著者
高橋 慧 藤井 義明
出版者
資源・素材学会
雑誌
資源・素材学会春季大会講演集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.25-1, 2014-03-26

汚染水注入6事例(200~501286 m^3)、地熱回収5事例(塩水、4838~28771 m^3)について、注入体積と誘発地震の最大マグニチュードとの関係を求めた。これと並行して、我が国のM1.8~7.0の40個の地震についてマグニチュード・深度と最大震度との関係を求め、これらの式から、注入流体体積と最大震度との関係式を導いた。この関係式を米国のシェールガス採掘にも適用できるとすれば、一つのサイトにつき2.69~13.6 Mt/年の水が注入されているので、予想される最大震度は1年間で1.7~2.4、30年間で3.3~4.0となり、社会的に容認される震度 を1とすればこれを超える。また、この式が超臨界二酸化炭素の注入にも適用できるとすれば、IPCCにおけるCCSでの世界のCO2削減目標が2050年時点で17%なので、サイトの運転年数を30年と仮定した場合、我が国で発生するCO2の17%を一箇所のCCSサイトに注入すると、予想される最大震度は5.0となり、社会的に容認されない。最大震度を1以下に保ちつつ上記と同じ量のCO2を貯蔵するためのサイト数は2.2万基となり非現実的である。
著者
藤井 義明
出版者
資源・素材学会北海道支部
雑誌
資源・素材学会北海道支部春季講演会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.5-6, 2015-06-13

燃料電池車が「究極のエコ」などと呼ばれることがある。これは全くの的外れであることが明らかだと思うが、そう思わない読者もおられるかもしれないので、なぜ私はそう思うのかを示すことにする。
著者
藤井 義明 石島 洋二 後藤 龍彦
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.111, no.14, pp.993-1000, 1995-12-25 (Released:2011-01-27)
参考文献数
16
被引用文献数
1

In Akabira Colliery, a decision was made to change the angle of influence for the cone-shaped shaft pillar from 60° to 80° in 1985. Mining in the former pillar areas started in 1986 and 2.2 million tons of coal was safely extracted before the mine closure in 1994.Damages have been induced in four levels along the concrete block-lined shaft having length of 680m. It was concluded through observation of lining, monitoring of displacements along the shaft axis and three dimensional elastic stress analysis that the main factors which induced the lining damages are (1) fault slips due to increase of shear stress, (2) increase of vertical stress component or decrease of minimum principal stress in the horizontal plane and (3) stress concentration around roadways connecting to the shaft.A consideration on a reasonable monitoring scheme for shaft damages was also shown.
著者
渡辺 剛 藤井 義明 児玉 淳一 福田 大祐
出版者
資源・素材学会
雑誌
資源・素材講演集
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3, 2021-03-10

日本は、国土面積が世界の0.25%であるが、自然災害被害額が世界の17%を占めているように、自然災害の被害を受けやすい。世界的に見ても、世界の自然災害の被害額ランキングの上位3つを、四川大地震・阪神淡路大震災・東日本大震災が独占しているように地震の被害は甚大である。 巨大地震の対策として予知が研究されているが、予知技術は確立されておらず未だ予知に成功した事例はない。仮に予知技術が確立されて人的被害を抑えることができても、インフラの被害を防ぐことはできない。一方、巨大地震を予防することができれば、これらの被害をゼロにすることができる。たとえば地下核実験により巨大地震の発生を予防できるのではないかという報告がある。そこで本研究では地下核実験による巨大地震の抑制効果について検討し、核実験場から様々な距離の地域における地震の発生状況やb値の推移について調べた。すると最寄りの核実験場から2100 km以内では、地下核実験後、巨大地震の発生頻度が減少し、b値は増加していた。核実験による地震動が臨界状態にない断層を刺激し、小さい地震が発生してひずみエネルギーが解放された可能性がある。
著者
杉本 拓也 藤井 義明
出版者
日本地震学会
雑誌
日本地震学会講演予稿集
巻号頁・発行日
no.2012, 2012-10-16

日本地震学会2012年度秋季大会、2012年10月16日~10月19日、函館市民会館、函館市
著者
藤井 義明 児玉 淳一 福田 大祐
出版者
土木学会
雑誌
土木学会年次学術講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.73, pp.285-286, 2018-08-31

人類の存亡に関わる巨大災害として小惑星の衝突・破局噴火・都市直下型地震・海溝型の巨大地震などが挙げられる。小惑星については、既に衝突を予防するための研究が開始されている。噴火や地震については、これらの予知が可能で、かつ、住民の避難に成功したところで、主に人的被害が減るだけで、インフラは壊滅する。ところが、これらを制御、さらに予防することができれば、被害はゼロになる。そこで、ここでは、超臨界発電を用いた破局噴火の予防、注水による直下型地震の予防、地下核爆発を用いた巨大地震の予防について提案し、コストとリスクについて検討する。
著者
児玉 淳一 立川 多久登 中 良介 濱中 晃弘 板倉 賢一 出口 剛太 福田 大祐 藤井 義明
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.134, no.7, pp.91-98, 2018-07-31 (Released:2018-07-31)
参考文献数
24

