- 著者
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馬場 美智
深蔵 紀子
- 出版者
- 大阪夕陽丘学園短期大学
- 雑誌
- 大阪女子学園短期大学紀要 (ISSN:02860570)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.14-21, 1962-07-01
リボタイドの呈味性について検討した。得られた結果は次の通りである。(1)リボタイドを0.01%蒸溜水溶液にした場合,パネルの52.1%が味を識別した。高温度では感覚鋭敏となるので90℃では70.8%が認知し得た。又その加うべき0.01%のリボタイド液の20%を0.1%MSG液で置き換える事により90.3%となった。(2)0.7%食塩水の場合は蒸溜水より,10%程上廻り平均61%がリボタイド添加を認知い得た。(3)3%食酢に添加した場合味の認知は顕著で,リボタイド単独添加では92.0%,MSGと併用した際は95.8%が味を認知した。(4)醤油の場合は更に高く,単独併用共に100%認知し得た。これは食酢,醤油中のグルタミン酸類との相乗作用によるもので両者共にMSG単独使用では,はるかに劣る結果が得られた。(5)一般調理に使用した結果,リボタイドとMSGの併用が有効であり,0.01%リボタイドと0.1%MSGを合せ添加した場合,その配合割合が20:80とか50:50とかのようにリボタイドの添加率の多いもの程美味であるという結果が出た。特に鶏がらスープ,のっぺい汁,ほうれん草胡麻和え,胡瓜三杯酢等が著名である。それに反して添加物以外の呈味性の強いもの,調味料濃度の高いもの,或いは根菜の煮付等とはさほど効果がみられなかった。今後の研究によって最も有効な使い方を工夫したい。