著者
高木 正則
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.62-65, 2018-12-15

情報処理学会では,2017年8月末から教員研修の講師紹介の相談窓口を設置している.本記事では,この相談窓口に最初に講師紹介の依頼があった青森県の教員研修(小・中学校プログラミング教育研修講座)について報告した.研修は2018年8月28日に青森県総合教育センターで行われた.講義後の事後アンケートでは,「企業・団体や地域等との連携について,今後希望する連携方法や支援してほしい内容」として,IT機器や教材等の貸し出し(5名),支援員等の派遣(4名),研修(4名),などの回答があり,2020年度から始まる小学校でのプログラミング教育に向けて,教員への支援体制の充実が必要不可欠であることが伺えた.
著者
中村祐基 中島裕聡 高木正則 山田敬三 佐々木淳
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.863-865, 2014-03-11

近年,大学生の就職活動と企業の採用活動のミスマッチが問題となっている.学生は大企業志向の傾向が強く,普段あまり目につかない業種や中小企業に目を向けて採用先を探しきれていない.本研究では,企業が求める人材像と学生の適性とのマッチング支援を目的とし,就職活動支援システムを提案する.本システムは,学習成果物と学生のスキル向上過程の気づきを記録するeポートフォリオと,企業の採用ページから特徴語を抽出し,その特徴語とeポートフォリオに蓄積された学生の能力(社会人基礎力等)スコアとの適合性に基づいて,マッチング度合を提示する機能から成る.本稿では,本システムの概要とプロトタイプシステムの開発について述べる.
著者
藤本 直也 菅原 遼介 高木 正則
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.74-81, 2016-08-15

大規模CGM(consumer generated media)コミュニティでは,ユーザがコンテンツを作成し続ける必要がある.特にオンラインコミュニティでは,面識のない膨大な数のユーザを管理し,コミュニティを維持・活性化することは容易ではなく,面識のある知り合いベースのコミュニティとは異なる運営が必要となる.本研究では,持続可能なCGMコミュニティの構築を目的とし,流入,突破,継続,転換の4つの概念ループからなるCGMコミュニティ育成モデルを提案する.また,プログラミングに関する問題解決支援サービスteratailに本モデルを適用した.その結果,本モデルがCGMコミュニティの育成管理に有効であることが示唆された.同時に,定性的な側面であるコミュニティで生成されるコンテンツの品質管理についても考察し,コンテンツの品質を上げるためには,コンテンツ投稿者にコンテンツに対するフィードバックを与える手法が有効であることを示した.しかし,コンテンツ品質の向上施策は短期的かつ定量的なコミュニティの育成とは反比例することがわかった.以上より,持続可能な大規模オンライコミュニティの運用には,コミュニティを支えるプラットフォームの機能を充実化させる施策と,コミュニティの運用ルールを充実化させる施策の2 つの観点が必要不可欠であることを明らかにした.
著者
高木 正則 若林 俊郎 勅使河原 可海
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.125-128, 2009
被引用文献数
1

我々は学習者が問題を作成し,その問題をグループ内で相互に評価できるWBTシステム「CollabTest」を開発してきた.CollabTestでは,学生が作成した問題を利用して確認テストを出題することもできる.本研究では,CollabTestを小学校5年生に利用してもらい,作問と相互評価,確認テストの解答を実践した.実践の結果,4割の児童がオンラインテストを繰り返し解答し,知識の定着に役立てていたことや,作問や相互評価活動を通して四字熟語の問題を解くことが得意になった児童が増加したことなどが示された.
著者
高木 正則
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.e32-e44, 2023-01-15

本稿では,情報Iの「3.コンピュータとプログラミング」で学ぶことになっている「モデル化とシミュレーション」分野の問題として,2020年11月に公開された「情報」試作問題(検討用イメージ)の第4問「交通渋滞シミュレーション」について解説する.
著者
高木 正則
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.62-65, 2018-12-15

情報処理学会では,2017年8月末から教員研修の講師紹介の相談窓口を設置している.本記事では,この相談窓口に最初に講師紹介の依頼があった青森県の教員研修(小・中学校プログラミング教育研修講座)について報告した.研修は2018年8月28日に青森県総合教育センターで行われた.講義後の事後アンケートでは,「企業・団体や地域等との連携について,今後希望する連携方法や支援してほしい内容」として,IT機器や教材等の貸し出し(5名),支援員等の派遣(4名),研修(4名),などの回答があり,2020年度から始まる小学校でのプログラミング教育に向けて,教員への支援体制の充実が必要不可欠であることが伺えた.
著者
周藤 祐汰 高木 正則 市川 尚
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.114-117, 2021-08-21

