供試活性炭に流通させ,経過時間と除去率の関係を調べた。発塵試験はFig.2に示す実験装置において行った。SUS容器に供試活性炭を入れ,HEPAフィルターでパーティクルを除去した空気を流通させ,発塵量を測定した。ベンゼンの寿命試験結果では,SACと市販の活性炭の寿命は同等であった。除去能力は活性炭単位体積あたりの吸着量で決定されると仮定して,東京都心部の外気を導入した場合の寿命を試算した。東京都心部のTVOC濃度をベンゼン濃度に換算して0.5mg/m^3とすると,6000時間と試算された。ホルムアルデヒドの寿命試験結果では,両者とも寿命が非常に短いことが確認されたが,除去率50%以下に低下した後の除去率は,SACの方が優る結果を得た。発塵試験の結果では,SACの発塵量は椰子殼活性炭の1/6以下であり,珪酸ナトリウムによる表面被覆は発塵の抑制に有効であることを確認した。次に,建築部材の決定を目的として,Fig.3に示す小形チャンバー法によりアウトガス試験を行った。試験方法はASTM D5116-90に則った。試験の結果,SUS304,ガルバリウム鋼板,ホーロー鋼板および御影石からはアウトガスは検出されなかった。アウトガス量および視覚的なストレスの観点から,天井および壁にはホーロー鋼板,床材には御影石を採用することとした。カオリン,ロックウールおよび珪酸ナトリウムを混合して試作した新しい目地材からは,アウトガスは検出されなかった。ガスケットとしては,テフロン製ガスケットを採用することとした。ダクトや空調機,制気口などはSUS304を採用することとした。以上の結果より,今回試作したSACの寿命は市販の活性炭と同等以上であり,発塵量は1/6以下に改善されたことから,化学物質過敏症の診断・治療施設において汚染物質除去用活性炭として使用できることを確認した。また,アウトガス試験により最適な治療施設の建築部材を決定したことにより,基本仕様を確立した。
著者
横山 真太郎
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.347-355, 1978 (Released:2008-02-26)
参考文献数
56

北海道に生育した群(HK群)とそれ以外の群(非HK群)から成る被験者について,至適環境から寒冷環境移行に伴なう shivering による局所筋産熱と循環機能の心拍数変化を検討した。心拍数評価では,諸家の報告の検討を経て,それが冷刺激による副交感神経性の抑制と産熱の酸素消費増大に伴なう運動時と同様な交感神経性と思われる促進との拮抗関係の上に成り立ち,下降は個体全身にとって軽度の,上昇は重度の寒冷環境条件に対応していると考えるに至った。その観点に立って両群の寒冷適応の異同の説明を試みた。筋電図による局所筋産熱の評価では今回の設定条件においてHK群は体幹部のみを中心に増大していること,及び非HK群ではHK群と同様なグループと体幹部並びに下肢部の筋に増大がみられるグループに分かれ,両群には差異が存在することが明らかとなった。併せて,軽度と重度との間の心拍数の変動に関して,至適時に比して余り変化のない場合と増加状態へ転ずる場合の違いは,shivering が体幹部のみならず四肢部特に下肢部の巨大な筋にまで波及しているか否かによると考えられ,寒冷環境下の心拍数変化の意味付けが深まった。
著者
倉前 正志 豊島 悠輝 前田 享史 横山 真太郎
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.260-267, 2008-10-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
14

CELSS (閉鎖生態系生命維持システム) とは系外と物質の授受を行わない閉鎖空間内を, 系内での物質循環により人間が生活できる環境に保つシステムである。本研究ではCELSSの物質循環を解析する第一段階として, (財) 環境科学技術研究所・閉鎖型生態系実験施設 (CEEF) の実際の設定を参考に, CELSSの数理モデル化に必要な構成要素の検討とそれに基づくモデル化を行った。今回の検討ではO2およびCO2に着目し, 食物生産は植物栽培により賄うこととした。居住区, 植物区, O2タンク, CO2タンク, 湿式酸化装置, 酸素再生装置の6要素でモデルを構成し検討を行った結果, 適切に属性値を設定することで各区画のO2・CO2濃度が長期間で安定し, 閉鎖系内で安定した物質循環を行ううえで少なくともこの6要素が有効であると示唆された。また, CEEFの属性値を用いて検討を行った結果, 時刻により変動する人間および植物の代謝量にも, 設定を変更することで応用可能性があることが示された。
著者
吉岡 誠記 横山 真太郎 小口 智
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.146, pp.13-21, 2009
参考文献数
24
被引用文献数
2

