著者
野崎 一朗 松本 泰子 山口 和由 清水 有 熊橋 一彦 宗本 滋
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.136-142, 2013-02-01 (Released:2013-03-06)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

症例は23歳男性である.2週間続く腰痛と,その後生じた頭痛で受診した.頭部MRIでは左篩骨洞炎以外に特筆すべき所見はみとめなかった.入院翌日,右同名半盲と項部硬直を生じたことから,腰椎穿刺を施行し,血性髄液をみとめた.出血源検索のための腰椎MRIで,不均一に造影される硬膜内髄外腫瘍をみとめた.腫瘍によるくも膜下出血と診断し,脳神経外科にて腫瘍摘出術を施行された.病理診断は粘液乳頭状上衣腫であり,残存腫瘍に対して術後放射線治療を追加した.脊髄粘液乳頭状上衣腫によるくも膜下出血の頭痛を生じた特異な症例であり,貴重と考え報告した.
著者
林 永昌 西村 亮平 野崎 一敏 佐々木 伸雄 廉沢 剛 後藤 直彰 伊達 宗宏 竹内 啓
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.1017-1022, 1992-10-15 (Released:2008-02-15)
参考文献数
19
被引用文献数
25 30

膝蓋靭帯欠損を作製したウサギに対し, 磁場強度0(対照群), 2, 10および50Gauss(G)の変動電磁場刺激を連日6時間行い, 各群に対し1週ごとに4週後まで肉眼的観察, 病理組織学的検索および力学的強度試験を行った. その結果, 欠損作製2週後における肉眼および病理組織学所見では, 対照群および2G, 10G群で, 靭帯欠損部が依然陥没していたのに対し, 50G群では出血, 壊死像はすでに消失し, 他群に比べ走行性のより一致した膝原線維が増加した. この傾向はその後も持続し, 50G群で最も早期の修復像が認められた. 一方, 引張り強度試験では, すべての刺激群で, 対照群よりいずれの週も高値を示し, かつ50Gが最も高値を示した. 以上の結果から, 50Gの変動電磁場刺激は靭帯の修復機転の少なくとも初期段階に対し, 組織学的, 力学的な促進効果を示すことが示された.

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著者
桧山 為次郎 野崎 一
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.979-991, 1977-12-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
75
被引用文献数
10 11

Syntheses of hardly available ring structures through ring enlargement reactions are illustrated with the emphasis on the methods of high utility from the synthetic point of view.I One-Carbon Ring Enlargement. The molecular rearrangements involve active species such as carbonyl-diazomethane adducts, β-hydroxycarbenium ions, β-oxidocarbenoids, and β-bromo alkoxides respectively. Oxidative rearrangement is performed by means of cyanogen azide or thallium (III) nitrate. Bicyclo [n. 1.0] alkanes also are key intermediates for the one-carbon homologation. Photolysis of bicyclo [n. 2.1] alkanones having a carbonyl bridge undergoes Norrish Type I reaction resulting in ring expansion.II Two-Carbon Ring Enlargement. This methodology consists in the reaction of enamines of cyclic ketones with ketenes or acetylenes, acyloin condensation of cycloalkane-1, 2-dicarboxylic acid esters followed by thermolysis, and [1, 3] sigmatropic rearrangement.III Three-Carbon Ring Enlargement. Photolysis of α-cyclopropyl ketones and β, γ-unsaturated ketones, and fragmentation of bicyclo [n. 3.0] alkenones are discussed.IV Four-Carbon Ring Enlargement. Typical examples are the oxy-Cope rearrangement and fragmentation of bicyclo [n. 4.0] alkanes.V Miscellanea
著者
堅田 千種 今井 みはる 野崎 一徳 川本 昌幸 前田 芳信 島 優子 大星 直樹 玉川 裕夫
出版者
Japan Association for Medical Informatics
雑誌
医療情報学 = Japan journal of medical informatics (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.231-238, 2006-03-03

管楽器奏者に口唇外傷予防を目的としたミュージックスプリントを装着すると,音色も変化することが知られており,我々の臨床でもしばしば経験しているが,音色変化を定量的に解析,評価した研究は少ない.そこで,プロのトランペット奏者の協力を得て,スプリント装着時と非装着時の音色を,音響解析による物理的比較,自然音の一対比較法による聴覚比較,そしてデジタルフィルタリング法を用いた合成音比較の3方法で比較した.<br/> 物理的比較では,long-tone録音後に高速フーリエ変換を行い,スプリント装着時に高周波倍音成分の音圧が高くなっていることが示せた.聴覚比較では,音楽経験にかかわらずスプリント装着時の音をより好む被検者が多いことを明らかにできた.そして,低周波数部分を共通にし倍音成分のみを入れ替えた合成波形比較では,基音に対して13次から20次の倍音が,音色の好みに影響を与えていることを示せた.
著者
廉澤 剛 野崎 一敏 佐々木 伸雄 竹内 啓
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.1167-1169, 1994-12-15
被引用文献数
11

1.5歳の雌雑種犬に自然発生した骨肉腫から直接細胞培養し, 骨肉腫細胞株POS細胞を樹立した. この細胞は, 33時間で倍加し, 形態的にはいくつかのタイプの細胞が観察された. 透過型電子顕微鏡で, 多数の拡張した粗面小胞体が認められ, また高いALP活性を持つことから, 骨芽細胞由来の細胞と考えられた. さらに, この細胞のヌードマウス移植腫瘍を病理組織学的に調べたところ, 原発腫瘍と同様の骨肉腫組織像を示すことが明らかになった.