著者
若林 幹夫 田中 大介 南後 由和
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、消費化・情報化時代の「都市の論理」と、それを成立させる社会的過程と構造を明らかにすることを目的としている。具体的には、1990年代以降、全国の都市部や郊外地域に普及した消費空間であるショッピングセンター、ショッピングモールを主要な対象として、現代都市社会における空間の生産・流通・消費のあり方と、それが生み出す社会と文化の様態を、情報化・消費化社会における新たな「都市の論理」として分析した。

2 0 0 0 OA 郊外論の地平

著者
若林 幹夫
出版者
日本都市社会学会
雑誌
日本都市社会学会年報 (ISSN:13414585)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.19, pp.39-54, 2001-07-07 (Released:2011-02-07)
参考文献数
36
著者
若林 幹夫
出版者
Japan Association for Urban Sociology
雑誌
日本都市社会学会年報 (ISSN:13414585)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.27, pp.1-19, 2009 (Released:2011-10-07)
参考文献数
44

“Collective memory” has become one of the popular topics in sociological researchers in Japan since the 1990s. However, in Japanese urban sociology, the studies which focus on “collective memory” are still few. In this paper, I will examine why Japanese urban sociologist have not been interested in this topic, and then I will show the perspective for the study of local collective memory in urban society, especially in suburbia and new town. “Economics”, “politics” and “topography” of memory are the key points of this tentative perspective for the study of local collective memory in sociological urban studies. The condition of local memory in suburbia and new town is different either from the local memory in urban center or rural community. I will examine this suburban condition of local collective memory, and then try to propose some hypothesis about the characteristics of local memory in suburbia and new town. In suburbia and new town, there are discontinuities, segregations, isolation and homogenization of local memories. Under these sociological conditions of local collective memory, we can also find the process of the making of new local collective memories among the dwellers.
著者
若林 幹夫 RYCHLOWSKA Irena Weronika RYCHLOWSKA I.W RYCHLOWSKA I.W.
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

本研究は研究分担者がポーランドで着手していた後期資本主義の文化の論理に関する研究の継続として、西欧のポストモダンと日本の伝統思想の類似的な関係と並行現象を対象とするものである。最終年度の研究として、平成18年度にはこれまで継続してきたフィールドワーク、資料収集をさらに進めるとともに、そうした資料の具体的な分析や解釈の作業をおこなった。東京では建物だけでなく、文化的な仕掛けや記号、そして様々な人工物が都市イメージを形作り、さらには主要な建築を支配しており、その結果、都市の中を移動することは場所やランドマークの間を移動するというよりも、様々な経験と視覚の間を移動することになる。したがって得られたデータの分析や解釈も、東京における時間と空間の固有のパターンだけでなく、都市景観から消費財の細部にいたる様々なスケールにわたる事象や経験を対象としておこなわれた。具体的には、東京の現代の都市文化と空間的な秩序について、「かわいい」という擬人化的美学、原宿のコスプレーヤーたちとゴシック・ロリータ文化の広がり、秋葉原の再開発とオタク文化等を、人びとと物、そして空間や場所との相互依存関係という点から分析することを試み、さらに比較社会学的な分析を加えることで、一見すると特殊日本的にも見えるこうした現象が、世界的な規模で広がる後期資本主義的現象とそこでの意識のあり方の一つの現れであるという仮説を得た。東京の都市文化や空間文化のそうした諸側面は、日本の文化、宗教、民間信仰と東京の都市デザインや現代日本の消費財のデザインとの間の一貫性とパラレリズムを示している。それは後期資本主義の文化と、日本の文化、宗教、民間信仰との間に一貫性やパラレリズムが存在するという仮説を示唆するものである。上記の研究成果は研究分担者により1冊の著作としてまとめられ、公表される予定である。