著者
竹村 諒太 本田 真己 深谷 哲也
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.57-66, 2019-04-05 (Released:2019-04-26)
参考文献数
29

トマトやその加工品に豊富に含まれるリコピンは強力な抗酸化能を有している 。しかし,植物中のリコピンはtrans体として存在し,trans体リコピンは体内吸収性が低いことが知られている。一方で,トマト加工品には,cis体リコピンが豊富に存在し,体内に吸収されやすいことが報告されている。また,最近の研究では,リコピンはオリーブオイル,たまねぎと一緒に加熱されると,trans体からcis体への熱異性化が促進されることが報告されている。そこで我々は,家庭において一般にトマトと一緒に調理されている野菜からリコピンの熱異性化を促進する野菜を調査したところ,たまねぎに加えてにんにく,ブロッコリー,キャベツがリコピンの熱異性化を促進することを明らかにした。さらに,たまねぎ,またはブロッコリーを使用した一般的なトマト料理の加熱調理がリコピンの熱異性化に及ぼす影響を調査した。その結果,トマト料理の加熱調理においてもたまねぎ,またはブロッコリーの使用は,リコピンの熱異性化を促進した。
著者
金子 昌生 岡和田 健敏 高井 通勝 佐藤 一雄 田中 博 高橋 元一郎 宮崎 洋二郎 深谷 哲昭 小山 照夫 内藤 真明
出版者
浜松医科大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1986

本研究は、デジタル画像の圧縮・蓄積・転送など、画像の持つ情報管理の一面があり、アナログ情報をデジタル化して保管する方法を模索する研究も含まれている。4年間の研究期間中に、この分野の電子工学的発展はめざましく、研究のカバ-すべき範囲が広いため、X線撮影時からデジタル化される Computed Radiography(CR)は紹介するだけに留めた。従来から取り組んできたフィルムのアナログ的な保管方法であるマイクロ化システムを、いかにして効率よくデジタル化して活用するかについて新知見を得た。すなわち、テレビ・カメラのレンズ系をズ-ミングによりマイクロ・フィルム情報を直接拡大して電気信号に変換し、A/Dコンバ-タ-によりデジタル化する方法を開発した。CCD方式とレ-ザ-・スキャン方式のデジタル化も基礎的臨床的に比較検討した。デジタル画像の読影、報告書作製に関する適合性を評価するため、読影結果のレポ-ト作製の方法を比較検討するとともに、音声入力の方法の有用性を実際にテストした。Radiology Information System(RIS)の一環として放射線オ-ダリングやリファリングを実現させる反面で、その見返りとしてのレポ-ティングはやはりデジタル情報としてコミュニケ-ションされるべきであろう。しかし、有用なレポ-ト作製には臨床医から充分な臨床情報を得ることが必須条件である。このためのRISの臨床情報伝達ソフトウェア開発を行っているところである。画像管理・保管と読影業務すべてを包含するTotal Information System(TIS)をより高度化するために、実現可能性の高いMini-PACSやCase Information System(CIS)を実現させ、理想的なImage Management and Communication Systems(IMACS)を完成させるべきバック・グラウンドを研究した。
著者
深谷 哲生 由井 樹人 高木 克彦 仲村 亮正 文 相吉吉 志知 哲也 藤嶋 昭
出版者
一般社団法人日本粘土学会
雑誌
粘土科学討論会講演要旨集 (ISSN:24330566)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.52, 2004

セピオライトはタバコの臭い成分をよく吸着することが知られている。そのためタバコ用脱臭剤としてさまざまな分野に利用されているが、セピオライトの脱臭能力はすぐに性能が低下してしまう。<br>そこでわれわれはセピオライトに吸着した臭い成分を光触媒により分解することで脱臭性能の向上ができると考えた。本発表では、セピオライトと酸化チタンを複合化した手法とそれら複合体の脱臭性能について検討した結果を報告する。
著者
深谷 哲也 佐久間 欣也 堤 隆一
出版者
日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-18, 2010
被引用文献数
2

