著者
Guerin Maurice de 金澤 哲夫
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 フランス語フランス文学 (ISSN:09117199)
巻号頁・発行日
no.46, pp.294-263, 2008

森英樹教授・西尾修教授・高山晶教授退職記念論文集 = Mélanges offerts à Mori Hideki, à Nishio Osamu, et à Takayama Aki
著者
金澤 周作
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

18 世紀、19 世紀のイギリスで隆盛を極めたチャリティ活動は、20世紀初頭の「国家福祉」萌芽期においてもなお、困窮者救済に根本的な重要性を持ち続けた。本研究では、第一次世界大戦期に行われた「戦争チャリティ」の実態を実態的かつ言説的に分析することで、国家の積極的介入がこれまでになく強く求められていた戦時下にあってさえ、チャリティの伝統が強固に力を発揮し続けていたさまを明らかにすることができた。
著者
金澤 悠介
出版者
立教大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、コモンズの管理のありかたとそれに影響を及ぼす要因を計量的な手法により明らかにすることをつうじて、既存のコモンズ研究を刷新するような知見を獲得することである。『昭和49年全国山林原野入会林野慣行調査資料』に記載されている入会林野の事例をデータベース化し、計量分析を行ったところ、以下のような知見が得られた。(I)当時の入会林野の管理形態は、集落直轄型・権利流通型・半私有化型・古典的利用型の4つの類型に分類できる。(II)コモンズの管理形態には、人口構成や産業構成の変化といった社会変動が大きな影響を与えていた。
著者
篠原 浩一郎 沼尾 和則 金澤 祥雄 野上 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.666, pp.5-8, 2005-02-17
被引用文献数
1

銀塩写真の如く「水の中」や「鏡の中」のような情感を電子写真で再現するための要件について、デジカメプリントを始めて搭載したマルチファンクショナルプリンタの技術を中心に述べる。
著者
森田 裕子 水村 亮介 橘 義貴 金澤 秀子
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.541-545, 2013-06-05 (Released:2013-06-27)
参考文献数
14
被引用文献数
2

Cation exchange resins (calcium polystyrene sulfonate, Ca-resin and sodium polystyrene sulfonate, Na-resin) have been used as agents to improve hyperkerlemia. For removing 137Cs from the human body, the adsorption ability of the resin for 137Cs was examined and evaluated. Resin (0.03 g) and 137Cs (ca.1 kBq) were introduced into 3 mL of water, the Japanese Pharmacopoeia 1st fluid for a dissolution test (pH 1.2) and 2nd fluid (pH 6.8), respectively, and shaken. After 1-3 hours, the 137Cs adsorption (%) of Na-resin was 99% in water, 60% in a pH 1.2 fluid and, 66% in a pH 6.8 fluid. By adding potassium, the 137Cs adsorption (%) of Ca-resin was reduced. However, the 137Cs adsorption (%) of Na-resin was almost unchanged. These results show that both resins have adsorption ability for 137Cs in the stomach and the intestines. Therefore, the proposed method will be an effective means in the case of a radiological emergency due to 137Cs.
著者
吉本 則之 渡辺 剛 小金澤 智之 菊池 護 廣沢 一郎
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.190-195, 2014-04-10 (Released:2014-04-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Two-dimensional grazing incidence X-ray diffraction (2D-GIXD) is one of the powerful methods to analyze crystal growth and structure of organic thin films. In this report, we show some experimental examples of 2D-GIXD measurements on organic semiconductor thin-films performed at SPring-8. First, polymorphic transformation of pentacene depending on film thickness observed by means of in-situ real-time 2D-GIXD is shown. Secondly, real-time observation of change in structure during thin-film growth of oligothiophenes by means of 2D-GIXD is shown. Finally, a result of crystal structure analysis from 2D-GIXD data of polycrystalline an oligothiophene thin film is reported.
著者
坂内 徳明 金澤 美知子 鳥山 祐介 ニコラエフ N. V. イリイナ O. N. 坂内 知子 ニコラエヴァ N. V.
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、ロシア近代の社会と文化に関する諸問題を考察する上で欠かすことのできない貴族屋敷(ウサーヂバ)という文化現象を特に近代ロシア文学の成立をめぐる「環境」として捉え、ウサーヂバ文化の意義について明らかにすることにあった。本研究の最終年度にあたる平成27年度には、これまで三カ年の研究成果を全体で11本の論文ならびに翻訳、さらに文献目録としてまとめ、成果報告書(176ページ)として刊行することができた。本研究の成果により、ロシア・ウサーヂバの文化史的意義の大きさが明らかになり、加えて、この現象がさらなる学際的な研究対象となることが確認された。
著者
福智 佳代子 金澤 直志
出版者
神戸海星女子学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

