著者
水島 裕
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004

数値計算は数学または応用数学の一分野である.数学は科学,工学に現れる現象,関係,設計過程などをモデル化するのにその威力を発揮している.一方,数学における実数演算を浮動小数点演算で行う場合,丸めや打ち切り誤差が生じるため,その精度に関しては保証することは困難である.そこで,数学的に正しいと保証する理論と技術の開発を,精度保証付き数値計算という.本論文では,数値計算用のソフトウェアであるMATLABを用いた大規模スパース行列の精度保証付き数値計算を行う.大規模な行列を扱う場合,莫大なメモリ量を消費するため,現時点では効率の良い精度保証を行えるまでに至っていない.そこで,スパース行列がもつ非零要素が少ないという特性と反復解法を利用し,10000×10000以上の大規模スパース行列を精度保証することを目的とする.
著者
水島 裕
出版者
日本炎症・再生医学会
雑誌
炎症 (ISSN:03894290)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.93-103, 1995-03-31 (Released:2010-12-10)
参考文献数
34
著者
道券 一浩 桧垣 恵 東海林 洋子 嶋田 甚五郎 西岡 久寿樹 水島 裕
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.257-261, 1993-07-10 (Released:2009-02-23)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

Antisense oligonucleotide hold great promise as potential therapeutic agents for inhibiting the expression of undesirable genes specifically. Whereas, interleukin-1β(IL-1β) play a key role in the inflammation and the developing of rheumatoid arthritis(RA). To block the IL-1β production by antisense DNA method, we synthesized antisense oligonucleot ides (20mers)with ph osphoroth ioate linkages targeting the human IL-1β mRNA. These antisense oligonucleotides were tested for inhibition of IL-1β production in LPS-stimulated human peripheral blood mononuclear cells from healthy volunteer and primary synobiocytes from patients with RA. These cells were cultured with each oligonucleotide and total IL-1β contents were measured by using ELISA system. Antisense oligonucleotides inhibited the production of IL-1β in both cells in a dose-dependent manner.
著者
東海林 洋子 水島 裕 嶋田 甚五郎
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

我々はこれまで、単純ヘルペスウイルスI型(HSV-I)をターゲットとして、アンチセンスDNAを合成してきて、スプライシングのある限局した部分をターゲットとした場合にのみ、高い抗ヘルペス活性を認めてきた。そのメカニズムとして、スプライシングに必要な高次構造を崩すことにより高い抗ヘルペス活性を示すことを認めている。しかしながら、例外として、配列の中にGXGGG (X=A,T,C,G)を含む時には、アンチセンス配列を含まない場合にも、高い抗ヘルペス活性を認めた。ひとつの要因として、フォスフォロチオエート型オリゴヌクレオチド(S-ODN)の有する蛋白結合性に着目した。フォスフォロチオエート型オリゴヌクレオチドは血清蛋白との結合率は86.6%と天然型ODN(D-ODN)が21.6%に比べ高かった。また、ウイルスそのものとの結合率も、D-ODNが5%以下であるのに比べ、S-ODNは約50%がウイルスと結合した。そこで、S-ODNの抗ヘルペス活性のメカニズムの一つにウイルスの吸着阻害が考えれらた。ウイルス吸着阻害を検討すると、S-ODNでは、感染の初期にウイルスの吸着阻害が認められた。この吸着阻害がS-ODNの高次構造と関連があるものとみられ、CDスペクトラムを検討したところ、4重鎖構造を示唆するパターンが得られたが明確ではなかった。さらに、カチオン性リポソームによる活性増強を試みたところ、D-ODNによる活性増強は認められたものの、S-ODNでは活性の増強は認められなかった。この一因として、S-ODNの蛋白結合性、高次構造がむしろ、カチオン性リポソームの効果を阻害しているものと思われた。アンチセンス医薬品の第1号が発売されたのは、画期的なことであるが、連続したG配列を含む場合には、アンチセンス以外のメカニズムが存在することにも留意すべきであろう。