著者
山田 政寛 橋 洋平 香川 文恵 岡部 幸祐
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.53-56, 2011
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では,図書館内に設置された協調学習空間の,学習者の学習の情意面に対する効果について検討を行った.協調学習空間内で学習していた利用者に対し,質問紙で協調学習空間内にある什器類,図書館内の文献利用のしやすさ等が学習者にもたらす効果と満足度について回答を求めた.その結果,可動性の高い机や小型のホワイトボードの有効性と図書館内の文献利用がしやすいことなどが高い値を示した.続いて各項目間で相関分析を行ったところ,協調学習空間内に設置された什器類のもたらす効果,図書館内の文献利用のしやすさ,協調学習空間内における学習の有効性の間に弱から中程度の有意な正の相関が確認された.
著者
榊原 啓 肥田野 等 土屋 整也 福井 明 高橋 洋平
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.968-973, 1984-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

播種性コクシジオイデス症の1例を経験した.症例は47才,男性で,昭和57年7月23日頃より38°C以上の発熱あり,近医にて加療するも不変のため, 7月30日本院受診し入院した.入院時胸部写真で,右上縦隔および右肺門リンパ節の腫大,右上葉のスリガラス様陰影を認めた.当初肺炎と診断し,各種抗生物質,抗結核薬を投与したにもかかわらず, 39°C以上の発熱が1カ月以上続いた. 8月中旬より右鎖骨上窩にリンパ節を触知し,母指頭大に腫大したため, 9月8日生検した.この結果コクシジオイデス症の疑いが濃厚となつた.なお,この生検部が一時外瘻化し膿汁が出現したため,これを培養した所, Coccidioides immitisと定し得た. 9月14日よりアンホテリシンBと5-FCの併用療法を行なつたが,無効のため, 10月1日よりMiconazoleとKetoconazoleに変更した.変更後2週間で下熱し,血沈も改善した.一時肺炎を合併したが経過は順調で12月16日MiconazoleとKetoconazoleを中止した.コクシジオイデス症は難治性疾患で,特に播種性コクシジオイデス症の半数は死亡するとされている.本症は北中南米にみられる疾患で,他地域には殆どみられない本邦では1927年に榊原らが朝鮮人労働者の1例を報告しているにすぎず,本症例は日本人として第1例目である.
著者
高橋 洋平 田中 優 甲斐 由佳 平野 浩紀 中谷 貴美子 伊藤 悟志
雑誌
高知赤十字病院医学雑誌 = Medical Journal of Kochi Red Cross Hospital (ISSN:09197427)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.49-55, 2018-03

処女膜閉鎖症は,尿生殖洞の発生異常により生じる比較的稀な疾患として知られている.症例は11 歳女性.初経は未発来.持続する下腹部痛を主訴に来院し,MRI にて腟留血腫を認め,手術時に外陰部の視診で腟口の閉鎖と閉鎖部位に薄い膜が膨隆しており診断に至った.処女膜切開,貯留血の排出を行い,切開部位の縫合を行った.術後は子宮・腟形態の回復を認め,月経も発来しており順調に経過している.本邦での発生例184 例の文献的考察を加えて報告する.
著者
中橋 洋平 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.262-265, 2007 (Released:2008-02-21)
参考文献数
9

街路樹周辺の放置自転車問題をとりあげ,首都圏の自治体にアンケート調査を行い,その現状と対応についての傾向の把握を試みた。その結果,特に東京都において,放置自転車が景観や街路樹へ悪影響を与えている事例が数多く報告された。また,街路樹部署と自転車部署間でこの問題に対して意識の違いがあることも明らかとなり,両部署の意思疎通の有無が,街路樹周辺の放置自転車問題改善に影響することが示唆された。
著者
中橋 洋平 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.262-265, 2007-08-31

街路樹周辺の放置自転車問題をとりあげ,首都圏の自治体にアンケート調査を行い,その現状と対応についての傾向の把握を試みた。その結果,特に東京都において,放置自転車が景観や街路樹へ悪影響を与えている事例が数多く報告された。また,街路樹部署と自転車部署間でこの問題に対して意識の違いがあることも明らかとなり,両部署の意思疎通の有無が,街路樹周辺の放置自転車問題改善に影響することが示唆された。
著者
立花 綾香 加地 剛 七條 あつ子 高橋 洋平 中山 聡一朗 中川 竜二 前田 和寿 早渕 康信 香美 祥二 苛原 稔
出版者
日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.155-159, 2016-05

