- 著者
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松浦 弘幸
伊藤 安海
根本 哲也
西井 匠
久保田 怜
中野 正博
玉川 雅章
- 出版者
- バイオメディカル・ファジィ・システム学会
- 雑誌
- バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.2, pp.53-62, 2011-10-20 (Released:2017-09-04)
- 参考文献数
- 9
人が日常的にロボットと共存する場面では,ロボットとの不用意な接触が原因とする力学的人体損傷が発生する.人に加えられる撃力のエネルギーは同じでも,人の部位により重篤となる撃力波形が異なり事から,身体部位ごとに損傷評価基準が異なる.我々は損傷評価モデルとして,人の転倒機序の分析モデルを提案した.人の転倒過程は(回転+自由落下運動)と仮定して,頭部,胸部,腹部,そして大腿部の損傷程度を見積もった.転倒モデルによる致命傷は,頭部骨折,胸部骨折,そして,腹腔内実質臓器の裂傷であり,その後の予後を大きく左右する.特に,頭部の損傷を評価する指標のHICは重要な概念であるが,他の部位には他の指標を用いた.さらに,撃力の吸収には,伸筋と屈筋が交互に振動をするように収縮・弛緩を繰り返し,あたかも,一個の粘弾性体の如く運動を行う.