高等学校の次期学習指導要領で新設される科目「情報I」の研修用教材に対応した,ブラウザ上で動作するオンラインプログラミング環境の開発を行った.本環境では,WebAssembly 上で実装された Python コンパイラ,Pyodide を用いることにより実行結果がサーバを介さずに受け取ることができる.そのため,生徒全員が一斉に演習用サーバにアクセスするための十分なネットワーク帯域を確保できない場合でも,プログラミングの演習を実施できることが期待される.
著者
石川 晴香 高木 正則 市川 尚 森本 康彦
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.45-52, 2021-08-21

著者らの大学では,数学リメディアル科目を反転授業形式で実施している.この科目では,毎回の授業の中で著者らが開発した学習計画作成支援システムを利用し,授業外学習の学習計画や学習記録を登録させている.これまでの実践では,本システムによる学習目標の達成に結びつく,実行可能性の高い学習計画の作成の支援ができていなかった.本研究では,学習計画力の向上を目的とし,過去の学習計画の実施状況の客観的な把握を促す振り返り支援機能を開発した.また,2021 年度前期に本学で実施された数学リメディアル科目において,本システムの利用実験を行った.システム評価の結果,ダッシュボードと関連付けて振り返りをさせることで,過去の学習計画や学習記録等のデータに基づいて,より実行可能性の高い学習時間に学習を計画できるようになったことが示唆された.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 富澤 浩樹 阿部 昭博 高木 正則
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.763-764, 2020-02-20

本学部ではeラーニングによる入学前教育を実施しており,課題にはプログラミングに関する内容も含まれている.しかし,受講対象者である高校生のプログラミング能力にはばらつきが見られることが分かっている.そこで,本研究では高校生をチューターと学習者に分け,チューターに学習者の課題に対してフィードバックを行ってもらうことにした.その際,学習者が課題を提出するまでの作業を記録してチューターに提示するシステムを開発し,適切な指導が行えるように支援した.本稿ではシステムの試行結果とチューターに行ったアンケート結果について述べる.
著者
佐々木 優 高木 正則 山田 敬三 佐々木 淳
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.745-746, 2018-03-13

近年,農作物の品質と生産性の向上や農作業の省力化を目的として情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業が進められている.しかし,スマート農業の導入においてはICTを扱う人材の不足が課題となっている.そこで,我々は次世代農業人材の情報活用能力の向上を目的とした研修プログラムと教育支援システムを提案する.本研究では,、文部科学省で定義されている情報活用能力を基盤とした上で,スマート農業を前提とした農業版情報活用能力を定義し,それに対応した研修プログラムの検討と教材の開発を行った.本稿では,農業高校を対象とし,センサから得られた圃場の環境情報を利用した教材の内容と,提案システムを用いた教育方法についても紹介する.
著者
小菅 李音 高木 正則 市川 尚
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.31-38, 2020-12-12

著者らの大学では,数学リメディアル科目を反転授業形式で行っている.この科目では,授業の最初に著者ら が開発したチャットボットを利用し,予習で利用した e ラーニング教材や予習の学習内容について,学生自身が理解 の足りていないと考えている箇所を対話形式で回答させている.これまでの実践において,理解不足箇所の抽出が不 十分であるものの,抽出した理解不足箇所に対してシステムと人による支援を混ぜて学習支援を行うことで学生の理 解度向上に繋がることが示唆されている.本研究では,反転授業における学生の理解度の向上を目的とし,チャット ボットを利用した数学のつまずき箇所の理解を支援する学習支援システムの改善を行った.また,2020 年度前期に本 学で実施された数学リメディアル科目において,オンライン授業下と対面授業下で本システムの利用実験を行った. システム評価の結果,本システムにより学習者の理解不足箇所に応じた学習支援を素早く行うことが可能となり,学 生の理解度を深めることに繋がることが示唆された.
著者
小菅 李音 高木 正則 佐々木 淳 山田 敬三
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.613-614, 2018-03-13

近年,MOOCの出現により,講義映像を利用した反転授業の実践も行われている.著者らが所属する大学においても教科書や演習問題を含むeラーニング教材に加え,重要部分の補足説明のために独自に制作した講義映像を公開して反転授業を行っている.この映像は前年度までの授業評価アンケートに基づいて制作しているが,これだけでは詳細なニーズを十分に把握しきれていない問題がある.そこで,本研究では,新規映像の制作や既存映像の改善に対する詳細なニーズを抽出するために,チャットボットを利用したニーズ抽出支援システムを提案する.具体的には,学習ログ,映像視聴ログ,チャットログを分析することで,詳細なニーズの抽出を試みる.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 高木 正則 富澤 浩樹 阿部 昭博
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-151, no.5, pp.1-8, 2019-09-28

