7 0 0 0 OA 不便益と共創

著者
川上 浩司
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.1079-1081, 2012-11-10 (Released:2020-04-23)
参考文献数
9
著者
山本 祐輔 山本 岳洋 大島 裕明 川上 浩司
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.24-37, 2019-01-16

本稿では,ウェブ検索エンジンなどの情報アクセスシステムを用いて情報を精査し,正確なウェブ情報を収集する能力「ウェブアクセスリテラシー」を測定する尺度と質問紙を提案する.提案したリテラシー尺度の信頼性,妥当性の評価を行うために,クラウドソーシングサービスを用いて534名のウェブユーザにオンライン調査を行った.因子分析の結果,ウェブアクセスリテラシー尺度は7因子構造であった.また,ウェブアクセスリテラシー尺度の総合得点は,当該尺度と関連すると考えられる健康リテラシー尺度得点と弱い正の相関(r=0.32,p<.001)を,ウェブ情報に対する信用度と弱い負の相関(r=-0.20,p<.001)を示した.さらに,情報リテラシー関係の講義の受講経験別にウェブアクセスリテラシー尺度得点を確認したところ,統計的有意差が確認された(F(1, 525) = 8.82,p<.01).信頼性を示すクロンバックのα係数については,6つの因子は0.8以上,1因子については0.76であった.
著者
川上 浩司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回 (2012)
巻号頁・発行日
pp.2P1OS9b7, 2012 (Released:2018-07-30)

ユーザの能動性や気付きを誘発するなど、不便には益がある。キーボードの刻印を無くして敢えて視覚フィードバックを無くす不便は、知覚─行動サイクルからカップリングへと誘う。不便の益を新たなシステムに実装するアイデアの多くは、ユーザに発見や工夫を許し、自己肯定感を醸成させる仕掛けである。この「許す」から「誘う」に転じる仕掛けはないか、不便益研究の側からは、仕掛学に期待するところ、大である。
著者
川上 浩司
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.69-78, 2021-06-30 (Released:2021-07-02)

The health, clinic, and education information evaluation institute (HCEI) develop databases derived from nerborn to school age health check-ups under the contract with local governments in Japan, and epidemiological analyses are provided to both individuals and local governments. The anonymized database is maintained for the secondary epidemiology research by researchers. On the other hand, HCEI aldo develops anonymized clinical database (RWD-DB) derived from electric medical record of hosipitals in Japan. Eplidemiological analyses utilizing RWD-DB is provided to hosipitals for the purpose of improvement of clinical outcomes and safety. These initiatives are important not only for the research basis but also for the health policy and helath-related industry.
著者
川上 浩司
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.125-134, 2009-02-25 (Released:2019-09-04)
参考文献数
32
被引用文献数
13

This paper presents a viewpoint of "benefit of inconvenience" based on the symbiotic thought and discusses several issues in the research field of systems design. Convenience generally implies "saving labor. " Designers aim to develop goods for sparing humans labor based on the assumption that "the more convenient life is, the richer it is." This assumption has yielded technical developments and outcomes that we generally appreciate. On the other hand, technologies have brought about several problems. One of the way to overcome such problems is pursuing further developments and convenience. But in the case where such developments yield further problems, symbiotic thought doubts of the final destination of this way. An alternative way is to get back to the basic focus on the problems. Benefits of inconveniences navigate us to the promising ways. Inconvenience enhances awareness, prompts creative contribution, and brews affirmative feeling.
著者
川上 浩司
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

ユーザの能動性や気付きを誘発するなど、不便には益がある。キーボードの刻印を無くして敢えて視覚フィードバックを無くす不便は、知覚─行動サイクルからカップリングへと誘う。不便の益を新たなシステムに実装するアイデアの多くは、ユーザに発見や工夫を許し、自己肯定感を醸成させる仕掛けである。この「許す」から「誘う」に転じる仕掛けはないか、不便益研究の側からは、仕掛学に期待するところ、大である。
著者
嶋本 正範 谷口 忠大 大矢 智子 塩瀬 隆之 川上 浩司 片井 修
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.661-661, 2007

