著者
財部 香枝 河野 銀子 小川 眞里子 大坪 久子
出版者
中部大学国際関係学部
雑誌
貿易風 : 中部大学国際関係学部論集 : Chubu international review (ISSN:18809065)
巻号頁・発行日
no.9, pp.152-165, 2014-04

The authors reveal and compare the changing patterns of gender segregation in the composition of students who have graduated from universities in Japan, Korea, and Taiwan since 2004. The students are classified into 7 categories in accordance with the ISCED97: Education, Humanities & Arts, Social Sciences, Science & Mathematics, Engineering, Agriculture & Veterinary, and Health & Welfare. We discuss (1) the situation of female PhD graduates and (2) the ratios of men and women at the various levels of higher education (bachelor, master, PhD) in each field.
著者
財部 香枝
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.73-89, 2009-10-20 (Released:2021-08-01)
参考文献数
44

Industry plays a key role in research, development and innovation. More than half the research in Japan is carried out by the private sector, yet only 7% of industrial researchers are women and their opportunities to progress to senior level positions are minimal. In order to attract more women scientists and engineers to industry, and to keep and promote them there, in this paper, I will examine the unequal situation surrounding them in industry, and demonstrate activities of the COSMOS community, for the promotion of the women engineers, created by IBM-Japan; the top-down & bottom-up community offers them mentoring, role models, workshops, and Web Wiki site. Japanese industry should come to appreciate the merits of a more gender-equal approach to R&D; deeper studies need to be provided, as the Women in Science and Technology (WiST) highlighted that positive female promotion could bring good record of business.
著者
出利葉 浩司 宮武 公夫 財部 香枝 矢口 祐人 宮武 公夫 財部 香枝 矢口 祐人
出版者
北海道開拓記念館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

明治年間に北海道を訪問し、アイヌの人びとに出会った西洋人とくにアメリカ人が残した記録類について、「出会い」という視点からながめてみることが本研究の目的である。日記、書簡類などのうち、ハイラム・ヒラー書簡、ロミン・ヒチコック講演草稿、セントルイス万国博覧会におけるフレデリック・スター収集資料記載情報については、翻刻、翻訳し、公表することができた。また、セントルイス万国博覧会、ロンドン万国博覧会をめぐる人類学的問題について、調査された資料をもとに、それぞれ論考をまとめることができた。
著者
河野 銀子 小川 眞里子 財部 香枝 大濱 慶子 横山 美和
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

「女性研究者の実態と支援政策の国際比較研究」は、欧米やアジアの女性研究者の実態およびその支援政策の動向を比較検討することによって、日本の女性研究者の実態を国際的に位置づけ、科学・学術分野における女性の低参画率の背景を探ることを目的としている。具体的には、a) EU・米国・中国の女性研究者割合等に関する推移の統計的把握および、b) 各国や地域の女性研究者支援政策の系譜の作成、c) 女性研究者割合の増加を阻害する要因と具体的解決策の検討、d) 女性研究者増加の阻害要因と政策に関する理論的検討を行うものである。研究代表者・分担者・研究協力者(大坪久子・日本大学)が、国際ジャーナルへの掲載や国際会議での発表、科学技術社会論学会でのセッションの開催などを通して、研究成果を広く社会に還元しながら実施した。2年度目の平成29(2017)年度はすでに初年度に開始していた a)、 b)、c)、d)のそれぞれを掘り下げた。4調査における具体的な実施状況は下記の通りである。a) については、中国やEUのデータについて、入手可能なデータの整理をし、女性研究者数や割合の特徴を捉えた。 b) については、米国と中国で訪問調査を行い、女性研究者を増やすための政策がどのように始まり、どのような困難があり、その困難をどのように乗り越えたのか、など、量的調査ではとらえることができない実態や背景を把握するためのインタビュー調査を実施した。 c) については、国際比較を可能とするため、公表されている行政資料や国内外の報告書類を収集し、女性研究者支援政策の流れと具体的内容の整理に着手した。また、オーラルヒストリー分析も開始した。 d) については、前年度に行った「パイプラインセオリー」に関するシステマティック・レビューをベースに、特に理論の限界等についてジェンダーサミット10で発表した。
著者
財部 香枝
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

レメルソン発明および革新研究センターは、1995年、アメリカ合衆国ワシントンD. C.のスミソニアン協会、国立アメリカ歴史博物館内に創設された。同センターは、博物館の比類ない資源を活用し、シンポジウム、教育的アウトリーチ・プログラム、展示、研究機会の提供、ドキュメンテーションなどの多様な取組みをとおして、発明および革新に関する新たなパースペクティブを来館者に与えようとする。本研究は、レメルソン・センターにおけるサイエンス・コミュニケーションの実態を探究する。センターは、音楽、視覚芸術、環境など、複数のパースペクティブから発明の歴史を調査・解釈することにより、「さもなければその主題[発明]に注意を払わない広い観衆を惹きつけてきている」という。センターの発明や革新に関する学際的なアプローチは、科学技術の理解に有益な方法を示しており、わが国の公衆にも適用しうるだろう。研究成果は、学会誌、学会にて公表した。
著者
佐々木 史郎 小谷 凱宣 荻原 眞子 佐々木 利和 財部 香枝 谷本 晃久 加藤 克 立澤 史郎 佐々木 史郎 出利葉 浩司 池田 透 沖野 慎二
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、北海道内の博物館に収蔵きれている、アイヌ民族資料の所在を確認し、その記録を取るとともに、その資料が収蔵された歴史的な背景を解明することを目的としていた。本研究で調査対象としたのは、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園(北大植物園)、函館市北方民族資料館、松前城資料館である。この3つの博物館が調査の対象とされたのは、資料の収集経緯に関する記録が比較的よく残されていたからである。3年にわたる調査の結果、北大植物園が所蔵する2600点に及ぶアイヌ文化関連の標本資料全点と松前城資料館が所蔵する320点余りの資料の全点について調書が作成され、写真が撮影された。また、函館市北方民族資料館では約700点(総数約2500点の内)の資料について、調書作成、写真撮影を行った。その結果、総計約3500点を超えるアイヌ文化の標本資料の詳しい調書と写真が作成された。本科研での調査研究活動では、標本資料の熟覧、調書作成、写真撮影にとどまらず、当該資料が各博物館に所蔵された経緯や背景も調べられた。植物園の資料の収集には、明治に北海道開拓指導のためにやってきた御雇外国人が関わっていたことから、彼らに関する史料をアメリカの図書館に求めた。調査の過程で、これらの博物館、資料館の資料が、明治から大正にかけての時代に収集されていたことが判明した。それは時代背景が明らかな欧米の博物館に所蔵されているアイヌ資料の収集時期と一致する。本科研の調査により、以上の3つの博物館のアイヌ資料は、すでに数度にわたる科研で調査された欧米の博物館の資料に匹敵するほどの記録と情報を備えることになった。それは、記録がない他の国内の博物館のアイヌ資料の同定、年代決定の参照に使えるとともに、アイヌ文化の振興と研究の将来の発展に大きく寄与することになるだろう。