著者
鈴木 基子
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.100, no.9, pp.598-606, 2005

近年, 日本酒の海外輸出量の伸びが著しく増えており, 国税当局も輸出促進セミナーを開催するなどの支援を表明している。本稿では, アメリカ在住の筆者に, 現在のアメリカにおける日本酒事情を流通の面からご紹介いただいた。日本酒メーカの方だけでなく, 様々な立場の方にも参考になる解説である。
著者
内藤 英樹 白濱 永才 秋山 充良 高田 真人 鈴木 基行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.698-712, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
45

SRC柱の正負交番載荷実験により,H形鋼の割合が多いSRC柱は,H形鋼フランジの局部座屈が生じた後に鋼材が破断することで脆性的に耐力を失うことが報告されている.本研究では,破断の前段階であるH形鋼の局部座屈を終局としたSRC柱の靭性能評価法を提示した.コンクリートに拘束されたH形鋼の座屈性状に着目し,3辺固定-1辺自由の支持条件を仮定した平板の弾塑性座屈モデルにより,H形鋼フランジの座屈時ひずみを定式化した.さらに,この座屈時ひずみを基に部材軸方向の曲率分布を定め,これを二階積分することで座屈時変位を算定する.そして,FEM解析や正負交番載荷実験と比較することで,提案手法はSRC柱でのH形鋼の座屈時変位やフランジの座屈長などを妥当に評価できることを確認した.
著者
川西 琢也 川島 博之 茅原 一之 鈴木 基之
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.180-188,162, 1990-03-10 (Released:2009-09-10)
参考文献数
13

土壌浄化法の大きな問題点のひとつである目詰まりについて, その機構の解明と, 浸透不良を防ぐための排水供給量の推算を試みた。まず, 微生物が土壌透水係数に及ぼす影響を, カラム実験により実測した。土壌中の微生物密度には最大値が存在し, それに対応する最小の透水係数が求められた。次にトレンチを模擬した小型の実験装置で, 人工下水を定水頭差で浸透させ, 浸透水量の減少を追跡した。浸透水量は20日程度で定常状態となった。カラム実験の結果と, 土壌中の微生物分布, TOCのバランスから, 目詰まりの機構を明らかにした。さらに, 以上の知見をもとに数理モデルを作成し, 浸透不良を生じないための排水供給量を推算した。計算の結果, BOD100mg・l-1の排水に対して, 40l・m-1 (trench) day-1という許容排水供給量が得られた。
著者
鈴木 基子
出版者
日本中国語学会
雑誌
中国語学 (ISSN:05780969)
巻号頁・発行日
no.239, pp.p134-143, 1992-11
著者
田中 彩 下野 隆一 今大路 治之 鈴木 基生 桑原 知巳
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.1095-1098, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

私たちの身体には多数の常在菌が存在し、正常細菌フローラを形成している。このうち腸内フローラは生体機能に深く関与しており、宿主と共生しながら様々な生理作用を示すことが知られている。腸内フローラは疾病の発症にも関連があるとされており、その構成と機能が大きく注目されている。従来は培養法による解析が行われてきたが、近年のシークエンス技術の進歩により腸内フローラの全貌が解明されつつある。腸内フローラの解析は個人の健康指標ともなり得るといわれており、短腸症候群などの腸管不全患者における腸内フローラの構成は健常者と大きく異なると予想される。これらの患者において、腸内フローラを是正し、正常な腸内フローラを形成・維持することは腸管機能を最大限に発揮するために重要であると考える。
著者
三品 賢一 土屋 誠司 鈴木 基之 任 福継
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.91-110, 2010
被引用文献数
5

発話文を感情ごとに分類したコーパスを構築し,入力文と最も類似度が高い発話文を含むコーパスの感情を推定結果として出力する用例ベースの感情推定手法が提案されている.従来手法ではコーパスを構築する際,発話テキストの収集者が個人個人で発話文の分類先を決定しているため,分類先を決定する基準が個々によってぶれてしまう.これにより,例えば"希望"のコーパスの中に喜びの発話文が混じるといったことが起こり,推定成功率を下げてしまう.本稿ではこの問題を解決するため,コーパスごとにおける入力文の形態素列の出現回数を用いて,入力文とコーパスの類似度を定義する.そしてこの類似度を従来手法に導入した新たな類似度計算式を提案する.これにより,誤って分類されてしまった発話文の影響を緩和することができる.評価実験では従来手法と比べて成功率が 21.5 ポイント向上し,提案手法の有効性が確認できた.
著者
市川 拓人 鈴木 基之 伊藤 彰則 牧野 正三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.81, pp.33-38, 2007-08-01
被引用文献数
3

