著者
西川 嘉人 辻 俊明 金子 裕良 阿部 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.1-11, 2009-01-01

GPS等の位置情報取得技術と移動体通信技術の進歩に伴い,車や電車,人といった時々刻々位置の変化する物体(以下,移動オブジェクトと呼ぶ)の位置情報の継続的な入手が容易となってきた.これに伴い移動オブジェクトの運行効率の向上,セキュリティ管理,位置に基づく情報提供などの応用が検討され,移動オブジェクトに適したデータ管理構造の研究が行われている.研究は目的により大きく,(1)最新位置管理,(2)未来位置予測,(3)軌跡管理,の三つに分けられる.本論文では(1)の最新位置管理を扱う.最新位置管理では,一般に1万以上の移動オブジェクトの最新位置を,秒や分単位で更新する必要があり,この頻繁な更新による処理コストがデータ管理構造の大きな問題となる.筆者らはこの解決のためには,(1)領域分割形の多次元データ管理構造が適している,(2)データの削除と挿入が同時に起こるためデータ削除の負荷が小さい構造が必要である,と考えた.本論文ではこれらを備えたバランスM分木kdm-tree (k-d tree for moving objects)を提案する.本文ではkdm-treeのアルゴリズムと特徴を述べ,他の木構造との性能比較実験を行い, kdm-treeが更新性能に優れ,メモリコストや検索性能も同等以上であることを示す.
著者
阿部 茂樹
出版者
東北大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2016

研究目的 : ディジタルシステムの制御回路設計や演算アルゴリズムを短時間で実習する環境を提供することを目的とし、プログラマブルデバイスの一つであるFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いた実習システムを構築した。その例として種々のソーティングアルゴリズムをハードウェア記述言語を用いてプログラミングし、それを可視化するための表示回路を製作し、その動作確認を行った。研究実施計画 :1. 論理回路の基礎である種々の演算アルゴリズムに対しハードウェア記述言語を用いて回路記述を行い、2進数で与えられた入力の値を7Seg-LEDに10進数で表示させる2つの変換アルゴリズムについて演算速度、回路面積等の評価をする。2. ソーティングアルゴリズムを例として、簡単なアルゴリズムであるバブルソート、選択ソート、挿入ソート、高速なアルゴリズムであるクイックソート、ヒープソート、マージソートなど種々のアルゴリズムをプログラマブルデバイスで実現し性能比較をするとともに処理ステップ毎に可視化できるようなハードウェア構成とする。また、特徴などを解説できる資料の作成を行う。研究結果 :1. 2進数で与えられた値を10進数に変換する方法として、一般的に考えられる減算法と高速な計算ができるシフト演算法の2つについてプログラミングし、FPGAで動作させることによって演算速度の違いを体感できるシステムを構築することができた。また、論理シミュレーションによって2つのアルゴリズムの動作速度やハードウェアの使用面積などを評価でき、短時間で効果的な実習を可能とすることができた。2. 種々のソーティングアルゴリズムについてプログラミングし、論理シミュレーションによって演算終了までの演算速度の比較を行うことができるとともに、演算過程および3段階前までの演算履歴を可視化できるシステムを製作し、アルゴリズムだけでなく表示システムの制御と併せて学習できる実習環境を提供することができるシステムを構築できた。
著者
西田 英明 秋重 祐章 吉村 浩 平塚 辰二 阿部 茂夫
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-10, 1982-08

A preliminary survey on the distribution of temperature, bottom topography and ichthyofauna on the New Year Bank in the Solomon Sea, about 45 nautical miles to the south of Guadalcanal, was carried out by the training ship "Kakuyo-maru" of the Faculty of Fisheries, Nagasaki University, on November 5th to 8th, 1978. The following results were obtained. 1) Along the east and south margins of the bank, a thermoline was observed between the layers 200m and 300m below the surface. 2) The bottom topography on the bank was very rugged, especially in the central part where the difference in altitude of ups and downs was as big as 23m. 3) A number of echos of fish schools were recorded on the bank. They were especially dense and numerous just above the tops of ups in the southern half of the bank. 4) A total of 30 fish species belonging to 14 families were caught by hand-line fishing. Groupers, pigfaces, and snappers were commercially important fishes among them.
著者
真山 享 赤井 裕輝 渡辺 力夫 阿部 茂樹 門伝 昌巳 本郷 道夫 豊田 隆謙 後藤 由夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.1017-1022, 1987-11-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

