著者
福田 武司 船木 那由太 倉林 智和 秋山 真之介 鈴木 美穂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.333, pp.29-32, 2012-11-28

周囲のpHで発光強度が変化する有機色素と半導体ナノ粒子の蛍光共鳴エネルギー移動を利用したpHセンサーは、次世代の診断材料として幅広い用途での展開が期待される。ここで、半導体ナノ粒子には可視光の発光や低い毒性という特徴を有しているInPを用いることが、今後の用途展開を考える上で重要となってくる。本論文では、高効率で赤色領域での発光を示すInP/ZnSナノ粒子蛍光体を作製するために、高いバンドギャップを有するZnS層のソルボサーマル法を用いたコーティング条件(前駆体溶液のpH)を最適化して、25.1%のフォトルミネッセンス量子効率を得た。また、このInP/ZnSナノ粒子蛍光体の周囲にpHに対してフォトルミネッセンス強度が変化する5-(and-6)-carboxynaphthofluorescein, succinimidyl esterを結合させることで、InPからの蛍光共鳴エネルギー移動による発光を確認した。さらに、InPと有機色素のフォトルミネッセンス強度比はpHによって変化することを確認し、pHセンサーとして機能することを実証した。
著者
福田 武司 堀池 寛 高田 孝 鈴木 幸子 上出 英樹 木村 暢之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-05-31

液体ナトリウムの分光透過率に関する予備的な知見に基づき、液体ナトリウム中に真空紫外光を効率的に分散する追跡元素を添加して、誘導放射光の2次元輝度分布画像を観測することにより、液体ナトリウム内部における2次元の流れ場を高分解能で可視化する技術の開発を実施した。従来の誘導ラマン光源よりも極めて大きな放射スペクトル輝度が得られるアルゴンのエキシマ分子を電子ビームで励起する方式の光源を採用するとともに、トロイダル形状を持つ回折格子型2次元イメージング分光計測装置で追跡元素であるグラファイト粒子のスペクトル計測を行った。その結果、液体ナトリウムの高精度速度場計測実現に係わる展望を得ることが出来た。
著者
鎌田 憲彦 福田 武司 平山 秀樹
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

バンド間励起光に禁制帯内励起光を重畳する2波長励起フォトルミネッセンス法を基盤に、ゲートICCDカメラによる時分解測定機能を加え、発光・電子デバイス用材料内の非発光再結合(NRR)準位の光学的評価を進めた。InGaN量子井戸では1.55eV付近にNRR準位を検出し、ドーピングによる影響の低減を示した。InGaAs量子井戸、Ba_3Si_6O_<12>N_2:Eu^<2+>蛍光体でもNRR準位を初めて検出し、そのふるまいを明らかにした。
著者
庄子 習一 竹山 春子 水野 潤 関口 哲志 細川 正人 尹 棟鉉 鈴木 美穂 福田 武司 船津 高志 武田 直也 モリ テツシ 枝川 義邦
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、微小発光サンプルの光学的超高感度定量計測を可能とすべく、以下の新規マイクロ流体デバイス要素技術を開発した。1)自由なサイズの液滴作製技術の構築,2) 自由な流れのコントロール技術の構築,3) 液滴のパッシブソーティング技術の構築。次に要素技術をシステム化することにより、微小発光サンプルの計測を実現した。1)液滴に生体サンプルを個別に抱合して環境微生物個々の遺伝子を解析,2) 個別に抱合された細胞の成長を観察して酵素反応活性を評価。本研究の遂行により、従来定性的観察のみ可能であった光学信号が高感度な定量的計測結果を得るのに十分なレベルに増幅され、光学的定量計測が実現された。
著者
堀池 寛 福田 武司 鈴木 幸子 山岡 信夫 近藤 浩夫 峰原 英介 宮本 斉児 峰原 英介 宮本 斉児 近藤 浩夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、ピコ秒パルスを持った高輝度の自由電子レーザーを利用して、原子炉や燃料集合体等の大型構造体の非熱解体技術への適用性を実験的に調べた。軽水炉用燃料被覆管材料であるジルカロイ4等を用いて、市販最新鋭レーザーと切削形状を比較した結果、これら原子炉材料の効率的(狭切削幅)非熱プロセスが実現可能であることを示した。また、ナノ秒パルスレーザーを用い、加工切削形状へ与える基礎的な条件を確認し、厚肉構造材を加工するために必要なレーザー光および導光のための光学系が備えるべき条件を実験的に確認した。
著者
金 永模 福田 武司 鎌田 憲彦 小原 秀彦 横尾 敏明 木島 直人
出版者
社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 = JOURNAL OF THE ILLUMINATING ENGINEERING INSTITUTE OF JAPAN (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.472-477, 2008-08-01
参考文献数
10
被引用文献数
2

Transparent glass films with homogeneously doped light emissive molecules can be prepared by using the sol-gel process. As part of our work on improving the durability of water-soluble polysilanes against UV light irradiation, we fabricated Eu(TTA)3Phen-doped sol-gel glasses and studied their optical characteristics. Using a three dimensional dense glass network protects the Eu complex from free oxygen and water in an ambient and also improves the durability without any loss of light output. By adding the Eu(TTA)3Phen beyond the limit of solubility in a starting solution, we demonstrated that the glass encapsulation prevents oxidation of the Eu-complex and also preserves its excitation intensity at a wavelength of 400 nm.