著者
栗山 直人 鈴木 基之 伊藤 彰則 牧野 正三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.442, pp.55-60, 2006-12-15

PLSAは言語モデルの文脈適応に一般的に用いられる手法である.このPLSAの新しい利用方法を提案する.PLSA言語モデルの語彙を「話題語」「文型語」「汎用語」の3クラスに分割し,話題語PLSAモデルと文型語PLSAモデルを別々に学習・適応した後に3つのモデルを統合する.また新聞記事とCSJ間での品詞分類の出現パターン変化に基づいた,語彙分割基準の自動生成を提案する.評価実験では話題と文型の特徴が学習データで共起していないテキストについて,従来のPLSA言語モデルと比べ15.48%のperplexity削減が得られた.
著者
栗山 直人 鈴木 基之 伊藤 彰則 牧野 正三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.12, pp.37-42, 2006-02-04
被引用文献数
3

PLSAは,文章の特徴「話題」を反映した言語モデルを構築する手法である.このPLSA言語モデルの拡張を提案する.前半ではPLSA言語モデルの学習について,既存の複数の方法を比較し,EMアルゴリズムのアニーリングスケジュール最適化についての検討を行う.後半ではPLSA言語モデルを内容語モデルと機能語モデルに分割し,話題(トピック)と話し方(スタイル)を,別々に学習・適応することで従来のPLSA言語モデルよりもより柔軟な言語モデル適応を試みる.その結果学習最適化についてはβを1.0 から特定の値に向けて減少させるアニーリングスケジュールが最適という結果が得られた.内容語・機能語に分割したモデルについてはtrigramに対するPerplexityが従来のPLSA言語モデルの83.90% から82.23% へ改善した.PLSA is a method of composing language model which can reflect the global charactetistics of linguistic context as "topic". We propose more extention of PLSA language model. First, we compare the conventional learning methods of PLSA language model, and examine the optimization of EM annealing schedule. As a result, we found that the best method is to reduce β from 1.0 to some special value. Next, we compose a PLSA language model whose vocabulary set is divided, into content words and function words. Then training and adaptation to topic or style are performed separately. In the experiment, we acheived 82.23% perplexity reduction against conventional way 83.90%.
著者
安藤 芳明 栗原 眞幸 鈴木 基之 宮下 元 長谷川 紘司
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.825-836, 1986-09-28

歯周病変に外傷性因子が加わると歯周組織の破壊は著しいものとなることが知られている。外傷性因子のなかでも Bruxism はその加わる力の大きさや持続時間, 作用方向などが特に歯周組織に影響を与える点で問題視されている。我々は, 浦口が開発した歯ぎしり音の録音装置, Grinding Monitoring System (以下, G.M.S. と略す。) を用いて, 録音した歯ぎしり音を FFT アナライザーにて解析, 検討した。被験者6名は, 実験前に歯周組織を健全な状態に近づけ, 装置, アンケート, テープを白宅に持ち帰らせた。起床時に, 就寝時刻, 起床時刻, アンケートへの答を録音させた。一カ月つづけた後回収し, 時系列波形と周波数成分について検討した。その結果, 客観性に乏しく区別しずらい歯ぎしり音も, 時系列渡形, 周波数成分の特徴から, 分類可能であることがわかった。さらに歯ぎしりには, 個人のリズムが存在すると思われる所見が観察された。
著者
上田 雅俊 山岡 昭 前田 勝正 青野 正男 鈴木 基之 長谷川 紘司 宮田 裕之 鴨井 久一 楠 公仁 池田 克巳
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.223-235, 1988-03-28
被引用文献数
11 1

