著者
勝俣 啓 辻 宏道 纐纈 一起 束田 進也 大木 聖子 勝俣 啓
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

平成20年度に発生したチリ地震では津波の日本への到達が予測され,一日以上にわたって注意報や警報が発令された.地震発生から一週間後に津波に関する意識調査を実施した.「外国で起きた地震で発生した津波は日本まで到達することがあると思うか」などの問いに対しておよそ95%の正答率が得られ,日本人の津波に関するリテラシーの高さが明らかとなった.平成22年度はイタリアにおける地震予知問題に関する調査を実施した.地震予知情報を的確に発令しなかったことに対して,地震学者が刑事責任を問われるという特異な事件の経緯を現地調査も含めて詳しく分析した.
著者
飛田 幹男 辻 宏道 高橋 保博 川原 敏雄
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.181-192, 2003-09-25 (Released:2010-09-07)
参考文献数
9

Correction vectors from coordinates in datum sheet to coordinates surveyed by static GPS at 57 Japanese islands in Tokyo Datum are calculated and compiled. The magnitude of the corrections of Iwo-jima, Daito-jima, Tarama-jima, Ishigaki-jima, and Yonaguni-jima islands exceeds 200 m, because the coordinates in datum sheet in Tokyo Datum were determined by astronomical survey of several tens of years ago. The correction vectors represent internal consistency in Tokyo Datum and can be used for corrections of island maps in Tokyo Datum, e.g., maps in car navigation systems.
著者
辻 宏道 山口 和典
出版者
Japan Society of Photogrammetry and Remote Sensing
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.114-120, 2013-07-12 (Released:2014-07-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2

The Geospatial Information Authority of Japan (GSI) has operated the GPS Earth Observation Network system (GEONET) since 1996, as an indispensable national infrastructure for GPS surveying, crustal deformation monitoring and precise Location Based Services. With the advent of multi GNSS environment, advanced users require GNSS data other than GPS, such as GLONASS, Quasi Zenith Satellite System (QZSS), Galileo, and so on. In response to these demands, GSI updated all receivers and antennas of about 1,300 GEONET stations, and started to provide QZSS and GLONASS data from May 10, 2013, yielding a network-based RTK-GNSS positioning service for all over Japan by the private sector. GEONET is now literally a GNSS Earth Observation Network system.
著者
辻 宏道 畑中 雄樹 佐藤 雄大 古屋 智秋 鈴木 啓 村松 弘規 犬飼 孝明 三木原 香乃 高松 直史 中久喜 智一 藤原 智 今給黎 哲郎 飛田 幹男 矢来 博司
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

1.背景 国土地理院はGPS等の測位衛星(GNSS)の電波を受信する「電子基準点」を全国約1,300箇所に設置し、そのデータを利用して測量や地殻変動監視を行うとともに、そのデータを公開して測量・測位、防災分野等での活用を推進している。GPSはL1帯(1.57542 GHz)及びL2帯(1.2276 GHz)の信号を送信しているが、近年、準天頂衛星や次世代GPSはL5帯(1.17645 GHz)の信号も送信しており、最新型のGNSS受信機及びアンテナは、従来よりも広い周波数帯に対応した設計となっている。 一方、携帯電話サービスでは、LTEと呼ばれる次世代高速通信サービスが全国で開始されており、この中には1.5 GHz付近の電波を利用するものも含まれる。 2.現象 電子基準点「函館」で、2013年5月から観測される衛星の信号強度(SN比)が低下するとともに、データを解析して得られる電子基準点の高さに、見かけ上の変動(振幅:最大約5 cm、周期:2~3週間)が生じた。現地測量により実際の変動でないことは確認されたが、原因の究明には至らず、当該基準点は公共測量で利用できないように措置した。 その後も、電子基準点「焼津A」で、2014年3月からSN比の低下及び見かけ上の上下変動(振幅:最大約2 cm、周期:2ヶ月)が確認されるなど、2016年2月現在、同様な現象が「函館」以外に13点でも発生している(電子基準点名:「焼津A」、「大阪」、「神奈川川崎」、「石垣2」、「御殿場」、「足立」、「越谷」、「新富」、「大宮」、「楠」、「八郷」、「厚岸」、「指宿」)。いずれも水平変動はなく、上下変動も比較的小さいため、通常の公共測量では利用できるが、GNSS測量による標高の測量を行う場合は利用できない。 地殻変動の研究を行う場合、これらの電子基準点の「日々の座標値」や関連する基線に現れる周期的な上下変動は、実際の変動ではないことに注意が必要である。 3.仮説 これらの電子基準点に共通するのは、1)マルチGNSSに対応した同一機種の受信機及びチョークリング・アンテナを利用していること、2)周辺(概ね1 km以内)に携帯電話基地局があり、SN比の低下が始まった日に1.5 GHz付近の電波を利用するLTEサービスが開始されていることである。このため、GPSのL1帯の隣接周波数帯にあるLTE信号が、従来より広い帯域に感度を持つアンテナに混入し、アンテナや受信機のアンプが飽和する等によりSN比が低下しているとの仮説が成り立つ。しかし、そのデータを基線解析すると上下方向だけに周期的な変動が現れるメカニズムはよくわからない。 4.当面の対応 メーカー提供のL1帯隣接周波数帯の1.5 GHz信号を除去するフィルターをアンテナと受信機間に挿入して、「函館」及び「焼津A」で観測したところ、SN比は現象の発生前には戻らないものの改善が見られ、見かけ上の上下変動は大きく低減した。また、5~10 dBのアッテネータ(減衰器)の挿入によっても、ほぼ同様な効果が見られることを確認している。今後、減衰量の最適値を決定し、見かけ上の上下変動が発生している電子基準点にアッテネータを挿入することを検討している。
著者
大木 聖子 辻 宏道 纐纈 一起 田中 淳 矢崎 良明
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.23, pp.53-54, 2008-11

Japan frequently suffers from all types of disasters such as earthquakes, typhoons, floods, volcanic eruptions, and landslides. One of the most essential ways to reduce the damage of natural disasters is to educate the general public to let them understand what is going on during the disasters. This leads individual to make the sound decision on what to do to prevent or reduce the damage. ERI, the Earthquake Research Institute, is qualified by MEXT (the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology) to develop education for earthquake disaster prevention in the Tokyo metropolitan area to work with an elementary school as a model to adopt scientific education. A magnitude 7 or greater earthquake beneath this area is recently evaluated to occur with a probability of 70% in 30 years. To better understand earthquakes in this region, "Special Project for Earthquake Disaster Mitigation in Tokyo Metropolitan Area" has been conducted mainly by ERI. It is a 4-year project to develop a high-density network with 400 sites at local elementary schools. We start our education project by using the real seismograms observed at their own schoolyards, putting emphasis on the reality and causality of earthquake disaster.