Small-scale underground coal gasification (UCG) model tests with a linking hole were carried out using two types of specimens made of either block coal or crushed coal to clarify their characteristics of combustion and gasification. Many similar characteristics were found between both specimens in terms of temperature change and its spatial distribution as well as concentration and heating value of each gas product as long as the crushed coal specimen was sufficiently consolidated. The shape and dimension of the cavity formed in the both specimens were also similar. Texture of the both specimens was changed after the combustion and gasification. Initiation of radial cracks from the linking hole was found in the both specimens. Within the zone with the radial cracks initiation, grains in the crushed coal were bonded whereas cleats in the block coal were healed. The grain bonding and the cleavage healing can be explained by melting and expansion of coal due to temperature increase. The radial cracks are likely initiated after the grain bonding or the cleavage healing due to tensile thermal stress induced by temperature gradient in the coal specimens. It can be concluded that the characteristics of combustion and gasification of the crushed coal and the block coal are similar because both types of coals become similar in texture through combustion and gasification. These results indicate that characteristics of combustion and gasification of coal seam can be mostly estimated from a model test with artificial coal seam made of crushed coal.
著者
藤井 義明
出版者
資源・素材学会北海道支部
雑誌
資源・素材学会北海道支部春季講演会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.39-40, 2014-06-14

「近年、地球温暖化がますます進行し」などという表現を時折耳にするが、地球温暖化が21 世紀に入ってから進行していないことは周知の事実(たとえば、Revkin, 2009, Hansen et al., 2012, 藤井、2012、Fujii, 2012)であり、また、2013 年も地球温暖化は進行しなかったので、これらの事実について報告し、原因について説明する。
著者
藤井 義明 半田 宏 加藤 茂明 石井 俊輔 鍋嶋 陽一 山本 雅之 岩渕 雅樹 梅園 和彦
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1997

平成13年度の取りまとめの期間を除く実質4年間に発表された論文数は900報になり、一論文当たりの平均インパクト係数は8.3で、数値の上からも本研究は遺伝子発現の研究領域に実質的な貢献を果たしたものと考えられる。研究はA)転写因子間の相互作用と機能発現の分子機構。B)転写因子の標的遺伝子及び生物作用の個体レベルでの解析の2つの柱のもとに行われ、総括班はこれらの2つの研究の連絡、調整及び研究成果の発表等を行なった。主な研究成果は次の通りである。基本転写因子TFllH、TFllEなどの複合体のサブユニット構造をリコンビナントタンパク質より再構成により確立したこと。転写伸長反応にも正負の調節機構があり、その調節因子群を遺伝子クローニング法によって明らかにし、それらの作用機構を解明したこと。転写共役因子については新しい共役因子MBF1、UTF1を発見し、これまで癌遺伝子として知られていたSkiが抑制的な転写共役因子として働くことを示した。また広範な転写因子の共役因子として働くCBPについてはさらにGLl3、AhR/Arnt、HlF-12、lRF3などにも共役因子として働くことやβ-カテニンと結合してPML複合体に局在することやCBPとP53の相互作用をβ-カテキンが阻害して、P53の転写活性を抑制することを示した。転写因子と結合して、その活性あるいはタンパク質の濃度を調節する因子としてHSP90他にKeap1を発見し、Nrf2r転写因子の調節に働くこと、そのKOマウスを作り、機能を詳細に検討した。また、こと、幹細胞の末分化状態の維持に抑制性の転写因子Hes5、Hes3などが働いていること、多数の転写因子の構造と機能が遺伝子クローニング及び培養細胞での発現や遺伝子欠失動物の作製によって明らかにされた。
著者
藤井 義明 萩原 正敏 加藤 茂明 審良 静男 久武 幸司 半田 宏 大熊 芳明 上田 均 箱嶋 敏雄 梅園 和彦
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本計画研究班の研究課題は、転写因子も含めて転写因子間の相互作用が最終的に遺伝子発現としてどのようにアウトプットされるかというメカニズムを分子のレベルで解明することを主な目的としている。Preinitiation complexの構成成分であるTFllHの9つのsubunitsをリコンビナントDNAを用いて発現させ、再構成に成功し、各々のサブユニットの機能を検討する系が確立された。またこの系を用いてERCC3のヘリカーゼ活性が転写活性化のプロモーターエスケープの段階に重要であることを示した。転写伸長反応もDSlFとNELFの抑制とpTEFbとFACTの活性化系によって精密にコントロールされていることが明らかにされた。DSlFの一つサブユニットp160のC末端の変異はゼブラフィッシュでは神経の発達異常を引き起こすことが分かった。広範な転写因子の共役因子として働くcbpについては、さらにgi3,AhR/Arnt,HlF-1α,lRF3などの共役因子として働くことやβ-カテニンが阻害して,P53の転写活性を抑制することを示した。2ハイブリッド法によってMBFl,UTF1,P68/P72が各々転写因子FT2-F1,RAR,ERα,βの転写共役因子として働くことを明らかにし、その構造を決定した。ノックアウトマウスを作製することによってAhR,AhRR,STAT3などの機能解析を行なった。