塩酸ミノサイクリン(MINO)を2% (力価)含有する歯周炎局所治療剤(LS-007)を歯周ポケットに1週間隔で4回連続して投与する群と,2週間隔で3回連続して投与する群の二群に分け,46名の歯周炎患者に投与し,その臨床的有効性,安全性,有用性ならびに細菌学的効果を検討した。その結果,両群ともに歯肉炎指数,ポケットの深さなどの臨床症状がLS-007投与後に有意な改善を示すのと同時に,歯周ポケット内に生息するB. gingivalisをはじめとした歯周病原性細菌であるとされているものを効果的に消失せしめた。また,安全性では軽度の不快感が1例に認められたのみであった。一方,それらの細菌に対するMINOおよび他の抗生物質のMICを測定した結果,MINOは他剤よりも強く幅広い抗菌性を有することを認めた。以上の結果より,LS-007は歯周炎治療において臨床的ならびに細菌学的に有効かつ安全で有用性の高い製剤であることが確認できた。
著者
伊藤 彰則 王 欽悦 鈴木 基之 牧野 正三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.50, pp.41-46, 2005-05-26
参考文献数
9

自然な対話の映像の中から笑いを検出するための手法について述べる。笑いは対話中の表情としてもっとも多く見られるものであり、これを検出することはユーザの心的状態の推定にとって有用であると考えられる。また、笑い声を高精度に検出できれば、対話音声の認識誤り削減に有効である。本稿では、カメラで撮影したユーザの顔から表情を認識する手法と、マイクで収録したユーザの音声から笑い声を検出する手法を組み合わせることで、笑いの検出精度を向上させる方法を検討する。顔画像による表情認識では、顔の特徴点検出に基づく特徴量を用い、特定話者の場合で再現率・適合率とも80%以上の精度で自然な対話映像から笑いの表情を認識することが可能になった。また、GMMによる音声の識別と画像情報を組み合わせた笑い声の検出手法を提案した。実験結果より、音声と画像の統合により適合率が向上することが示され、最終的には再現率・適合率とも70%以上の値が得られた。This paper describes a method to detect smiles and laughters from the video of natural dialogue. A smile is the most common facial expression observed in a dialogue. Detecting a user's smiles and laughters can be useful for estimating the mental state of the user of a spoken-dialogue-based user interface. In addition, detecting laughter sound can be utilized to prevent the speech recognizer from wrongly recognizing the laughter sound as meaningful words. In this paper, a method to detect smile facial expression and laughter sound robustly by combining a image-based facial expression recognition method and an audio-based laughter sound recognition method. The image-based method uses a feature vector based on feature point detection from face images. The method could detect smile faces by more than 80% recall and precision rate. A method to combine a GMM-based laughter sound recognizer and the image-based method could improve the accuracy of detection of laghter sounds compared with methods that use image or s und only. As a result, more than 70% recall and precision rate of laughter sound detection was obtained from the natural conversation videos.
著者
鈴木 基志 高橋 耐志 原井 洋明 小関 健
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J88-B, no.8, pp.1411-1421, 2005-08-01

波長変換装置の導入は,ネットワーク全体の装置コストや管理コストの削減につながる可能性がある.経路上の各リンクで異なる空き波長を用いてパスを設定し,波長の有効利用ができるからである.本論文では,近年多くの研究がなされている,波長パスと波長群パスの二階層による階層型光パスネットワークにおいて,波長変換装置の導入によるコスト最小構成を検討する.我々は,複数の波長パスを波長群にグループ化するときと波長群パスを分解するときのみに波長変換を許すこと,及び,それを実現するノード構成を提案する.整数線形計画法により階層型光パスネットワークの最小化問題を定式化し,問題を明確にする.多ノードのネットワークでも適用可能なヒューリスティックアルゴリズムを導入して,提案ノード構成によって有意なコスト削減効果が得られることを示す.その結果,波長変換のコストが光スイッチコストの20%程度であれば全体のコスト削減につながること,及び,ノード数がふえるほど,ノードコスト削減効果を得られることが分かった.40ノードネットワーク,波長多重数16,波長変換のコストがスイッチコストの10%という条件では,提案ノード構成は,波長群を導入しない場合よりも34%のコスト削減効果,波長変換を導入しない場合よりも10%のコスト削減効果が得られることが分かった.