著者
田村 仁 古原 和邦 今井 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.494-504, 2007-02-15
参考文献数
11
被引用文献数
1

アドホックネットワークに代表されるような動的なネットワーク上で何らかの双方向通信を行う際,送信時に利用した経路を返信時では利用できないケースは当然考慮されるべきであるが,とりわけ,返信時にその返信先を知ることができない匿名通信においては,これはそう単純な問題ではない.特に医療相談など,返信までのタイムラグが大きいアプリケーションほどそのような問題に陥る可能性は高い.しかしながら,こうした点について従来の匿名通信方式では十分に考慮されているとはいい難い.そこで本論文では,主な既存方式の特徴や問題点とその原因を整理したうえで,新たに高いデータ可用性を有した方式を提案する.また,これら提案方式を含め種々の組合せについて匿名性,データの可用性,および操作のコストという観点からの比較検証を行った.その結果,従来の代表的な双方向匿名通信方式であるオニオンルーティングを用いる場合に比べても総合的に性能が優った方式の組合せを示すことに成功した.
著者
田村 仁信 須田 昭夫 東間 紘 吉島 博 斎藤 隆太郎 江良 和雄 太田 和夫
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.200-203, 1973

Pack Coil 120の尿素ダイアリザンスおよびクレアチニンダイアリザンスは, 流量200ml/minのときそれぞれ160ml/min, 144m//minであり, 除水量は限外濾過圧が300mmHgでは1,000ml/minにもおよんだ. このようにこのコイルは他のコイルに比べて透析効率および除水効果が優れている.<br>このコイルを臨床に用いた時の透析除去率は尿素窒素50%, クレアチニン45.3%, カリウム25%である. そして体重減少は4時間透析で限外濾過圧200~300mmHgの場合約2.1kgとなった.
著者
伊藤 慶彦 田村 仁
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.411-412, 2015-03-17

ギターは数多い楽器の中で指定された指板を抑えるだけで音が出るポピュラーで簡単な楽器である。そしてギターを演奏するために五線譜を翻訳したTab符といったものが有る。本楽譜は各弦に数字を指定し、指定された場所さえ抑えれば曲が弾けるといったものである。このTab符に五線譜を翻訳するソフトが存在する。しかしこの翻訳ソフトは音階しか読み取らず細かな演奏指定方法についてはTab符へ出力しない。そのため本研究では音楽という非理論的なものからリズム、強弱記号、音階の差、単音、複数音であるか、といった要素から理論的にギターの演奏方法を割り出し精度の高いTab符を出力する支援システムの作成する。
著者
西山 涼平 田村 仁 檜山 正樹 入江 俊 仲田 仁
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.151-152, 2018-03-13

この研究ではSLブームに対して蒸気機関車の乗務経験者の高齢化、減少が深刻化しており今後、新たに復活しうる乗務員の経験、知識不足が予測される。そこで各種装置や状況を自由に変化させることができるVRを用いた蒸気機関車のシミュレータを想定し、今回は蒸気機関車への給炭作業を再現するためのスコップ型デバイスの開発を行う。デバイス開発にあたり、給炭作業の再現はスコップで石炭をすくった際と投げ入れる際の重量変化の再現が必要となるため本実験では棒形状のデバイスにステッピングモータによってレール上のおもりを前後にスライド移動させることで体感重量が変化し、体験者が実在感を与えられたかを実験の結果から論ずる。
著者
上間晋吾 田村仁 堀越大輔 高塚崇文
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.69-70, 2012-03-06

高齢者の電動車椅子による交通事故の主な原因として、道路横断中の事故が最も多く発生しており、電動カートや電動車いすの事故に関わる死者の内8割近くが道路横断中の事故で亡くなっている。周辺状況の把握が足りず、接近する物体に気付かず回避が遅れることが理由として考えられる。上記の事から、高齢者を対象とした電動車椅子の乗車時における事故を防ぐインターフェースの製作を目的とする。本研究では、レーザー式側域センサを使用する。赤外線レーザーを発振してそれを目標物に照射する。その反射の度合いで接近物との距離と角度を検出しディスプレイに表示することで、搭乗者への危険をあらかじめ察知し警告することで事故防止を行う。
著者
一田 利道 冨山 望 田村 仁美 永野 茂紀 藤田 邦彦 山口 和憲
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.201-207, 2002-10-25
参考文献数
12

