著者
山路 奈保子 須藤 秀紹 李 セロン
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.155, pp.175-188, 2013 (Released:2017-02-17)
参考文献数
12

本稿は,書評ゲームである「ビブリオバトル」を日本語パブリックスピーキング(1)入門として大学・大学院留学生を対象とする日本語授業に取り入れる試みの実践報告である。「ビブリオバトル」は,複数のプレゼンターが各自で選んだ本を紹介した後,聴衆が「最も読みたくなった本」に投票し,最多票を得た本を「チャンプ本」とする書評ゲームである。これを留学生対象の日本語コースで実施した。参加学生はそれぞれ2度プレゼンターとして書評プレゼンテーションを行った。その結果,聴衆が「チャンプ本」を選ぶというゲーム性が参加学生のモティベーションを高め,聴衆の理解や共感に対する配慮をもたらした。ビブリオバトル導入は日本語学習者のパブリックスピーキング技能向上に有効であることが示唆された。
著者
横井 聖宏 馬場 康輔 須藤 秀紹 山路 奈保子
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-16-00023, (Released:2016-04-19)
参考文献数
27
被引用文献数
2

Short-pause is one of the important elements of presentation. In this study, we have investigated differences of taking short-pauses between winners and losers of book review presentation game, Bibliobattle. In order to find short-pauses, non-utterance sections in presentations are detected by converting time discrete audio signal to energy. Length, times and appearance position of short-pauses of winners and losers were compared. As a result, the following things were revealed. The first is that the average times of winners' brief (less than 0.4 sec) short-pauses is significantly smaller than losers' one. The second is that the losers' average times of short-pauses which appeared in unnatural position (between noun and postpositional particle or suffix) is significantly larger than winners' one.
著者
山路 奈保子 須藤 秀紹 李 セロン
出版者
日本語教育学会
雑誌
日本語教育 = Journal of Japanese Language Teaching (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.155, pp.175-188, 2013-08

本稿は,書評ゲームである「ビブリオバトル」を日本語パブリックスピーキング(1)入門として大学・大学院留学生を対象とする日本語授業に取り入れる試みの実践報告である。「ビブリオバトル」は,複数のプレゼンターが各自で選んだ本を紹介した後,聴衆が「最も読みたくなった本」に投票し,最多票を得た本を「チャンプ本」とする書評ゲームである。これを留学生対象の日本語コースで実施した。参加学生はそれぞれ2度プレゼンターとして書評プレゼンテーションを行った。その結果,聴衆が「チャンプ本」を選ぶというゲーム性が参加学生のモティベーションを高め,聴衆の理解や共感に対する配慮をもたらした。ビブリオバトル導入は日本語学習者のパブリックスピーキング技能向上に有効であることが示唆された。
著者
坂本 牧葉 須藤 秀紹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-6, 2014-03-07

掃除用、ペット用など、職場や家庭でのロボットの利用が普及している。将来は生まれながらにロボットをと接する、ロボットネイティブ世代の出現も予想される。ロボットとは何かを理解し、それらと適切な関係を形成し、安全に利用するにはそのリテラシー教育が重要になると考えられる。そこで著者らはまずロボット・リテラシーの要素を整備した。本稿ではさらに学習者がより意欲的に学べるよう、それらをカードゲームなどへ展開することを試みる。Using of robots in an office or a home, such as an object for cleaning and an object for pets, has widely spread. Robot native generation's appearance which touches in a robot while being born in the future is also expected. However, influences which robots and robot natives have on our society are not clarified. This study aims to construct targeting these generations, methodology literacy required to coexist with home robots. First, by referring to the research model of media literacy, we figured out the research model of the robot literacy. Next, as a system to learn clearly the research model, we suggest a board game.
著者
川上 浩司 須藤 秀紹 半田 久志 塩瀬 隆之 小北 麻記子 谷口 忠大 片井 修 平岡 敏洋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究課題は、便利の追求で見過ごされて来たが実は人を含む系においては重要であった事項を整理し、効率化や自動化に代わるシステムデザインの指針を探るものである。国内外の動向を整理すると共に、各種のデザイン領域における事例を収集・整理した結果は、学術雑誌や学会で報告するだけにとどまらず、平成23年に一般啓蒙書(不便から生まれるデザイン:DOJIN選書42)にまとめ、web でも逐次発信をしている。また、場のメカニズムデザインへの応用事例は、2013年に閣議決定された計画に盛り込まれた。日用品デザインへの応用事例は、各種メディアで採り上げられた。
著者
川上 浩司 片井 修 塩瀬 隆之 須藤 秀紹 半田 久志 谷口 忠大
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

手間いらずで効率的に要求が満たせる「便利な道具や方式」よりも、むしろ不便な道具や方式に、能動的工夫の余地・対象系の物理的理解促進・自己肯定感の醸成、などの効果がある。我々はこれらを積極的に評価する「不便益」という考え方を提唱し、この視点からの新たなシステム設計方法論の構築を試みた。最終年度にあたる2008年度に得られた成果を以下にまとめる。[不便益の総論:]初年度から継続する各種講演やOSを年に数回開催し、そこで得られた多くの知見の整理を通して不便益の輪郭を明らかにして、HI学会論文誌に総説論文としてまとめた。[不便益の各論:]システムデザインにおける「便利」を基礎づけるものとして、因果に基づく明瞭な説明・分類/分割による高いモジュラリティ・あいまいさの無い推論・中央集権的システム構成に注目し、それらが援用できない「不便」、すなわち均衡(バランス)に基づく説明・明瞭な分割ができないこと・解釈(推察)の多様性・分権的制御などから得られる益を積極的に活用する考え方を提出するとともに、それらのいくつかには具体的な活用方法や数理的基盤を与えた。[不便益の応用:]不便益に関する知見をシステムデザインに応用することによって、その有効性を検証した。適用対象としては、情報伝達に関して「見るのではなく触れることしかできない絵画」や音と画像による情報伝達におけるテロップの効用分析、解釈の多様性に関して比喩表現やピクトグラムによる非言語コミュニケーションの有効性検証と、エージェントシミュレーション、デザインの実践として月に一度のインクルーシブデザインワークショップ(塩瀬)、などを実施した。