iPodと電子黒板を組み合わせたデジタルコンテンツの開発プロジェクトを行ってきた。RPGゲームで、Listening内容の理解度を測る診断テストを作成、ICT開発会社ヴォルテックに、ゲームソフトの開発、端末機器(iPod)と電子黒板相互通信システムの開発を依頼、動作確認を行った。診断テスト内容に関しては、テスト内容の検証、ウェブ上の画像、音声・効果音を組み込んだRPGゲーム1ユニット分の試作版の検証を小学校で行った。その結果を参考に、最終編集(出版社ニュートンプレス)を行ったものを、独自のイラスト・動画(村田氏)と共に、ゲームソフトに組み込み、RPGゲームによる評価システムの実証実験を行う。
著者
山元 大輔 木村 賢一 小金澤 雅之 鳥羽 岳太
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

動物は種によって独特の行動を示す。本研究では、求愛行動様式に歴然たる相違のあるショウジョウバエ2種、Drosophila melanosgaterとD. subobscuraに着目して、なぜ行動の違いが生まれるのかを解明した。あらゆる行動は、特定のニューロンが決まった順序で活動することによって生み出される。研究の結果、fruitlessという遺伝子のスイッチがどのニューロンでオンになるかが変わることによって、種ごとの行動の違いが生まれる可能性が示された。
著者
塩谷 芳也 金澤 悠介 浜田 宏
出版者
Japanese Association For Mathematical Sociology
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.243-258, 2012

日本における階層研究の文脈では, 階層帰属意識をめぐる研究が盛んであり, 数理モデルを用いた理論的研究と, 統計分析を用いた実証的研究という2つの方法論的アプローチが邂逅する重要なフロンティアとなっている. 本研究の目的は, 階層帰属の生成過程を説明する数理モデル(FKモデルと理論的に等価な座標対順序モデル)の経験的妥当性をビネット調査により検証して, 理論研究と実証研究の統合的な発展を目指すことにある. 具体的には, 学歴, 職業, 収入の3次元を組み合わせた架空の階層プロフィール(ビネット)の総合的な社会的地位を被調査者に回答してもらい, 理論モデルの予測と照合した. 分析の結果, 座標対順序モデルは支持されず, 階層プロフィールの地位評価に関しては, 対象ビネットの収入が特に大きな正の効果を持ち, 学歴や職業は微弱な効果しか持たない, という知見が得られた. 一方, 従来の社会調査にもとづく実証研究では, 学歴, 職業, 収入のいずれもが階層帰属意識に対して中程度の正の効果を持つことが知られている. 従来の知見と部分的に異なる本研究の知見は, 自己の地位評価と他者の地位評価には, それぞれ異なるメカニズムが働いている, という可能性を示唆している. .
著者
成田 長人 金澤 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.401, pp.29-36, 1999-10-29
被引用文献数
5