本稿では,ピッチ抽出を行わないハミング入力楽曲検索システムについて検討する.ピッチ抽出は,どれほど高精度なものでもピッチ抽出誤りを避けることができず,検索精度を低下させる原因となっている.本システムでは,従来用いられているデルタピッチの代わりに,2つの対数周波数領域パワースペクトルの相互相関関数を音程特徴量として用い,さらに楽曲中に存在しているであろう全音程の確率モデルを用意しておく.連続する2つの音符が観測された時,この特徴量と確率モデルを用いて,全音程についての尤度を計算する.このシステムの利点は,統計的なモデル化を行うことにより,ピッチ抽出誤りのような致命的な誤りを起こしにくいということである.そして実際に検索実験を行ったところ,ピッチによる検索精度を最大4.9%上回る結果となった.This paper describes a query-by-humming (QbH) music information retrieval (MIR) system without pitch extraction. In pitch extraction based system, pitch extraction errors inevitably occur that degrades performance of the system. In this system, a cross-correlation function between two logarithmic frequency spectra is extracted as a tonal feature instead of deltaPitch, and probabilistic models are prepared for all tone intervals assumed to exist in the music. When two signals corresponding to two contiguous notes are given, likelihoods are calculated for all possibility of tone intervals. The advantage of this system is that it is hard to occur a fatal error such as a pitch extraction error because extracted features are modeled stochastically. From a experimented result, the top retrieval accuracy given by the proposed method have exceeded the system based pitch extraction by 4.9 %.
著者
居村 史人 劉 小軍 根本 俊介 加藤 史樹 菊地 克弥 鈴木 基史 仲川 博 青柳 昌宏 五味 善宏 斉藤 伊織 長谷川 弘
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第25回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.229-232, 2011 (Released:2014-07-17)

Auナノ粒子をHe不活性ガスで搬送し、基板上のレジストホールに対してノズルから高速にAuナノ粒子を堆積させると、ホール底面部のみならず、ホールエッジ部にもAuナノ粒子が堆積しひさしを形成する。このひさしが成膜過程においてホールを狭窄する方向に成長することで自己形成的に錐形状のバンプがホール内に作製される。このときのひさしの成長過程をレジストホール近傍におけるHeガス挙動のシミュレーションと合わせて考察した。また、φ10μmサイズのAu錐形バンプ作製し、対向する基板上のAlもしくはAuパッドにフリップチップ接合し、バンプ接合部の断面SEM観察、ディジーチェーン接続による直列抵抗を評価した。
著者
飯田 敬輔 鈴木 基史
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

比較研究から明らかになった点は多数ある。投資仲裁についていえば、確かに国家のゲートキーピング作用がないため、多数の案件が付託される傾向が強いが、しかし企業はこの仲裁に頼る以前に国家と直接交渉を行い解決に努めるため、これらの仲裁に持ち込まれるのは、ほとんど交渉では解決不可能な案件である傾向が強い。多くの国家は仲裁勧告を履行するが、それができない国家は長期にわたり引き延ばし工作をしていることが明らかとなった。国際司法裁判所については、確かに経済問題のほうが解決する傾向は強いが、意外なことに境界紛争、特に海洋の境界紛争についてはそれが特別協定により国際司法裁判所に付託され、かつ判決履行の確率も高いことが分かった。
著者
清水 徹 横川 明 鈴木 基光 中村 育雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.51, no.469, pp.2908-2915, 1985-09-25
被引用文献数
1

種種の乱れ発生要素を入り口に設けたく形断面流路における繊維懸濁液流れの濃度むらを比較的高い濃度にわたって測定し,その管軸方向への分布や平均濃度および平均流速に対する依存症について検討した.この結果,流れの乱れによる濃度むらの減少には限界値が存在すること,また十分に発達した流れ場における繊維懸濁液の濃度むらは非ニュートン流体の広義のレイノルズ数で整理できることが明らかになった.
著者
鈴木 基史
出版者
財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.155, pp.155_1-17, 2009-03-20 (Released:2011-07-10)
参考文献数
55