純型肺動脈閉鎖(pulmonary atresia with intact ventricular septum:以下PAIVS)の治療方針の決定には右室の大きさ,肺動脈の閉鎖様式に加え,冠動脈が右室内腔と繋がる異常交通(類洞交通)の有無や程度が重要とされる.今回胎児期に類洞交通を評価できたPAIVSの一例を経験したので報告する.超音波検査にて胎児の右室が小さいことを指摘され妊娠23週に紹介となった.初診時の超音波検査にてPAIVSと診断した.また右室心尖部に心筋を貫通する両方向性血流を認め,類洞交通の存在が疑われた.その後冠動脈を起始部から系統的に描出することで,左冠動脈前下行枝からの大きな類洞交通であることを確認した.右室が高度の低形成でかつ大きな類洞交通があることから単心室修復が必要となることが予想された.児は出生後,心臓超音波検査,心臓血管造影にて同様の診断がなされ,単心室修復に至った.胎児超音波で冠動脈を起始部から系統的に観察することで,類洞交通の評価が可能となりそれにより,出生前から治療方針の検討ができ,家族への説明に有用であった.
著者
高橋 洋平 鈴木 茂
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.97-103, 2006 (Released:2006-10-17)
参考文献数
23
著者
橋 洋平
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.115, pp.2068, 2020-08-31 (Released:2020-09-11)

1980年代後半以降,金沢大学附属図書館で行ってきた利用教育・学修支援活動の変遷を5 フェーズに分けて整理した後,現在,アクティブ・ラーニング型授業支援として,図書館が行っている授業,学修相談,セミナー,イベント等の内容を「授業内/外」,「フォーマル/インフォーマル」の観点で分けて紹介する。その活動のベースには,大学全体のミッション,各種補助金の活用,ラーニング・コモンズという場,図書館職員によるワーキンググループ及び教職・学生協働による実施,LMS の活用等がある。最後にその成果と課題をまとめる。
著者
今井 久美子 大橋 洋平 柘植 知彦 吉積 毅 松井 南 岡 穆宏 青山 卓史
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.S050, 2006 (Released:2006-12-27)

Endoreduplicationは有糸分裂をせずにDNAの複製を繰り返して細胞のploidy(倍数性)が上昇する細胞周期で、特に植物では様々な組織の発生・分化に関わっており、例えばシロイヌナズナでは成熟ロゼット葉を構成する細胞のほぼ8割で起きている。植物体ではこの現象によって上昇するploidyは組織に応じてほぼ一定の範囲内に制御されているが、動物では癌化に関連して無秩序に起こる場合が多く、主に細胞周期の異常としてそれが起こる原因についての研究が進められてきた。植物においても、通常の細胞周期からendoreduplicationへの切り替わりに関する因子を中心として解明が進んでいるが、一方でその終了に関わる因子については存在の有無についても良く分かっていなかった。我々は植物サイクリンA2がendoreduplicationの終了に関わる主要因子であり、DNA複製の繰り返しを阻害していることを確認した。植物細胞はそのタイプに応じてendoreduplicationの促進・抑制因子のバランスを調整して巧妙にploidyを制御していると考えられる。
著者
中橋 洋平 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.311-314, 2008-08-31
被引用文献数
1

立面緑化の印象評価に関する研究はこれまでにも行われているが,そのほとんどが正面からの実験や角度,距離等を考慮に入れていないものである。しかし,実際の現場では歩行により通過する際などで見る場合が多いと考えられる。そこで本研究では歩行時の見え方によって立面緑化の印象がどのように変化するのかをSD法を用いて調べ,立面緑化の視覚的効果の検証を試みた。その結果,見る角度の違いによって印象が異なることがわかった。
著者
高橋 洋平 井上 晋一郎 島崎 研一郎
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物の生長調節 (ISSN:13465406)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.135-143, 2008-12-19

気孔は一対の孔辺細胞から構成され,光によって開口し植物ホルモン(アブシシン酸,ジャスモン酸など)によって閉鎖し,植物と大気間のガス交換を調節している.孔辺細胞はシグナルとして作用する青色光をフォトトロピンを介して受容し,化学情報への変換,細胞膜H^+-ATPaseの活性化,内向き整流性K^+チャネルによるK^+の取り込み等の過程を経て気孔開口を引き起こす.一方,孔辺細胞はアブシシン酸や二酸化炭素を受容し,多くの情報伝達体からなるネットワークを通して,細胞膜陰イオンチャネルを介したイオンの遊離によって気孔閉鎖を誘発する.気孔の開口および閉鎖に関与する情報伝達因子,それらを制御する蛋白質リン酸化反応,さらに,独立した経路と考えられた気孔開口と閉鎖の両経路間のクロストークの解明が進んでいる.