高臨場感放送サービスの研究として,広視野・超高精細映像が観視者の心理に及ぼす影響をスライドプロジェクターを使用して検討した.まず,画面サイズ,観視距離,絵柄を変化させたとき,観視者が静止映像及びパンニング映像から受ける印象をSD法を用いて評価し,因子分析法により心理因子「力量感」,「快適感」,「大小・遠近感」を抽出した.次に,静止映像を対象に,画面サイズ,観視画角,絵柄の幾つかのパラメータについて,「力量感」と「快適感」を7段階尺度で評価し,観視者の"好ましい観視距離"が「力量感」と「快適感」の効果を最大限に引き出せる場所に相当することを示した.最後に,撮影画角の影響を検討し,広画角で撮影した映像の方が,近距離で観視する傾向が強いことを示した.
著者
吉岡 尚文 津金澤 督雄 石津 日出雄 辻 力 山内 春夫 鈴木 庸夫 高浜 桂一
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

自殺率の高い県、低い県あるいは全国平均並みの県等、14県を対象に、平成元年から7年までの7年間の自殺者の総計約31500例(男性19800、女性11700)につき、各県警察本部の協力を得て、個々の内容を詳しく調査し、統計学的に分析、考察した。その結果以下の点が明らかとなった。*秋田県、新潟県、岩手県はどの年も自殺率が極めて高く、交通事故による死亡者の2〜3倍の数である。一方、石川県、滋賀県、三重県、岡山県の自殺率は常に低い。*男女とも高齢者群での自殺者が多い。また、男性では働き盛りの年代での自殺も多く、経済的要因が背景となっている。*高齢者の自殺の背景は病苦とされているものが大部分である。しかし、それが真の動機となった例は少ない。壮年〜中高年では精神疾患を有する人の自殺が多い(女性で顕著)。*自殺の手段はどの年齢層でも縊頸が多く、特に高齢者で顕著である。*自殺者の内、独居者の占める割合は極めて少ないが、独居者の自殺は独居5年目以降で多くなる。*季節的にみると、春から初夏にかけて多く、冬期間はむしろ少ない。以上より、差し当たり着手すべきは、高齢者ならびに精神科的疾患を有する人に的を絞り具体的な防止対策を講ずることであろうと考える。例えば、高齢者の相談にのるシステムの徹底と情宣、市町村単位での自殺防止運動の展開、精神科医を含め医療関係者の自殺防止への積極的な取り組み、マスメディアの自殺防止キャンペーンへの協力などの他、優先されるべきこととして、家庭内、家族内での内面問題の解消が挙げられる。これらと併行して老人自身の自立心向上、精神面の教育がなされる環境を整えることも肝要である。
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 宮内 英聡 清水 孝徳 千葉 聡 鈴木 孝雄 軍司 祥雄 島田 英昭 岡住 慎一 趙 明浩 大塚 恭寛 吉田 英生 大沼 直躬 金澤 正樹 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 織田 成人 平澤 博之 一瀬 正治 江原 正明 横須賀 收 松谷 正一 丸山 紀史 税所 宏光 篠塚 典弘 西野 卓 野村 文夫 石倉 浩 宮崎 勝 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.265-276, 2004-12-01

