著者
八幡 芳和 阿部 優子 角田 力彌
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.807-812, 2017-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

ペラグラは3D(dementia,diarrhea,dermatitis)と表現され,主としてビタミンの一種であるナイアシン(niacin)の欠乏により発症する疾患で,食糧事情の改善された現在では極めて稀な病態だが,本症例は単純糖質を主とした特殊な偏食による状態で発症した.診断,治療には精神神経症状や消化器症状など全身的な代謝障害の1つに,本症名称の皮膚科疾患が位置づけられていることの認識が重要である.
著者
阿部 優子 石川 雅子 会田 久仁子 小林 睦子 菊池 節子 半澤 明子 角野 猛 石村 由美子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.153, 2005

<BR>目的 福島県は地理的環境などから山間部の会津地方、平野部の中通り地方、海岸部の浜通り地方の3地域に区分される。これらの地域は気候風土が異なり、それぞれの食生活にも強い地域性が存在することが知られている。しかし、近年の高速交通網の発達、人的交流などによって、その地域性も解消しつつあることも考えられる。本調査は、近年の福島県内の食生活、食文化の地域性を魚介類の種類とその調理方法において、調査・考察することを目的として実施し、先に会津地方の魚介類調査結果について報告した。今回、いわき市での食生活の特徴、魚介類の調理・加工の特徴、更に、本地方独特の魚介類の料理・加工方法などの調査結果を報告する。<BR>方法 平成15年2_から_3月にアンケート調査及び聞き取り調査を併行して行なった。調査は福島県いわき市内に10年以上居住している18世帯で、調査対象者は各世帯の主たる調理担当者に対して行った。<BR>結果 いわき市は太平洋に面した地域で、小名浜漁港をはじめとして、多くの漁港が存在し、日々多種類の魚が水揚げされている。従って、日常食としては、多種の魚介類が刺身、煮魚、焼き魚などで食されていた。また、大量に水揚げされた魚介類は塩漬け、干物、みりん干しなどに加工して販売されており、各家庭において保存食として日常的に用いられていた。行事食としては正月・祭事時に「鮟鱇鍋」、「鯛の塩焼き」「喜知次の煮付け」などが食されていた。また、土用の丑の日に「鰻の蒲焼き」が食されていた。本地方独特の料理・加工法として、「秋刀魚のぽうぽう焼き」、「秋刀魚鍋」、「秋刀魚のみりん干し」、「秋刀魚のなめろう」、「鮟鱇鍋(鮟鱇のどぶ汁)」、「鮟鱇の供酢」、「どんこ汁」、「メヒカリの天ぷら」などが食されていることがわかった。なお、本地域では一世帯あたり年間平均42種類の魚介類を食し、平均78種類の魚介類調理法が存在した。
著者
加藤 雅子 會田 久仁子 阿部 優子 栁沼 和子 中村 恵子 津田 和加子 福永 淑子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぎたい日本の家庭料理」の主旨に賛同し,福島県内における伝統料理,及び郷土の家庭料理について文献を基に把握するとともに,調理担当者からの聞き書き調査を通して,地域の気候や風土から発生し,現在まで伝え継がれている料理,これからも伝承したい料理について知ることを目的とした。<br>【方法】前報と同様に,聞き取り調査の結果を基に,本報は福島県内の「主菜」について考察した結果を報告する。<br>【結果】会津地方ではにしんの山椒漬け,にしんの天ぷら,するめいかの天ぷら,鯉のうま煮,棒たら煮,さんまの麹漬けが食されていた。中通り地方の県北では身欠きにしんの煮物,ひき菜炒り,へそ大根の煮物,凍み大根の煮物や炒め物,凍み豆腐の煮物,県中では鮭の粕煮,あかはらの天ぷら,くきたちの煮びたし,葉たまねぎの煮物,県南では葉たまねぎの炒め物、凍み大根の煮物などが食されていた。浜通り地方の相双ではほっきの天ぷら,鮭の味噌焼き,いわきではさんまのぽうぽう焼き,さんまのみりん干し,めひかりのから揚げや天ぷら,うにの貝焼き,赤次の煮つけなどが食されていた。県内全域では,いかにんじん、味噌かんぷら、いなごの佃煮などが食されていた。新鮮な海産物が流通しにくい会津や中通りでは淡水魚やにしんなどの乾物を利用した料理が作られ,海に面した浜通りでは新鮮な魚介類が使用されていた。流通が発達した現代においても,にしんの山椒漬けや棒たら煮など伝え継がれている料理が多いことが分かった。また,中通りでは副菜に位置付けられるような野菜を使用した料理が主菜と同じ位置づけで食されており,主菜と副菜とに分類しにくいことが特徴であった。