体位の変化により下顎位が前後的に移動することは知られているが, それに伴う下顎位の変化が咬頭嵌合位の咬合接触状態に及ぼす影響を数量化したものは少ない.今回の研究では, 体位の変化に伴う下顎位の相違が, 咬合力や咬合接触関係に及ぼす影響について, 咬合力測定システムを用いて, 定量的に検討することを目的とした.顎関節症状や咬頭を被覆するような補綴物がなく, 第3大臼歯以外に欠如歯がない, OverjetおよびOverbiteが2&acd;4mmの良好な咬合を有する本学学生男性10名, 女性13名, それぞれの平均年齢 : 25歳4ヶ月, 23歳3ヶ月, 年齢幅 : 22歳11ヶ月&acd;28歳3ヶ月, 19歳3ヶ月&acd;31歳5ヶ月の計23名を対象とした.計測に当っては内容をよく理解してもらい同意を得た.咬合力測定システム用プレスケールの内からDental prescale 50H R typeを用い, 座位における自然頭位と, 水平位において仰臥位で被験者がリラックスした頭位で, 2秒間の最大咬みしめを1回ずつ行った.同様に日を変えて一人につき計3日間の計測を行った.データは専用測定器Occluzer FPD 703により解析し, 25MPaから120MPaの範囲で体位別の咬合状態を数値化し, 統計処理を行った.その結果, 咬合力, 咬合接触面積, 平均咬合圧, 咬合バランスについては有意な個人差があり, 日を変えて測定しても座位, 水平位間に有意差は認められなかった.以上より, 良好な咬合を有する成人では計測値に個人差はあるが, 座位, 水平位間で咬合力や咬合接触関係に有意な差が見いだせないことから, 頭位に影響を受けず咬合が安定していることが示唆された.
著者
酒井 憲司 星野 義延 神崎 伸夫 笹尾 彰 渋沢 栄 岡本 博史 田村 仁 浅田 真一
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

研究背景:本研究のモチベーションは農林地の時空間変動を引き起こすメカニズムの究明に必要な方法の探索である。即ち、耕地、果樹園、森林の各種属性パラメータの時空間変動が内在的な決定論的ダイナミクス、確率過程、環境外乱の何れによるものか、もしくはそれらの貢献度を定量化したいということである。そこで、本研究では、耕地、果樹園、森林、草地など生物生産の場における時空間変動メカニズムの解明のための技術として、カオス時空間解析手法を開発し,耕地、果樹園、森林における時空間変動データに対して当該解析手法を応用して変動メカニズムの解明を行い、その有用性を実証することを目的とした。農林生態系を対象として工学的なアプローチを実施しようとした場合、(1)データサイズ問題、(2)オブザベーション問題、(3)マニピュレーション問題、の3課題を克服しなくてはならない。データサイズ問題とは、農林生態系の諸現象においては年に1点というようなスケールでしか時系列データが得られない場合も多く、非線形時系列解析などが数千点以上のデータサイズを要求するのに対して極めてデータサイズが小さい。この極めて短い時系列データを如何にして非線形時系列解析の枠組みに適用させるかという問題がデータサイズ問題である。これについては、第1部で扱った。ここでは、データサイズ問題をアンサンブル時系列によるダイナミクスの再構成として課題化した。大域的線形・局所線形ダイナミクスの再構成を試み、1年先の収量予測によって手法の妥当性を示した.第2部ではオブザベーション問題を扱った.特に,航空ハイパースペクトル画像,マルチスペクトル画像を用いて温州みかんおよびコナラの個体レベルでの収量推定の可能性を明らかにした.