The Westphalian norms of state sovereignty, sovereign equality, and noninterfbrence are under great pressure for change. To improve the normativity of the international system, significant empowerment has taken place within international human rights law, humanitarian law, and liberal economic law, each of which seeks to remedy moral and distributive injustice associated with the Westphalian system. However, the transformation to a post-Westphalian liberal norm system is incomplete at best: many states still give priority to state sovereignty over human rights, cultural relativism over universalism, and protectionism over liberalism to justify their nationalistic behavior. As a consequence, the current system remains confusingly complex and pluralistic, containing both Westphalian and post-Westphalian elements.In general, norm change is explainable by three principles of human behavior: the logic of appropriateness holds that norm change emerges along with change of social facts defined intersubjectively by states' political elites; the logic of consequences focuses on the coordinating function of norms in promoting states' joint interests; and the logic of coercion emphasizes the endogeneity of norms to international power structures. These principles constitute analytical cores of major international relations theories, including social constructivism, rational institutionalism, and political realism, respectively.Yet, scholars disagree on the current status of international norms and hold varying opinions on causes and consequences of norm change. Having outlined basic concepts and theoretical frameworks for analysis, this essay suggests that, unless carefully executed, analyses of norm change may suffer from methodological problems of underdetermination, selection bias, and fallacious attribution. Given the imperfect nature of theory and human society, researchers need to focus on the relative rather than absolute validity of competing theories, by finding the conditions under which theories are descriptively superior to their alternatives. The essay concludes by stressing the imperative to bridge theoretical divides to improve our understanding of contemporary global politics that has been undergoing major normative transformations.
著者
鈴木 基之 迫田 章義 藤江 幸一 花木 啓祐 黒田 正和 梶内 俊夫 岡田 光正
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、使用水のリサイクル推進が、異なる局面で招く恐れのある処理設備および資源・エネルギー消費の増大を定量的に解析し、トータルな環境負荷を増大させない効率的な水再利用プロセス像を明らかにするとともに、そのための今後の技術開発の方向に関して提言を行うことを目的としている。水多消費型の主要産業に対してその排水量・排水性状、現状処理方法、処理水質、リサイクル状況およびエネルギー消費などについて調査を実施した。この調査結果に基づいて、排水および処理水の水質、処理方法と所要エネルギーの関係を示し、エネルギー消費の観点から今後のCOD削減、すなわち処理水質向上目標の設定および処理プロセスの選択のための指針を提案した。生活・事務系排水の循環利用状況の調査結果をもとに、各排水処理システムの設計条件と製造コストを検討し、水の処理レベルと再生水の用途、単位操作の組み合わせ方法とエネルギー消費との関係を解析した。中水道用の水処理プロセスに対して二酸化炭素排出量を指標にライフサイクルアセスメントを行い、膜分離方式は設置面積が小さく、処理水質が優れているが、建設時と運用時の環境負荷が大きいことが定量的に明らかになった。雨水利用についても、ある実例についてその業績を詳細に検討し、処理コストとエネルギー消費の解析を行うとともに、大規模建築物における雨水の利用における水のバランスなどを検討した。加えて、最も広く利用されている好気性生物処理法や、今後導入が期待される生物活性炭処理法と膜分離法などについて、その処理対象物質および処理最適濃度・到達できる処理水質・所要エネルギーとコストについて定量的評価を行い、エネルギー効率を向上できる操作条件を示した。さらに、既存の窒素・リン除去技術の適用範囲、処理能力とエネルギー消費特性を明らかにし、最適な窒素・リン除去方式を選択するため基礎データが得られた。
著者
吉田 和男 井堀 利宏 石黒 馨 竹内 俊隆 鈴木 基史 依田 高典 江頭 進 橋本 敬 瀬島 誠 藤本 茂 遊喜 一洋 秋山 英三 八横 博史 山本 和也 中川 真太郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

テロや紛争、環境破壊、通商摩擦、金融危機といった今日の世界の秩序を脅かす諸問題は、相互に複雑に関連しあっているため、その解決には従来の個別対応的な方法では不十分である。本研究は、これら諸問題を総合的に分析し処方箋を提示するため、グローバル公共財(GPG)概念に依拠したシミュレータ(GPGSiM)を構築し、世界規模での秩序形成に必要なメカニズムを理論的・実験的に解明して、政策提言に役立てることを目指した。
著者
眞柄 秀子 井戸 正伸 新川 敏光 鈴木 基史
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

構造改革と政治変化に関する日伊比較研究の国際研究集会をミラノ大学と早稲田大学でそれぞれ2回ずつ開催し、最終的な研究成果としてStructural Reforms in Italy and Japan Revisited-Riforme Strutturali in Italia e Giappone : Una Riflessione Critica, The Japan Society for the Promotion of Science Grant-in-Aid for Scientific Research (B) #18402014, Hideko Magara, Waseda University, 18 March 2010, 196p.にまとめた。