著者
横田 和子 會田 久仁子 阿部 優子 加藤 雅子 石村 由美子 中村 恵子 津田 和加子 福永 淑子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぎたい日本の家庭料理」の主旨に賛同し,福島県内における伝統料理,及び郷土の家庭料理について文献を元に把握するとともに,調理担当者からの聞き書き調査を通して,地域の気候や風土から発生し,現在まで伝え継がれている料理,これからも伝承したい料理について知ることを目的とした。<br />【方法】前報と同様に、聞き取り調査の結果を基に、本報は福島県内の「おやつ」について考察した結果について報告する。<br />【結果】会津地方では、たぐり飴、まんじゅうの天ぷら、凍み餅、かぼちゃとじゃがいもの煮しめ、はっとうが食されていた。中通り地方の県北では凍み餅、漬物、干し芋、あんぽ柿、県中ではかりんとう、みそかんぷら、花豆の煮物、県南では、凍み餅、みそおにぎり、いなごの佃煮、かしわ餅、干し柿が食されていた。浜通り地方の相双では凍み餅、豆餅、柿餅、よもぎ大福、かしわ餅、くるみ餅、いわきでは、干し柿、蒸したさつまいも、ドーナツ、蒸しパン、いり大豆、ようかん、ところてんなどが食されていた。県北と県南と南会津で見られた「凍み餅」は、寒冷地ならではの保存食として県全域の特に山間地で食されている食材で、主食としてだけでなく、おやつとして食されていることが分かった。また、みそかんぷらも県全域で食されているが、じゃがいもの小芋を有効利用した手作りのおやつとして利用されていた。その他にも、地域で収穫される野菜や果物が加工されておやつとして食されている。さらに、「あんぽ柿」「たぐり飴」「まんじゅうの天ぷら」「はっとう」などは、郷土料理として現在でも伝承されていることが分かった。
著者
川口 衞 千葉 義尚 阿部 優 吉田 長行 立道 郁生
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本研究業績をまとめると以下の通りである。A.並進振り子原理に基づく免震システムの有効性を検証した(1)振り子免震の免震効果は上下動の影響をほとんど受けない。上下動と水平動を分離して設計できるのは,免震システムとして大きなメリットがある(2)振り子によって実現される長周期免震システムに必要とされる減衰は,軽微なもので充分である(3)「並進振り子型免震装置」を応用した免震床の実施例の挙動を実験的に明らかにした(4)並進振り子の支点間距離を利用した,免震周期のコントロールに関する知見を得た。また,この性質を利用し,かつ支持構造物の回転運動を生じない「対称2点吊り振り子型免震構造」を考案した(5)地震時に質量偏心がもたらすねじれ振動め影響を明らかにしたB.転動振り子の原理に基づく免震システム(パドル免震)の有効性を検証した(1)「パドル免震」を提案した。「パドル免震」は免震層の高さを長周期免震の場合でも可変にできることが極めて有利な点である。(2)パドル免震の模型実験を行ない,所定の免震効果が得られることを確認した(3)パドル免震装置の実用化検討の基礎として発生する応力分布を解析により把握できた(4)パドル柱自身の質量が免震効果に及ぼす影響を振動実験などにより明らかにした(5)この時,パドル免震装置自体の形状を工夫することによって,目的とする固有周期を得られることを確認したC.振り子免震の適用による空間構造の長周期免震の効果を検証した(1)球殻の薄肉ドームの支持部に,振り子免震を設けた場合について効果を検討した。この結果,屋根の応答を下部構造の剛性に関らず,地表入力波形の応答スペクトルで推定することが可能であること,トラス材軸力など多くの部材で長期応力を支配応力とできる可能性を示した。(2)さらに,パドル免震の原理の効果的な応用として,円形ドームの円周方向のみに復元力を有し,半径方向には拘束のない一方向免震の有効性が確認できた。