著者
牧野 博 久保田 博之 石川 英司 酒井 隆史 松田 一乗 秋山 拓哉 大石 憲司 久代 明
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.15-25, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
55

胎児の腸内は基本的に無菌状態であり,出生時に母親由来および環境由来の細菌に暴露されることで新生児の腸内細菌叢の形成が始まる.本稿では,まず母親の腸内および腟内細菌叢の重要性について述べ,新生児の腸内細菌叢の形成にビフィズス菌の母子伝播,出産形態,授乳形態などの因子がどのように関わっているかを概説する.また,無症状ながら乳児期特有に認められる病原性細菌の感染と定着事例を報告し,最後に新生児・乳児を対象としたプロバイオティクス生菌菌末の介入試験について紹介する.
著者
牧野 博明 戸田 雅裕 小林 英俊 森本 兼曩
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.9-18, 2008-03-31 (Released:2017-04-01)

The purpose of this study is to measure and to analyze the effect of the stress relief which is caused by traveling through the experiment by the easy measurement method. We analyzed stress marker which are obtained from saliva. We collected saliva from the participants, women, on a short-term trip, three times a day, and five days total including a day before the trip and a day after the trip. As a result, it was assured that the effect of the stress relief is caused by travel and suggested the possibility of the disease prevention and the health promotion of the travel. In addition, the effectiveness of the group analysis based on subject's mental health status was confirmed, and there is possibility to propose the travel type according to the characteristics of subjects.
著者
牧野 博己
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.21-30, 1987-03-15

家庭ではふつうに話をするが幼稚園や学校ではひとことも話をしない子どもを緘黙という。我国では彼らは,情緒障害の一つとして特殊教育の対象ととらえられている。しかし,学校教育においてはその本態はあまり知られておらず,処遇についてもあいまいな状況におかれている。本研究は,最初に国内の先行研究の整理を行いながら,身近に7つの事例を得,親や学級担任から直接話をうかがい,内2例については筆者が直接かかわることができた。その経験から緘黙状態は,自我及び社会性の未発達による防衛機制の一つとして現れた適応障害であり,緘黙児は「特別に配慮された教育」の対象であることがより鮮明になった。ところが,緘黙に関する研究は主に医療機関,児童相談所,教育研究所で行われており,そこではさまざまな治療法が用いられ効果があげられていながら,それが学校教育にまで般化されていない。また学校では,軽度児の場合,周囲に迷惑にならないがゆえに放置される傾向にあり,重度児に至っては,問題とされながら指導の手だてが講じられないままになっているなど,いくつかの問題が明らかになった。同時に,早期教育,個別指導,養育者カウンセリング,学級における配慮などの必要性も明らかになり,緘黙の教育的処遇として,(1)緘黙本態に直接アプローチする特別な教育の場の設定,(2)養育者カウンセリングの実施,(3)学級の受け入れ体制の充実があげられ,この3者の連携によって指導がすすめられることを提言するに至った。
著者
古沢 明彦 鵜浦 雅志 野ツ俣 和夫 森岡 健 早川 康治 松下 栄紀 小林 健一 服部 信 牧野 博 福岡 賢一 田中 延善 中川 彦人 西邨 啓吾 金井 正信 杉本 立甫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.2765-2772, 1989 (Released:2007-12-26)
参考文献数
32
被引用文献数
1

40歳未満で発症した若年肝細胞癌 (HCC) 11例について, 非若年HCC187例と臨床病理学的に比較した. 若年ではHBsAg 陽性例が10例(91%)と非若年に比し有意に高率であり, 50%にHBVや進行性肝疾患の家族集積を認めた. 肝硬変合併率は73%と非若年と差異は認めなかつた. 肝障害の既往を有する例は27%で, 腹痛で発症し発見時進行例が多かつた. 腫瘍随伴症候群 (PNS) 合併例が若年では36.3%と非若年に比し有意に高率であつた. PNS合併若年HCCではLC合併例は25%と低く, AFP著増例が多く且つ著しく予後不良であつた. 以上より我が国の若年HCCではHBVが発癌に強く関与し, またPNSを伴う例はHCCの中でも特徴的な1群を形成しているものと推測された.