著者
上村 真由子 小南 裕志 金澤 洋一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.138-144, 2005-04-01
被引用文献数
4

枯死木分解呼吸の環境要因への反応特性を調べるために, 呼吸量を自動測定するシステムを開発し, コナラの枯死木呼吸量を2年間連続測定した。日単位の呼吸量は, 枯死木表面付近の温度変化に伴い明瞭な日変化を示した。また, 降雨による含水率の上昇に伴い呼吸量は急激に減少し, 降雨後に徐々に増加する傾向がみられた。呼吸量の季節変動は, 温度に対して指数関数的な関係があり, 冬期と夏期の呼吸量の差は約8倍であった。同じ温度下における呼吸量のばらつきは主に材の含水率の変化によるものであると考えられ, 一降雨から次の降雨までの含水率の変化に対して呼吸量は平均約1.5倍程度の変化をみせた。温度を変数とした指数関数と含水率を変数とした2次式を乗じた関数を用いて日平均呼吸量の推定を行ったところ, 呼吸量のばらつきの85%を説明することができ, 温度変化に対する呼吸量の季節変化や, 含水率の変化に対する呼吸量の短期的な増減の再現が可能であった。このように, 枯死木の呼吸量は温度と含水率の時系列変化に伴い, 変化幅が約8倍の季節変化と, 変化幅が約1.5倍の含水率の変化に伴う短期的な変化と, 日変化によって複合的に構成されていることが明らかになった。
著者
金澤 靖 金谷 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.231-239, 2002-02-01
被引用文献数
19

画像の濃淡値から共分散行列を計算する方法を統一的に定式化し,それが特徴点の位置の精度を反映しているのかどうかを可変テンプレートマッチングによるサブ画素補正により,実験的に検証する.そして,このような共分散行列を用いて最適計算の精度が向上するかどうかを射影変換行列と基礎行列について調べる.
著者
川上 裕司 伊藤 吉弘 金澤 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.6, pp.37-44, 2004-01-22

未校正なステレオカメラにおいて,シーン内に存在する局所的な平面領域のロバストな抽出法を提案する.ここでは,予め画像の対応づけプログラム等により,画像の特徴点間の大まかな対応は取れているものとし,各特徴点に対して,他の全ての特徴点に対する距離を元にした確率分布を定義する.そして,その確率分布を用いて2重のランダムサンプリングによるRANSACを行なうことにより,シーン内の複数の平面領域を検出する.本手法は,ロバストかつ正確に平面領域を検出することができるだけでなく,画像内の直線検出のような他の局所特徴の検出に対しても応用できる.シミュレーションおよび実画像を用いた実験により,本手法の有効性を示す.We propose a robust method for detecting local planar regions in a scene with an uncalibrated stereo. Our method is based on random sampling using distributions of feature point locations. For doing random sampling in RANSAC procedure, we use an uniform distribution and the distributions for each feature point defined by the distances between the point and the other points. We first choose a correspondence by using an uniform distribution and next choose candidate correspondences by using the distribution of the chosen point. Then, we compute a homography from the chosen correspondences and find largest consensus set of the homography for detecting a local planar region in the scene. We repeat this procedure until all regions are detected. We demonstrate that out method is robust to the outliers in the scene by simulations and real image examples.
著者
越本 浩央 金澤 正憲 岩下 武史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.19, pp.19-24, 2005-03-07

グリッドコンピューティングの基盤を支えるミドルフレームワークが充実し,ウェブサービスとの統合による応用面が注目されている.しかし仕様の複雑さと規模の大きさが開発と利用を困難にしている.本研究ではこの二つの問題を解決するために,RESTアーキテクチャに基づいたグリッドサービスの設計を提案し,モナドベースのRESTfulウェブサービスを構築する.RESTアーキテクチャはネットワーク上のエンドポイントのステートレス化を推し進める.またモナドはデータと計算と計算戦略を切り離すことで計算結果への参照透明性を提供する.ここではモナドを利用することでの開発の効率化とRESTfulなサービスの運用の利便性を示す.With preparedness for the Grid computing by the Grid middle frameworks, a research and development of the Grid integration as the web-service are remarkable. However it seems too complicate on developing and operating, dues to a complexity and a fleshiness of the specifications. In order to solve these two problems, we proposed a efficiency of designing the Grid-service in line with the REST architecture, and composed a web-service based on Monad. The REST architecture makes endpoints on the Net stateless. Monad makes programs be decomposed into data, functions and strategies, and provides transparency of calculus. We show an efficiency of Monad for developing and a convenience of a RESTful web-service for operating.