著者
長谷 隆司 中山 武典 尾関 寿美男 坂西 敏之
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.93-97, 2012 (Released:2012-10-31)
参考文献数
11

超電導マグネットによる7.0 Tの磁束密度の磁場を印加することによって,通常の磁場を印加しない場合(NMT)に比べて,流動水中の普通鋼板のさびをより抑制できることが判明した.X線回折の定量分析結果は,さびの抑制に役立つと見られるアモルファスやナノサイズのさびの結晶の量の増加に,水の磁気処理(MT)が有効であることを支持している.NMTとMTの両方の場合で流動水が流れる配管の内部をモニタする実験を行って,MTの場合に配管内の鉄さびの付着をより抑制することがわかった.
著者
楠 比呂志 長谷 隆司 佐藤 哲也 土井 守 奥田 和男 上田 かおる 大江 智子 林 輝昭 伊藤 修 川上 茂久 齋藤 恵理子 福岡 敏夫
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.25-30, 2006
参考文献数
29
被引用文献数
3 3

国内の3施設で飼育されていた18頭の成熟雄チーターから,経直腸電気射精法で採取した31サンプルの精液の性状を分析した。なお18頭中13頭は,繁殖歴がなかった。18頭の雄の精液の性状は,精液量が0.91±0.11ml,精液pHが8.1±0.1,総精子数が32.6±5.4百万,生存精子率が84.9±1.9%,精子運動指数が53.7±3.8,形態異常精子率が66.1±3.4%,正常先体精子率が68.5±5.1%で,これらの値は,他のチーターにおける報告値の範囲内であった。繁殖歴がある雄とない雄の精液を比較したところ,先体正常精子率以外のパラメーターについては,両者間で有意な差はみられず,繁殖歴がない雄の正常先体精子率(59.8%)も致命的なほど低くはなかった。以上の結果から,飼育下の雄チーターにおける低受胎の主因が,精液性状の低さである可能性は少ないと考えられた。
著者
長谷 隆
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

歩行者や避難者の大規模集団である群集の巨視的挙動を予測する微視的モデルの構築とシミュレーションプログラムの開発を目的としていた。群集集団の微視的モデル構築の基礎となる実験を行い、その実験結果に基づいてモデリングを行った。そのモデルの計算機シミュレーションプログラムを構築し、実際の群集集団の挙動を予測した。以下の四つの場合の群集挙動を明らかにした。(1)教室からの脱出緊急時における教室からの脱出実験に基づいたモデリングによって避難学生の避難時間、避難軌跡、避難時間の位置依存性を計算し、実験結果を再現することを示した。(2)歩道橋や地下道で発生する群集移動停滞現象通勤ラッシュやイベントでの混雑回避を目的として、単純化したチャンネル対向流の実験観察を行い、その実験結果をもとにモデリングを行い、実験結果をシミュレートする計算機プログラムを開発した。(3)火災・地震等による停電時における暗闇での避難群集挙動上記の状況をモデリングするために、アイマスクを着用した避難群集の実験観察を行い、その結果に基づいて暗闇下での避難過程のシミュレーションを行った。(4)立って歩けない状況下での四つん這い移動避難群集挙動狭い空間や地震等で立って歩けない状況下での避難群集の実験観察を行い、その実験結果に基づいたモデルを構築し、計算機シミュレーションを行った。これら四つの典型的な避難群集挙動を微視的モデルでシミュレーションできることを明らかにし、開発した計算プログラムが有効であることを示した。
著者
増倉 秀一 端浦 宏俊 長谷 隆
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.55-63, 2009-02-25

速度制限区間を設けた場合の交通流への影響を研究する.二車線交通モデルでは車線変更を考慮した拡張最適速度モデルを適用する.速度制限区間を設けることによって交通状態や交通特性は大きく変化する.速度制限区間を設けた一車線交通は自由流,飽和流,混雑流と三つの異なる交通状態を示す.二車線交通においては車線変更条件を考慮すると交通状態は六つの領域に分けられる.一車線ならびに二車線交通では渋滞が発生する密度で交通流量が飽和し,速度制限区間の手前に不連続面が発生する.この不連続面前後の車間距離間の関係を明らかにした.
著者
増倉 秀一 田中 克典 長谷 隆
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.251-258, 2008-06-25
被引用文献数
1

二車線交通流における低速車による交通流への影響を研究する.車の追い越しと車線変更を考慮した拡張最適速度モデルを適用する.低速車によって交通状態や交通特性は大きく変化する.低速車を含む二車線交通流は三つの異なる交通状態を示し,その状態の間には自由流から渋滞流に転移する第一転移点と,渋滞流から混雑流に転移する第二転移点の二つの転移点密度が存在する.低速車の直前でのみ追い越し可能な二車線交通流を基にした一車線交通流の理論解析を行った.