社会的生活の本質が他者との相互作用であると考えに基づき,ゲーム理論は社会的構造や社会的変化の研究に微視的な基盤を与えるものとして盛んに研究が行われた.しかし,実際に人間がゲームにおいてどのように振舞うかという研究分野である実験ゲームでは,ゲーム理論で仮定されているような合理的な行動を人間はとらないことが知られている.近年,このような人間の非合理的な行動などが行動経済学などの分野によって注目されるようになってきた. 本研究では,意思決定という行動のインタラクションだけでなく,ゲーム理論では取り扱われなかったコミュニケーションに着目し,ネットワークの構造によっておこる,局所的なコミュニケーションが人間の意思決定にどのような影響を与えるかを,ネットワーク構造の形態によって分析する.
著者
野崎 敬太 平岡 敏洋 高田 翔太 川上 浩司
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

交通事故低減策の一つとして,運転者自らが安全運転に対する動機づけを高める仕掛けやシステムの導入がある.先行研究では客観的な安全運転評価結果を運転者に提示するシステムを提案したが,情報提示法の検討は不十分であった.そこで本研究では,ゲーミフィケーションの知見を参考に,運転者が楽しみながら安全運転できる仕掛けを導入する.また,運転履歴に基づく目標提示により,安全運転に対する更なる意識向上を促す.
著者
深澤 俊貴 田中 佐智子 川上 浩司
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.777-781, 2022 (Released:2022-08-01)
参考文献数
13

医療データベース(DB)を用いた観察研究の発展には、目を見張るものがある。情報技術革新に支えられた大規模DBの構築と柔軟かつ高度な疫学手法の掛け合わせは、リアルワールドにおける医薬品の使用実態調査、および有効性や安全性の評価をタイムリーに実現させている。本稿では、診療報酬請求情報(レセプト)DB、Diagnosis Procedure Combination(DPC)DB、電子カルテDBを中心に解説するとともに、それらを用いた観察研究を紹介する。
著者
川上 浩司
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.434-440, 2019-10-25 (Released:2019-11-22)

法に基づいて実施されている乳幼児健診や学校健診を,その場限りの受診勧奨だけではなく,個人情報保護に配慮しつつデータベースを構築するとともに,個人や地域に分析を還元し,また生涯を通じたライフコースデータとして本人の健康増進や医学研究に役立てていくための基盤構築を行っている.また,全国の医療機関と連携して,診療情報データベース(RWD-DB)を構築することで,医療機関における診療の可視化や,臨床疫学研究や薬剤疫学研究を通じた医療の評価ができるような基盤が確立している.これらの基盤は,健康長寿社会に向けた政策にも重要である.
著者
塩瀬 隆之 川上 浩司 片井 修
出版者
脳機能とリハビリテーション研究会
雑誌
脳科学とリハビリテーション (ISSN:13490044)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.7-13, 2008 (Released:2018-11-13)

製造業, 伝統産業, 医療現場を問わず, あらゆる局面の最後にその成否を左右するのは, 円熟したベテランがもつ卓越した技である. この熟練の技が, いま失われようとしている. 2007年問題として知られる団塊世代の大量退職や, 構造的な後継者不足, 慢性的な人手不足を背景に, それら熟練の技を次世代に伝える方法の模索が急務である. しかし, 熟練の技は言葉にすることが難しく, また安易な形式化によりその価値が失われることも危惧される. 翻って徒弟制度やOJT(On the Job Training)に対する期待が高まるものの, 無責任に見習いを現場に放り込むこととの明確な差異を見いだせずにいる. 本稿では, 技能を形式化することの功罪, 徒弟制度の功罪を整理し, 技能継承を成功裏に進めるために, 技能を伝える側/受け取る側のそれぞれが意識すべき点を考察する.
著者
川上 浩司
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.37-43, 2017-08-31 (Released:2017-10-06)
被引用文献数
1 3

昨今,各種の診療情報由来のデータベースを用いた薬剤疫学研究が実施できるようになってきた.観察研究に用いられる資料としては,リアルワールドデータ (RWD) 系と疾患登録系とがある.このうち,RWD においては,診療報酬請求 (レセプト) 情報,調剤情報,DPC 情報に加えて,我が国でも医療機関における電子カルテ由来の診療情報を統合したデータベースの構築も始まっている.一方,日本では,母子保健法や学校保健安全法等に基づいて,自治体が各種の健康診断情報を所管しているが,これらのデータベース化の取組みも開始され,ライフコースデータとして予防医療や難病理解,創薬等に大いに役立つ知見を得ることが期待されている.