千葉大学医学部附属病院において2000年3月から,2003年8月まで8例の生体部分肝移植手術を施行した。5例が18歳未満(7ヶ月,4歳,12歳,13歳,17歳)の小児例,3側が18歳以上(22歳,55歳,59歳)の成人例であった。2例(7ヶ月,4歳)の小児例は左外側区域グラフトであるが,他の6例はすべて右葉グラフトであった。2側が肝不全,肺炎のため移植後3ヶ月,2ヶ月で死亡となったが他の6例は健存中であり,元気に社会生活を送っている。第1例目は2000年3月6日に実施した13歳男児のウイルソン病性肝不全症例に対する(ドナー;姉22歳,右葉グラフト)生体部分肝移植である。現在,肝移植後4年3ヶ月が経過したが,肝機能,銅代謝は正常化し,神経症状も全く見られていない。第2例目は2000年11月23日に実施した12歳男児の亜急性型劇症肝炎症例である(ドナー;母親42歳,右葉グラフト)。術前,肝性昏睡度Vとなり,痛覚反応も消失するほどの昏睡状態であったが,術後3日でほぼ完全に意識は回復し,神経学的後遺症をまったく残さず退院となった。現在,術後3年7ヶ月年が経過したがプログラフ(タクロリムス)のみで拒絶反応は全く見られず,元気に高校生生活を送っている。第3側目は2001年7月2日に実施した生後7ヶ月男児の先天性胆道閉鎖症術後症例である。母親(30歳)からの左外側区域グラフトを用いた生体部分肝移植であったが,術後,出血,腹膜炎により,2回の開腹術,B3胆管閉塞のためPTCD,さらに急性拒絶反応も併発し,肝機能の改善が見られず,術後管理に難渋したが,術後1ヶ月ごろより,徐々にビリルビンも下降し始め,病態も落ち着いた。術後6ヵ月目に人工肛門閉鎖,腸管空腸吻合を行い,現在,2年11ケ月が経過し,免疫抑制剤なしで拒絶反応は見られず,すっかり元気になり,精神的身体的成長障害も見られていない。第4例目は2001年11月5日に行った22歳男性の先天性胆道閉鎖症術後症例である(ドナー:母親62歳,右葉グラフト)。術後10日目ごろから,38.5度前後の熱発が続き,白血球数は22.700/mm^3と上昇し,さらに腹腔内出血が見られ,開腹手術を行った。しかし,その後敗血症症状が出現し,さらに移植肝の梗塞巣が現れ,徐々に肝不全へと進行し,第85病日死亡となった。第5例目は2002年1月28日に行った4歳女児のオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症症例である(ドナー;父親35歳,左外側区域グラフト)。肝移植前は高アンモニア血症のため32回の入院を要したが,肝移植後,血中アンモニア値は正常化し,卵,プリンなどの経口摂取が可能となり,QOLの劇的な改善が見られた。現在2年5ヶ月が経過したが,今年(2004年)小学校に入学し元気に通学している。第6例目は2002年7月30日に行った17歳女性の亜急性型劇症肝炎(自己免疫性肝炎)症例である(ドナー:母親44歳,右葉グラフト)。意識は第2病日までにほぼ回復し,第4病日まで順調な経過をたどっていた。しかし,第6病日突然,超音波ドップラー検査で門脈血流の消失が見られた。同日のCTAPにて,グラフトは前区域を中心とした広範囲の門派血流不全域が示された。その後,肝の梗塞巣は前区域の肝表面領域に限局し,肝機能の回復が見られたが,多剤耐性菌による重症肺炎を併発し,第49病日死亡となった。第7例目は2003年3月17日に行った59歳男性の肝癌合併肝硬変症例(HCV陽性)症例である(ドナー:三男26歳,右葉グラフト)。Child-Pugh Cであり,S8に4個,S5に1個,計5個の小肝細胞癌を認めた。ドナー肝右葉は中肝静脈による広い環流域をもっていたため,中肝静脈付きの右葉グラフトとなった。術後は非常に順調な経過をたどり,インターフェロン投与によりC型肝炎ウイルスのコントロールを行い,移植後1年3ヶ月を経過したが,肝癌の再発も見られず順調な経過をとっている。第8例目は2003年8月11日に行った55歳男性の肝癌合併肝硬変症例(HBV陽性)症例である(ドナー;妻50歳,右葉グラフト)。Child-Pugh Cであり,S2に1個,S3に1個,計2個の小肝細胞癌を認めた。グラフト肝は470gであり過小グラフト状態となることが懸念されたため,門脈一下大静脈シヤントを作成した。術後はHBV Immunoglobulin,ラミブジン投与により,B型肝炎ウイルスは陰性化し,順調に肝機能は改善し合併症もなく退院となった。現在移植後10ヶ月が経過したが,肝癌の再発も見られず順調な経過をとっている。ドナー8例全員において,血液及び血液製剤は一切使用せず,術後トラブルもなく,20日以内に退院となっている。また肝切除後の後遺症も見られていない。