著者
渡邊 伸行
出版者
日本顔学会
雑誌
日本顔学会誌 (ISSN:13468081)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.61-67, 2022-12-21 (Released:2022-12-21)
参考文献数
12
著者
光廣 可奈子 渡邊 伸行 北岡 明佳
出版者
日本視覚学会
雑誌
VISION (ISSN:09171142)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.135-145, 2023-10-20 (Released:2023-10-25)
参考文献数
21

In this study, we examined the effect of the duration of exposure on three facial evaluations: beauty, likability, and attractiveness of the whole face and facial parts (eyes, nose, and mouth). Participants were randomly assigned to four groups of different exposure duration conditions: 20-ms, 100-ms, 1000-ms, or without a time limit, and were asked to rate the beauty, likability, and attractiveness of the whole face and facial parts (eyes, nose, and mouth) on a 7-point scale. The results showed that all three evaluations of the whole face or facial parts were constant over exposure durations, while differences in likability among the stimulus emerged as the exposure duration was prolonged. We also analyzed the temporal changes in the contribution of facial parts to the three evaluations of the whole face with the data obtained in the same experiment. As a result, the eyes made a high contribution to all three evaluations of the whole face, and the mouth contributed to the likability and attractiveness of the whole face. These results suggest that facial beauty, likability, and attractiveness might be processed differently.
著者
渡邊 伸行 河崎 翔太
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第17回大会
巻号頁・発行日
pp.138, 2019 (Released:2019-10-28)

本研究では、顔面表情の感情的評価にしぐさが及ぼす影響について検討することを目的とした。モデル2名に表情4種類 (喜び、驚き、怒り、無表情)、しぐさ9種類 (手で口を覆う、後ろ髪を触る、腕を組む、など) を組み合わせた演技をしてもらった静止画像、計72枚を刺激として用いた。実験では、刺激をランダムに呈示し、実験参加者はセマンティック・ディファレンシャル (SD) 法 (Osgood et al., 1957) に基づいて、12項目の形容詞対を用いて7件法で評価してもらった。実験で得られた評定値の平均値を用いて、因子分析を実施した結果、従来の表情認知研究 (Russell, 1997; Takehara et al., 2002など) で繰り返し見出されてきた、評価性 (快—不快)、活動性の2因子が抽出された。因子空間における刺激の布置を確認したところ、しぐさが表情に対する感情的評価に何らかの影響を及ぼすことが示され、例えば腕組みの動作では表情が示す感情をより強調する効果があることが示唆された。
著者
服部 友里 渡邊 伸行 鈴木 敦命
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
pp.38.6, (Released:2019-09-10)
参考文献数
52

It has recently been reported that a person’s face is perceived as more attractive when presented in a group than when presented alone. This phenomenon is called the cheerleader effect. To distinguish this effect from classical assimilation and contrast effects, this study examined if it was observable when similarly attractive faces were presented in a group. It also explored whether the cheerleader effect was modulated by the combination of the observer and face gender, considering that there are well-known gender differences in face processing. In each trial of the experiment, participants rated the physical attractiveness of a target face that was presented alone or together with two different faces. In the latter type of trial, the three faces were of the same gender and were of similar attractiveness. The cheerleader effect was successfully replicated in the present experimental setting, and the size of the effect was particularly large when female participants rated male faces. These findings indicate that the cheerleader effect may occur through mechanisms that are different from assimilation and contrast with surrounding faces, and that the effect is subject to modulation by both observer and face gender.
著者
山口 拓人 渡邊 伸行 續木 大介 鈴木 竜太 天野 陽子 水沼 真弓 山田 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.734, pp.25-30, 2003-03-11
参考文献数
19
被引用文献数
6

現在,顔の感性情報処理の問題に対する関心か高まっている.我々はそのような問題の解明にかかわる実験またはシミュレーションに利用することができる,顔情報データベースの構築を目指したブロジェクトを立ち上げた.現段階において,このプロジェクトでは,統一-された撮影環境と撮影手続きを確立し,データベースに必要な顔および表情画像の取得を開始した.特に表情は,基本6表情(喜び,驚き,恐れ,悲しみ,怒り,嫌悪)をカバーするものである.また,単純な顔画像集ではなく,顔に付随する様々なデータを利便性高く扱えるデータベースの構築を目指した支援システムの開発も進めている.
著者
渡邊 伸行 齋藤 展三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.238, pp.31-34, 2012-10-06

本研究は,自分の顔のイメージは証明写真のような正像か,あるいは鏡に映った像(鏡像)なのか,調べることを目的とした。実験参加者の顔を撮影し,その鏡像との間でモーフィングすることで,7種類(0%[正像],20%,40%,50%,60%,80%,100%[鏡像])の顔画像を作成した。シェッフェの一対比較法の浦の変法に基づいて,実験参加者は7種類の自己顔を評価した。実験で得られた評価値の平均値を顔の種類ごとに算出し,推定値を算出した。その結果,鏡像の方が正像と比較して自分の顔のイメージに近いことが示された。しかし,分散分析の結果,両者の間に有意な違いは見られなかった。
著者
渡邊 伸行 鈴木 竜太 山田 寛
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.167-179, 2006-03-31 (Released:2010-10-13)
参考文献数
48
被引用文献数
3 3

本研究では,表情認知に関わる顔の構造変数について検討を行った.従来の線画表情図形を用いた研究では,顔の構造変数として,“傾斜性”,“湾曲性・開示性”といった眉・目・口の相関的変位構造を示す二つの変数が見出されてきた.しかしその後の実際の表情画像および線画を用いた検討から,構造変数は上述の2変数ではなく,三つの変数である可能性が示された.この問題について検証するため,本研究ではYamada,Matsuda,Watari,& Suenaga (1993) の実画像研究に基づいて新たに生成した,実際の表情と同じ可変性を持つ102枚の線画を用いて,基本6表情(喜び,驚き,恐れ,悲しみ,怒り,嫌悪)のカテゴリー判断実験を実施した.線画の眉・目・口の特徴点変位を示すパラメータ値を説明変数,実験参加者のカテゴリー判断の一致率を反応変数とする正準判別分析を実施したところ,“眉・目の傾斜性”,“口部傾斜性”,“湾曲性・開示性”と命名できるような,実画像研究 (Yamada et al.,1993) とほぼ同様の三つの構造変数が見出された.この3変数で構成される視覚情報空間におけるカテゴリー判断の中心傾向を示す点を比較したところ,線画と実画像で基本6表情の相対的な位置関係が類似していることが示された.以上の結果から,表情認知に関わる構造変数は三つであり,線画と実画像で共通してこれらの変数に基づいて表情の判断が行われていることが示された.