著者
赤坂 文弥 中谷 桃子 木村 篤信
出版者
サービス学会
雑誌
サービソロジー論文誌 (ISSN:24355763)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.10-17, 2020 (Released:2021-07-30)
参考文献数
70

The aim of this paper is to clarify the overview of past researches related to Service Design (SD). As an initial step to achieve this purpose, we exploratory surveyed papers that widely reviews past and current SD research. We selected the papers through the Web search using Google Scholar. On the basis of this survey, we found five academic areas that strongly influenced current SD research, such as (1) Service Marketing / Management, (2) Interaction Design, (3) Design Theory / Design Thinking, (4) Engineering Design / Service Engineering, and (5) Participatory Design / CoDesign. For each of these academic areas, we additionally surveyed specific past researches related to current SD. The papers or books investigated in this additional survey include those selected based on the results of the first survey, as well as those newly found during the process of the additional survey. As a result, we depicted a historical map of SD research. From the map, we found that, among the five academic areas that influenced SD research, some areas have been mutually affected from the past, while others have had little direct involvement so far. Based on the map, we discuss the direction of future collaborations among various approaches to SD research. Further, we also noted that the map can be used as “boundary object” to make the discussion between the research communities with low relationships more constructive, because it explains the background theory in different research communities.
著者
大野 健彦 中谷 桃子 中根 愛 セン ユージン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.94-106, 2011-01-01

情報家電の利用時,ユーザが「作業にうんざりする」と感じる場面がしばしば登場する.このような状態を検出し,その発生原因を特定,解消することは情報家電の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たす.特に利用開始前に必要な接続・設定作業には,うんざりしやすい様々な要因が含まれる.本研究では情報家電の接続作業におけるうんざり状態の要因を明らかにすることを目的として,ビー玉評価法と呼ぶ「うんざり」状態を検出する簡易な方法を考案し,情報家電の配線作業に適用した実験について述べる.実験の結果,うんざりする程度は人によって大きく異なること,またユーザがマニュアル読解時,特に適切なページにたどりつけない場合にうんざりする場合が多いことが示された.またビー玉評価法がこのような作業の評価に適切であることが示された.
著者
中根 愛 中谷 桃子 大野 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.33, pp.11-16, 2010-05-06

ICT機器の普及が進み,家庭内のネットワークに接続される機器間の配線・設定はますます複雑化してきている.これに伴い,ICT機器の配線・設定作業に対してネガティブな心理状態に陥るユーザが少なくない.本研究ではICT機器の配線・設定作業時に生じるネガティブな心理状態の生起プロセスを,インタビュー調査によって明らかにする.またこれを元にして,ネガティブな心理状態生起を抑制するための指針を構築する.
著者
大土 隼平 石井 陽子 中谷 桃子 大塚 和弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.9, pp.504-517, 2022-09-01

複数人対話におけるファシリテータによる対話者の状態把握を支援するため,頭部運動の機能に関する特徴量を用いた対話者の主観的印象の予測モデルを提案する.女性4名,17グループの対話を対象とし,雰囲気の良さ,楽しさ,やる気,集中度について,2分単位に自己報告された9段階のスコアを予測の対象とする.まず,対話者の頭部姿勢角及び発話の有無の時系列を入力とする畳み込みニューラルネットワークを用いて,頭部運動機能10種を検出する.次に頭部運動機能特徴として,検出された頭部運動機能から各機能の出現率や構成比等を2分単位の区間ごとに算出する.また,頭部運動の活発さを表す特徴も併せて抽出し,ランダムフォレスト回帰モデルを用いて内観スコアの予測を行う.実験の結果,全グループに対するモデルでは,印象4項目中3項目にて弱い相関(≥ 0.3)が確認でき,また,グループごとのモデルでは,約32%のグループにて中程度以上の相関(≥ 0.5)が得られるなど印象の予測可能性が示唆された.更に予測モデルの説明可能性を示すため,SHAP分析を用いて予測に寄与した対話者の行動と印象との関連性について考察する.
著者
山本 逸郎 古川 由美子 野土谷 桃子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.94, pp.19-28, 2005-10-07

中学校理科第1分野「エネルギー」の単元では.高い位置にある物体がもつエネルギーを調べる実験として,斜面を転がる球を木片に衝突させる実験が教科書に記載されている。教科書では.球のもつ位置エネルギーが木片を押す仕事に使われると解釈し,木片の移動距離が球の質量に対して比例するグラフを掲載しているが,実際に実験してみると比例しないことがわかる。本研究では,得られた実験結果を解析し,球と木片の運動を詳しく考察する。
著者
草野 孔希 中谷 桃子 大野 健彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1016-1025, 2014-02-15

本研究ではシナリオを用いたユーザインタフェース(UI)設計を支援するツール,UI-Fillerを提案する.ユーザにとって使いやすいUIを実現するには「誰が,どのような目的で,どのように使うか」といった,ユーザの振舞いを熟慮しながら繰り返しUIを設計することが重要である.そこで,振舞いを物語のようにシナリオとして記述することで,特別な知識がなくてもユーザ像を具体的にイメージすることが可能となる.しかし,従来のシナリオに基づく設計手法には,1.複数の利用シナリオが考えられるインタラクティブシステムにおいて,シナリオどうしの関係性やトレードオフを加味しながらUIを設計することは難しい,2.設計したUIを評価しながら繰り返し改善する際に,シナリオとUIとの対応関係を維持することが難しい,という2つの難点がある.そこで,UI-Fillerはシナリオの階層化およびタグ付けを用いたシナリオの分析と管理の支援,および分析結果の可視化によってUIの反復設計を支援する.
著者
草野 孔希 中谷 桃子 大野 健彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1016-1025, 2014-02-15