無菌包装米飯を組み合わせたready-to-heat食品の売上は,日本の市場において,この10年で倍増した.無菌包装米飯は,従来のレトルト米飯に比べ,味や品質に優れている.カゴメデリは,電子レンジ加熱して食する大変ユニークな調理食品で,カゴメ株式会社が,1999年から販売を開始した.これは,無菌包装米飯とレトルトパウチに充填されたメニュー調理用ソース(例えば,リゾット用,チキンライス用,ドリア用など)を組み合わされたセット食品である.これは,電子レンジ調理に対応した調理食品で,約2分の加熱で食べられる簡便性と,1食300 kcal以下の設計が若年女性に受け入れられた.私たちは,この技術をさらに発展させ,米飯メニュー対応商品のみならず,ショートパスタ,ロングパスタ(スパゲティ),穀類,豆類などを使ったメニューにも応用可能な技術とした.本報では,その中でも,無菌包装米飯製造における技術的な考察として,「微生物制御」と「容器開発」について紹介した.<br>「微生物制御」について<br>①<i>C. botulinum</i>による中毒リスクは,米飯のpHを4.9以下にすることで低減されるが,カップ容器内ヘッドスペース中の酸素濃度もリスクの大きさに影響していることがわかった.<br>②ヘッドスペース酸素濃度を約5%以上に保てば,腐敗先行,または腐敗と毒化がほぼ同時に発生することから,<i>C. botulinum</i>による中毒リスクを,より低減させるためには,少なくとも,ヘッドスペース中の酸素濃度を5%以上に保つことが有効であることがわかった.<br>③pHを5.0以下に調整すれば,原料由来<i>B. subtilis</i>の耐熱性を低下させることができ,105℃での炊飯も商業的無菌の確保が可能となることがわかった.<br>「容器開発」<br>①密封性と易開封性を同時に実現するために,それぞれの評価法を設定し,開け易さを実感できる開封強度を15~30N,目標とするシール強度を5~13 N/15 mmと設定した.<br>②連続的な実工程試験,最終荷姿での振動試験,落下試験を繰り返し,設定したシール強度が実用面でも問題ないことを確認した.<br>③容器成型工程の環境落下菌測定を行った結果,補足した菌は,全て100℃,10分間の加熱処理で死滅することを確認した.また,容器や蓋に付着している一般生菌数は,1.2個/容器+蓋であったが,いずれも耐熱生菌ではなく,無菌包装米飯の殺菌工程で十分死滅させることができることがわかった.
著者
深谷 哲也 坂本 秀樹 村岡 明高 高見 澤一裕 堀津 浩章
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
日本農藝化學會誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.233-239, 1994-02-01
被引用文献数
2 2

Worcestershire sauce production might include a fermentation step. The raw materials have high osmotic pressure, so we set out to select an osmotolerant yeast strain suitable for Worcestershire sauce production. Three commonly used yeasts were evaluated : Soccharomyces cerevisiae OC-2, a wine yeast;Kluyveromyces fragilis IFO 0288, widely used for fermentation of kefir grains ; and Zygosaccharomyces rouxii IFO 0493, a soy sauce yeast. In the range of total sugar Concentrations of 28.1-47.8% (the mixture contained sucrose, glucose, and fructose) cell numbers and ethanol production decreased as the sugar concentration rose, especially with K.fragilis. The relationship between the total sugar concentration and ethanol production by each yeast was expressed as follows : S.cerevisiae OC-2 (n=8, r=0.999) P=-1.54×10^-4×S^3+1.72×10^-2×S^2-0.649×S+8.91 K.fragilis IFO 0288 (n=8, r=0.995) P=(-3.57×10^-2×S)+1.74 Z.rouxii IFO 0493 (n=8, r=0.987) P=-1.15×10^-3×S^2+9.38×10^-2×S-1.36 Where P is the ethanol production and S is the total sugar concentration. Under the usual conditions for Worcestershire sauce production, with 39% total sugars, S.cerevisiae OC-2 had the greatest osmotolerance of the three yeasts, with higher ethanol productivity and satisfactory production of aromatic components than the other yeasts. We selected S.cerevisiae OC-2 for trial in the proposed new step in Worcestersbire sauce production.