著者
深川 由紀子 香西 博明 香西 保明
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.2002, no.3, pp.415-419, 2002

和紙抄造などに利用されているアオギリの粘質物を採取し,物理化学的特性や構成成分について研究を行った.<br> アオギリの若葉や幹に被覆する酸性多糖類は,イオン交換水にて抽出した後メタノールで精製する.多糖類は,<FONT SIZE="-2">D</FONT>-ガラクツロン酸,<FONT SIZE="-2">D</FONT>-ガラクトース,<FONT SIZE="-2">L</FONT>-アラビノースおよび<FONT SIZE="-2">L</FONT>-ラムノースから構成されている.さらに粘質液を数日間放置すると粘度が低下する.アオギリ粘質物の酸による加水分解からアミノ酸である<FONT SIZE="-2">L</FONT>-グルタミン酸,<FONT SIZE="-2">L</FONT>-アラニン,さらには<FONT SIZE="-2">L</FONT>-イソロイシン,<FONT SIZE="-2">L</FONT>-バリン,<FONT SIZE="-2">L</FONT>-リシン,<FONT SIZE="-2">L</FONT>-チロシンおよびグリシンを得た.これらの結果は,アオギリに含まれる多糖類がきわめて複雑な構造を有し,その結果特有な物理的性質を与えていることと示唆している.
著者
刈間 文俊 若林 正丈 村田 雄二郎 クリスティーン ラマール 生越 直樹 伊藤 徳也 代田 智明 瀬地山 角 高橋 満 古田 元夫 若林 正丈 黒住 真 代田 智明 深川 由紀子 生越 直樹 クリスティーン ラマール 高見澤 磨 楊 凱栄 谷垣 真理子 伊藤 徳也 瀬地山 角 田原 史起 有田 伸 岩月 純一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

中国では、漢字が、簡略化や教育によって、血肉化され、作家達も、前近代的なものを凝視し続けた.戦前の日中関係では、日本の漢学者と漢字紙が大きな役割を果たした.戦後韓国は、漢字を駆逐する一方、伝統的な同姓不婚制度を再構築させ、台湾は、漢字を簡略化せず、80 年代以降には、多文化主義的な社会統合理念を形成した.それに対して、中国大陸では今や、漢字文化からも消費文化からも疎遠な農村が、自律と国家による制御の間で揺れ動いている.本研究は以上を実証的に解明した.