本学部では e ラーニングによる入学前教育を実施しており,プログラミングの課題も含まれている.本研究では,受講対象者である高校生をチューターと学習者に分け,学習者が作成したプログラムに対して,チューターが確認を行うためのオンライン上の学習環境を構築した.そのシステムは,学習者がビジュアル型言語でプログラムを作成して提出するまでの履歴を記録し,チューターがプログラムや履歴を確認して学習者にフィードバックを行うことを支援する.構築した学習環境を用いて入学前教育で試行した結果,チューターの確認とフィードバックにより,学習者のプログラムの改善が見られた.一方で,履歴を提示することはチューターの役に立っていたが,プログラムの確認やフィードバックには不十分な点が見られるなどの課題が残った.その課題を踏まえ,システムの改善について検討した.
著者
高木 正則 瀬戸山 光宏
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.32, pp.215-220, 2018-08-12

近年,スマートフォンの急速な普及により,若者の PC 離れが進み,PC の利用スキルの低下が懸念されている.しかし,PC の利用スキルがどの程度変化しているのかは明らかになっていない.そこで,本研究では,Word,Excel,PowerPoint の MS-Office の操作スキルの実態を明らかにすることを目的とし,著者らが開発したコンピュータ適応型テストを利用して大学入学時の MS-Office 操作スキルを調査した.調査は 2018 年 4 月~5 月にかけて 4 つの大学で実施し,大学 1 年生約 2000 人の MS-Office 操作スキルを測定した.また,日常の ICT 機器の活用等に関するアンケート調査も同時に実施した.調査の結果, Excel は Word,PowerPoint に比べ,能力差が大きいことが確認され,PC を所有していない学生の MS-Office 操作スキルが低い傾向にあった.一方,スマートフォンの使用開始時期と能力値との関連は確認されなかった.さらに,PC の操作が「苦手」と答えた学生の能力値が最も低く,「得意」,「少し得意」と答えた学生の能力値が高いことが示された.
著者
高木 正則 河合 直樹 大信田 侑里 鈴木 雅実 木村 寛明
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.70-82, 2018-02-20

協調学習では,複数のグループが同時並行で学習を進めるため,教員が各グループの学習の進捗を把握するのは困難である.そのため,教員は各グループで行われた話し合いの内容や,学習課題の達成に対する各学習者の貢献度を把握することは難しい.本研究では,協調学習における各学生の学習課題の成果に対する貢献度の可視化を目的とし,協調学習時の発話に含まれる特性語の出現頻度に基づいた貢献度推定手法を提案した.実際の授業で記録した協調学習時の音声データから本提案手法により推定した貢献度と,協調学習の様子を撮影した映像を教員が閲覧して評価した貢献度の相関係数を分析し,本手法で推定された貢献度の妥当性を検証した.その結果,本提案手法で推定された貢献度は,教員が評価した貢献度の約半数と一致しており,中程度の相関があることが確認された.また,本提案手法は音声認識の精度が低くても,貢献度の推定精度が低くならないことが示され,学生1人1人の発話を正確に記録・認識することが困難な協調学習の場面で有効に活用できることが期待できる.
著者
中山 晃 高木 正則 勅使河原 可海
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2011-CSEC-52, no.33, pp.1-6, 2011-03-03

本研究では,CollabTest と呼ばれる WBT システムの相互評価活動に関する問題に着目している.このシステムでは,学生が問題を作成する事や,作成された問題を相互に評価する事が可能である.授業外の時間に行われたこの相互評価活動は,約 70% のグループで非常に低い活動レベルの相互評価やコメント活動が行われていた事がわかった.そこで,相互評価活動への参加の偏りを解消するための方法として,グループ編成方法の改善に着目した.グループ学習におけるグループ編成の研究では,学生の性格特性がグループ編成において考慮されていた.我々は代表的な性格検査法であるビッグファイブによって抽出された学生の性格と,学生のコメント数との関係性を分析することで,いくつかの性格因子が相互評価やコメント活動の活動レベルに関連する可能性があることがわかった.
著者
勅使河原 可海 望月 雅光 高木 正則 南 紀子 関田 一彦 安野 舞子 川崎 高志
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、問題を作成することによって学習する学習手法において、教科書等から問題にできる箇所を探す作業や、作成した問題を見直す作業が、学生自身が感じる主観的な学習の役立ち度合いの向上に寄与できることが示唆された。また、学生による作問が可能な学習支援システム「CollabTest」の効果的な活用方法として、(1)授業内で作問と相互評価を実施する方法、(2)複数の科目を連動させた方法、(3)システム上の演習と教室の演習を融合させた方法、等が明らかになった。