著者
浅里 仁 井上 美津子 佐々 龍二 池田 訓子 伊田 博 島田 幸恵 向山 賢一郎 佐藤 昌史 山下 登
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.373-380, 2004-12-31
被引用文献数
2

パネルディベートを歯学部4年 (89名) の小児歯科学の授業に導入した.到達目標は, 「小児歯科治療への関心を育てることができる」, 「情報収集・整理能力を育てることができる」, 「論理的思考能力を育てることができる」, 「討論する力を育てることができる」, 「聞く力を育てることができる」, 「現実問題に対応する力を育てることができる」, 「患者の立場や心理への理解を深めることができる」の7つとした.テーマは「小児歯科治療に強制治療は必要か」とし, 患者および疾患の設定は, 「3歳児の左下乳臼歯のC<SUB>2</SUB>」とした.立場は保護者, 歯科医師 (肯定派), 歯科医師 (否定派) の3者とした.一日目は, スモール・グループ・ディスカッションを行馳立論文を作成空た.二日目は役割を立論者, 代表者, 応援団, 審判団とし, パネルディベートを行った.パ不ルァィベートの結果, 歯科医師 (肯定派) 班が勝者となった.学生のアンケート結果では, 到達目標の全ての項目で, 7割以上の学生が, 上記の能力や理解が "おおいにあがる" もしくは "少しあがる" と回答した.感想や意見では, パネルディベートに肯定的な意見, 否定的な意見, 配布した資料や実施方法についての問題点などがあげられた.
著者
井上 美津子 浅里 仁 池田 訓子 小林 聡美 佐々 龍二 高木 裕三 朝田 芳信 大嶋 隆 小口 春久 田中 光郎 前田 隆秀 宮沢 裕夫 藥師寺 仁 渡部 茂 真柳 秀昭 鈴木 康生 下岡 正八 野田 忠 渋井 尚武 進士 久明 田村 康夫 土屋 友幸 大東 道治 香西 克之 西野 瑞穂 木村 光孝 本川 渉 藤原 卓 山崎 要一 吉田 昊哲 丸山 進一郎 嘉ノ海 龍三 品川 光春
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.561-570, 2005-12-25
参考文献数
11
被引用文献数
5

小児に対する歯科用局所麻酔剤の安全性を明らかにするため日本小児歯科学会の委嘱により,臨床における使用実態と不快事項の発現に関する調査を行った.大学病院小児歯科および個人小児歯科診療所より4,145名分のデータが収集され,以下の結果を得た.<BR>1.局所麻酔を用いた治療は0歳から20歳以上の幅広い年齢層に行われていたが,12歳以下の者が約90%を占めていた.<BR>2.全身疾患やアレルギー体質を有する小児は調査対象児の2割以上を占め,また局所麻酔が初めての小児が16.2%であった.3<BR>.小児の治療において,局所麻酔はコンポジットレジン修復などの修復処置にも多用されていた.<BR>4.局所麻酔薬剤としてはリドカイン製剤が多く用いられており,投与量は1.0ml以下が多かったが,1.8mlを超えた例も3%程度みられ,追加投与により総量が増える傾向がみられた.<BR>5.術中,術後の不快事項は,それぞれ108名(2.6%),109名(2.6%)にみられた.不快事項の内容は,麻酔の奏効不良による疼痛や麻痺による違和感・不快感の訴えや,麻痺の残存による咬傷などが多くを占めていた.<BR>6.局所麻酔薬剤の副作用を疑わせる熟睡や軽い呼吸困難,悪心などの症状は,術中に3例,術後に6例ほどみられたが,いずれも重篤なものではなかった.