糖尿病性自律神経障害による胃排出能の異常が食事摂取後のインスリン需要動態および血糖コントロールに与える影響について検討した. 胃排出能正常な糖尿病者 (N群) 4名, 胃無力症 (胃排出能高度異常) の糖尿病者 (G群) 7名の計11名を対象とした.胃排出能は99m-Tc-Tin colloidにより標識した試験食摂取後のアイソトープ胃内残存量をガンマカメラにて経時的に測定し, 全例に人工膵島 (Biostator®) によるfeedback controlを行い, インスリン注入動態を観察した.G群では食後のアイソトープ胃内残存率がN群に比較して高値であり, 150分後ではG群, 74.1±7.4%(M±SD), N群21.3±5.4%であった (p<0.01). 食後インスリン需要量はN群でG群よりも高値であり, 150分後ではN群11.7±5.3単位, G群5.6±2.1単位であった (p<0.05).prokinetic agentの投与により, 胃排出能が著明に改善した6例では, 血糖日内変動, HbA1ともに明きらかに改善し, 良好なコントロールが得られた.胃排出能の異常は血糖の不安定性の原因の1つであり, インスリン需要動態に大きな異常をもたらす. 胃排出能の改善により, 食後インスリン需要量が適正化し, 良好な血糖コントロ一ルを得ることが可能となる.
著者
内舘 光 猪田 良介 辻 俊明 阿部 茂
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.578-584, 2009-06-01 (Released:2009-06-01)
参考文献数
18
被引用文献数
2 5

This paper proposes a real-time image processing system for wheelchair recognition at elevator lobby. This system extracts objects with frame difference method. From the image of extracted objects, heads of people are detected by the Hough transform. Vertical shooting from ceiling improves the performance of people counting since the detected head has high roundness and occlusion of people is prevented. Two feature quantities are introduced to recognize wheelchairs. They are the area value and the ratio of traveling length to vertical length. Since these quantities require a method for drawing the contour line. This paper proposes a new simple method to draw a contour line. The effectiveness of this system is confirmed through experiments.
著者
阿部茂八 著
出版者
松野秀葉
巻号頁・発行日
1904
著者
阿部 茂 金子 裕良
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.「避難救出運転方式」とその輸送能力計算方式の開発エレベータを併用した場合の避難時間短縮効果を明らかにした。非火災時の全館全員避難の場合、ビルを縦に(ゾーン数+1)の区画に分け、最下区画の人は階段だけで避難し、残りの区画の人は各区画の最下階まで階段で下り、その階で玄関階との間を往復運転するエレベータに乗り避難する方式が、最適なことを示した。高層ビルほど短縮効果は大きく、16階ビルでは約1/3の15分程度で避難でき、避難用エレベータの有効性を確認できた。2.停電でも避難運転ができるエレベータの電源方式と運転方式火災時は停電の危険があり、ビルの非常電源では1台程度しかエレベータを運転できないため、停電時に全エレベータを運転できる電源方式が不可欠である。避難時は下方交通のため避難乗客の位置エネルギーを利用すれば、エレベータに小容量の回生電力蓄電装置を設置するだけで、停電時でも運転継続できる可能性がある。このための最適なエレベータ運転方式と電気二重層コンデンサを用いた省エネ率の高い電源方式を明らかにした。3.避難者行動ミクロモデルとそれを用いた避難シミュレーション手法避難時の階段歩行のイベントシミュレーション手法を開発した。エレベータのシミュレータと統合すれば、様々な状況における避難シミュレーションが可能となる。4.避難用エレベータの乗場における車いす利用者の画像認識避難時には身障者を特別に誘導する必要がある。エレベータ乗場の車いすの人を健常者と識別可能な画像認識手法を開発した。移動体の輪郭線と速度を求める性能の良いアルゴリズムで特許を出願した。