わが国では人口構成の高齢化が進んでおり、今後、社会福祉施設を利用する数の増加が予想される。一方、近年では室内環境における微生物汚染が着目されており、例えば一般に易感染者とされる高齢者を中心とする社会福祉施設においては、重症かつ大規模な被害の可能性も考えられる。そこで、我々は札幌市東区にある老人保健施設を対象に、ビル管法で室内における濃度基準が定められている項目に加え、一般に室内空気汚染の指標として取り上げられることが多いと思われる室内浮遊微生物や自然放射性物質などを加えた項目を主要室内空気質として、その測定調査を実施し、その実態の調査を行った。この結果、冬期では非常に低湿度傾向にあることが確認された。続いて、このような低湿環境においては細菌やウィルスに対する抵抗力が低下すること多くなることが考えられるため、施設内感染対策に関連した室内空気環境における微生物制御を念頭に、加湿・滅菌複合システムの開発を行った。そして本システムの有効性の考察およびその活用法の具体的手順の提示を目的とし、同施設での導入実験を行い、湿度レベルの保持とともに浮遊微生物数の減少に効果がみられることを確認した。
著者
横山 真太郎 角田 直人 富樫 貴子 濱田 靖弘 中村 真人 落藤 澄
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.78, pp.1-8, 2000-07-25
被引用文献数
5

部位別特性を考慮した生体内温度予測プログラムの開発のために,皮膚血流量調節の数理モデルを検討した.モデル式は,生理学的知見に基づき,視床下部温および平均皮膚温の各セットポイントからの変位を入力因子とする線形モデルを採用し,さらに部位別特性を表す血流変化量相対比を式中に導入することによって精度向上を図った.提案した数理モデル式を生体内温度予測プログラムに組み込むことにより,生体内温度に与える血流量調節の効果をシミュレーションによって定量的に示し,その有効性を明らかにした.
著者
長野 克則 横山 真太郎 濱田 靖弘 絵内 正道 藤田 巧
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

(1)調湿材料の選択とその吸放湿特性:種々の天然調湿材料を比較検討した結果、価格対調湿効果の点で、稚内層珪質頁岩が優れた特性を有することがわかり、この稚内層珪質頁岩を建材や塗料に混入させた場合の静的および動的特性について実験的に明らかにした。(2)調湿機能を有する内装材を設置した実証実験:床面積7.5m^2の部屋の内壁23.2m^2部分に、稚内層珪質頁岩を1.92kg/m^2含有する石膏ボードを設置した場合と、普通石膏ボード表面に稚内層珪質頁岩を0.68kg/m^2含有する人工漆喰を塗布した場合について、日単位で加湿、除湿を繰り返した時のパッシブ調湿作用について検討した結果、両条件とも普通石膏ボード仕上げの場合に比べて、顕著な調湿作用を示した。(3)室内調湿効果予測のためのシミュレーターの開発:室内仕上げ材に調湿機能を持つ建材を導入した時の室内湿度を予測するシミュレーターを開発した。調湿建材の使用により、たとえば東京では梅雨時期にかび発生の危険域と言われる相対湿度90%以上となる時間を10分の一以下に減少できることが示された。(4)各種ガス吸着、調湿作用がある物質のVOC吸着・脱着特性に関する実験的検討:容量20Lの密閉チャンバー内を一定温湿度に保ち、トルエン、アセトアルデヒド、標準VOC7成分のそれぞれに対して稚内層珪質頁岩の吸着量を測定した。いずれのガスに対しても、稚内層珪質頁岩は活性炭とほぼ同等の吸着性能を持つことがわかった。一方、高温・低湿度環境下において、一度吸着したガスの脱着について測定したところ、アセトアルデヒドに関しては明らかに脱着が確認されたものの、トルエン、VOC7成分に関しては活性炭と同様に脱着は見られなかった。さらに、悪臭成分のアンモニアに対する最大吸着量を調べた結果、高い吸湿性能を有する稚内層珪質頁岩は水溶性のアンモニアの吸着に優れており、最大吸着量は活性炭の30倍以上となることが明らかにされた。