- 著者
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栗林 正俊
富樫 均
浜田 崇
尾関 雅章
大和 広明
陸 斉
畑中 健一郎
- 出版者
- 長野県環境保全研究所
- 巻号頁・発行日
- no.13, pp.47-53, 2017 (Released:2018-03-23)
長野県環境保全研究所では,気候変動影響調査と市民への環境学習の機会の提供を兼ねた講座とし,毎年8月に長野県内の6箇所(長野,上田,飯田,松本,伊那,大町)で,セミの抜け殻調査を1回ずつ実施している。本研究では,2012~2016年の5年間のデータから,セミの分布状況や年次変化を示し,各種セミの抜け殻数と気候条件の相関関係を基に年次変化の要因を考察した。この結果,エゾゼミは標高700m以上の涼しい調査地点で確認され,ニイニイゼミは標高700m未満の暖かい調査地点で確認された。松本会場ではエゾゼミが,長野会場ではニイニイゼミが,それぞれ減少傾向にあるが,長野,上田,松本の3会場ではミンミンゼミが増加傾向にあった。この3会場全てで,ミンミンゼミの抜け殻数は5月の月平均気温と有意な正の相関があった。今後も各地点での調査を継続すると共に,定点で時期を変えて複数回の調査を行い,調査のタイミングによるセミの抜け殻の種類の違いを評価することが課題である。