著者
橋本 彩子 神戸 大朋
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.11, pp.836-841, 2012 (Released:2017-12-15)
参考文献数
28

日本人の食生活については,献立の欧米化,インスタント食品化が進み,最近では伝統的日本食の価値が見直されている。現代日本人の食事では,タンパク質,脂質の摂取が十二分となっているが,金属元素等の微量成分が不足しがちであることが明らかになってきた。本解説の著者らは,人体における亜鉛(Zn)の重要性に着目し,Znの栄養研究を実施してこられた。その中で,味噌等の発酵食品の成分がZn吸収促進効果を持つことを示された。ここでは,亜鉛栄養研究の現状を概観していただき,発酵食品の成分への期待を含めて,今後の研究の展望をわかりやすく解説していただいた。
著者
橋本 彩子 神戸 大朋
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.107, no.11, pp.836-841, 2012 (Released:2013-10-08)
著者
輪違 弘樹 川上 榮一 黒飛 浩二 竹島 勝也 久保田 修 橋本 彩弥香 大林 櫻子(NUT) 丸山 二美子(MT) 吉田 信司(MD) 中村 隆
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.65, 2011 (Released:2011-08-03)

【目的】 近年, 栄養サポートチーム(以下NST)稼働施設は急増しており, それに伴いリハビリテーション(以下RH)栄養の先行研究報告は増加しているが, 十分なEBMは示せていない. 高齢者の栄養障害は, 日常生活活動 (以下ADL)や生活の質 (以下QOL)を低下させるだけでなく, 呼吸機能低下や創傷治癒の遅延, 生体の防御機構である免疫能を低下させ, 生命予後を大きく左右する. RHに適切な臨床栄養管理を並行することで, RH効果は高まると考える. 本研究の目的は,栄養状態とRH効果を後方視的に調査し, その関連を明らかにすることである. 当研究はヘルシンキ宣言に沿って, 対象者に研究の主旨を説明し, 同意を得た上で実施した. 【方法】 対象者は, 2010.6月~2010.10月に当院一般病棟を自宅退院した症例73名.栄養状態の指標は入院約3週間後の半減期血清アルブミン値(以下Alb値)を用い, 栄養状態正常群(Alb3.5以上,以下正常群), 栄養状態低値群(Alb値3.5未満,以下低値群)に分類し, RH介入前後のBarthel Index(以下BI),RH施行日数を比較検討した. 統計処理はt検定を用い, 有意水準は0.05以下とした. 【結果】 正常群は29名(男女比7:22 平均年齢は77.0±10.9歳), 低値群は44名(男女比15:29 平均年齢83.8±10.2歳)であった. RH開始時の平均BIは正常群87.9±13.8, 低値群34.0±24.1で, 正常群が有意に高かった. RH施行日数は正常群18.3±12.2日, 低値群28.3±18.3日で, 正常群が有意に短かった. 退院時のAlb値、BIは正常群、低値群ともに有意に上昇している. RH開始時のAlb値(入院約3週間後の半減期Alb値)とRH施行日数(開始から退院までの日数)には有意な相関があった. RH開始時のBIとRH施行日数には有意な相関はみられなかった. 【考察】 低値群では早期から積極的なRHはかえって生命維持のための栄養素の同化を阻害し, 異化を助長させてしまう可能性が高く, RHが逆効果になることが考えられるので, 今後の検討を要する. 低値群の症例では全身状態を理解し, 臨床栄養管理と早期から無理のない適切なRHや効率の良い動作指導することが重要になっていく可能性があり, 患者のADLやQOLの向上をより期待できると考えられる. そのためには, RHスタッフは栄養スクリーニングや評価を実施し, その患者の栄養状態に見合ったRHプログラムを立案することが望ましいと考えられる. 今後の検討課題として,低栄養症例へのRH効果を明らかにできる評価方法を模索し, RHにおいてPTが発揮できる専門性や, 低栄養症例のPTアプローチを考えていくことが重要である. 【まとめ】 今後, 高齢化社会が進む中, 栄養障害患者の増加が予想される. そのため栄養状態を考えたRHを実践することは運動機能・ADLの向上のために重要である.