本研究ではシナリオを用いたユーザインタフェース(UI)設計を支援するツール,UI-Fillerを提案する.ユーザにとって使いやすいUIを実現するには「誰が,どのような目的で,どのように使うか」といった,ユーザの振舞いを熟慮しながら繰り返しUIを設計することが重要である.そこで,振舞いを物語のようにシナリオとして記述することで,特別な知識がなくてもユーザ像を具体的にイメージすることが可能となる.しかし,従来のシナリオに基づく設計手法には,1.複数の利用シナリオが考えられるインタラクティブシステムにおいて,シナリオどうしの関係性やトレードオフを加味しながらUIを設計することは難しい,2.設計したUIを評価しながら繰り返し改善する際に,シナリオとUIとの対応関係を維持することが難しい,という2つの難点がある.そこで,UI-Fillerはシナリオの階層化およびタグ付けを用いたシナリオの分析と管理の支援,および分析結果の可視化によってUIの反復設計を支援する.Clearly picturing user behavior is one of the key requirements when designing successful interactive software. However, covering all possible user behaviors with one UI is a complex challenge. UI-Filler is designed to support the characterization of user behavior based on scenarios and then using the information in UI design. Scenarios make it easy to understand and share user behavior even if we have little design knowledge. However, they have two big weaknesses; 1) integrating several scenarios in one UI is difficult, even if we can create appropriate scenarios, 2) maintaining the links between scenarios and the UI is a heavy task in iterative design. Our tool solves the above problems through its hierarchical scenario structure and visualized overview of scenarios. It enhances the designer's skill in writing scenarios and designing UIs smoothly and easily.
著者
大野 健彦 中谷 桃子 中根 愛 セン ユージン
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.1, pp.94-106, 2011-01-01

情報家電の利用時,ユーザが「作業にうんざりする」と感じる場面がしばしば登場する.このような状態を検出し,その発生原因を特定,解消することは情報家電の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たす.特に利用開始前に必要な接続・設定作業には,うんざりしやすい様々な要因が含まれる.本研究では情報家電の接続作業におけるうんざり状態の要因を明らかにすることを目的として,ビー玉評価法と呼ぶ「うんざり」状態を検出する簡易な方法を考案し,情報家電の配線作業に適用した実験について述べる.実験の結果,うんざりする程度は人によって大きく異なること,またユーザがマニュアル読解時,特に適切なページにたどりつけない場合にうんざりする場合が多いことが示された.またビー玉評価法がこのような作業の評価に適切であることが示された.
著者
木村 優 後藤 千晴 谷 桃子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.529-534, 1989-10-05
被引用文献数
6 9

水中のモリブデン(VI)イオンについて活性炭の粒子表面での吸着特性を調べ,微量モリブデンの分離濃縮及び定量法について報告する.Mo(VI)を含む溶液200mlに活性炭50mgを添加して30分間かき混ぜてから〓過する.〓液中のモリブデン濃度をAAS装置を用いて測定した.モリブデン(VI)pPH3.3〜4.0において90%以上の吸着率を示した.この実験条件で吸着等温曲線を描き,Langmuirプロットをした.得られた最大吸着量は59mg g^<-1>であった.最大吸着量は,溶液にEDTAを加えると約8分の1に減じた.そのほか,シュウ酸ナトリウム,硫酸ナトリウム,塩化カリウム,塩化マグネシウム,塩化カルシウム,硝酸亜鉛などの共存する溶液中のMo(VI)イオンの活性炭への吸着率を求めた.これらいずれの塩類も共存量が増すに伴って吸着率は低下した.特に硝酸亜鉛の共存によってMo(VI)の吸着率は著しく低下したが,8-キノリノールの添加によって吸着率は90%以上に回復した.いったんMo(VI)を吸着させてから活性炭を取り出し,0.1M NaOHを加えるとMoは容易に脱離した.従って,水中のMo(VI)の分離濃縮を簡単に行うことができる.200mlの試料溶液中のMo(VI)を活性炭50mgに吸着し,分離及び脱離操作を経て最終的に1mlに濃縮した場合における試料中のMoのAASによる検出限界濃度は0.0011ng ml^<-1>の超微量である.本法を用いて,水道水,河川水及び海水中のモリブデンの分離濃縮及び定量を行った.その結果,水道水,河川水及び海水についてそれぞれ20回の操作(n=20)の平均値は,0.37(R.S.D.=14%),0.23(17%)及び7.9(8%)ng ml^<-1>であった.
著者
中谷 桃子 宮本 勝 米村 俊一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.744, pp.41-46, 2005-03-17

コールセンタにおいて電話後にユーザに付加的な情報を与える, 「自己解決指向型ユーザサポート」の効果を, ユーザの自己解決意欲と主観的成功確率という2種類の尺度を用いて評価した. 結果, 全く同一の課題を与えているにも関わらず, 1人の被験者は達成見込みを高く評価し, 自己解決意欲も直ぐに向上した. 一方, もう1人の被験者は, 向上意欲は高いが, 達成見込みを低めに見積もり, 自己解決意欲に対しても非常に慎重な様子を見せた. これらの結果から, 前者のような被験者には, 多くの情報量を与え成長の機会を増やし, 一方, 後者のような被験者には, ある程度情報量を限定した付加情報の与え方が重要であることが示唆された.