著者
駒澤 伸泰 寺﨑 文生 中野 隆史 河田 了
出版者
日本シミュレーション医療教育学会
雑誌
日本シミュレーション医療教育学会雑誌 (ISSN:21879281)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.76-78, 2020 (Released:2021-10-22)

継続的な変化を続ける医療環境において医療安全を担保し、患者予後を改善するためには、多職種協働が必要である。円滑な多職種協働推進のためには、適切な多職種連携教育が必要不可欠である。しかし、多職種連携教育導入では、倫理的問題、参加人数制限、教育空間確保が課題となる。本稿では、1. 多職種連携教育の課題、2.多職種連携教育におけるシミュレーション教育法の可能性について述べる。
著者
早川 和重 三橋 紀夫 岡崎 篤 中野 隆史 玉木 義雄 山川 通隆 伊藤 潤 平岡 成恭 原 富夫 新部 英男
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.17-24, 1984-02-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
21

From January 1970 to June 1982, among 4, 294 patients with malignant neoplasms, herpes zoster (HZ) occurred in 87 (2.0%) after irradiation. The incidence of HZ infection was rather high in patients with malignant lymphoma (8.3%), epipharyngeal cancer (8.2%), ovarial tumor (4.8%) and testicular tumor (4.2%). Most of these patients received extensive radiation therapy along the spinal cord and/or nerve root.The location of HZ infection was devided as follows : HZ infectious lesion located in the area of (I-A) innervated segment of the irradiated nerve root (74%), (I-B) irradiated dermatome (3%) and (II) not associated with radiation field (23%).In 55 (86%) of 64 patients of I-A, HZ infection occurred within one year, particularly in six months (41 cases (64%)) after the complesion of radiation therapy. This incubation period between completing irradiation and the manifestation of HZ infection was likely to be compatible with the period between radiation therapy and earlier radiation injury. Among 20 patients in Group II, 12 patients (60%) developed HZ infection over a year after irradiation.The cumulative 5-year survival of these patients except for the patients with malignant lymphoma was 42% and HZ infection was considered to have no prognostic significance.In 19 cases treated with 3-Germylopropionic acid sesquioxide (Biositon-8), all were free of severe neuralgia and 11 patients were cured within 2 weeks. Ongoing clinical trial investigating the use of Biositon-8 appears promising against HZ infection.
著者
桜井 英幸 高橋 満弘 鈴木 義行 清原 浩樹 斉藤 淳一 石川 仁 原島 浩一 北本 佳住 秋元 哲夫 中山 優子 長谷川 正俊 中野 隆史
出版者
Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
雑誌
The Journal of JASTRO (ISSN:10409564)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.187-191, 2003-09-25 (Released:2011-07-11)
参考文献数
14
被引用文献数
1

【目的】子宮頸癌放射線治療後の性生活の変化について, 調査を行ったので報告する.【対象と方法】子宮頸癌の告知後に放射線治療を受け, かつ治療当時パートナーを有していた33例を対象とした. 治療時の年齢鮮平均50.5歳 (26.1~80.5), 調査時の年齢は平均54.3歳 (31.3~80.9) であった.子宮頸癌の病期は, I期8例, II期14例, III期9綱, IV期2例であった. 放射線単独例は20例, 術後照射例13例であった。【結果】治療前の性交の頻度は, 治療前から全くなしと答えた5例を除いた場合, 性交頻度が減少したのは21例, 頻度が変わらないのは5例, 増加したのは2例であった.治療法別では, 放財線単独群で減少例が多い傾向がみられた. 子宮癌になったことで精神的に性交がいやになったと回答したのは21例 (65.6%) であった.パートナーが性交を嫌がっている, または遠慮していると回答したのは9例 (31.0%) で, パートナーのために我慢して性交に応じていると回答した症例は, 9例 (32.1%) であった.また, 17例 (63.0%) が, 治療後に挿入困難となったと回答していた. 性交による出血が心配であると回答した症例も, 24例.(75.0%) と高頻度に認められた. 性交痛に関しては, 17例 (63.0%) が疼痛ありと回答していたが, 我慢できない痛みであると答えたのは3例のみであった. 性交によって治療前よりも快感が得られなくなつたと回答したのは13例 (52.0%) であった.【結語】子宮頸癌放射線治療後には性交頻度が減少する例が多く, その理由は, 挿入困難, 出血, 性交痛などの器質的障害だけでなく, 子宮頸癌を経験したことによる性交への意欲の喪失であった.
著者
白井 克幸 横尾 聡 中野 隆史 大野 達也 齋藤 淳一 武者 篤 阿部 孝憲 赤羽 佳子 小林 なお 小林 大二郎 近松 一朗
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.25-29, 2019

重粒子線治療は良好な線量分布を持ち,高い生物学的効果を有している。従来X線抵抗性と考えられている頭頸部非扁平上皮癌(腺様嚢胞癌,腺癌など)や,粘膜悪性黒色種,骨軟部腫瘍に対して,優れた局所制御率が報告されている。本邦の重粒子線治療施設は5施設と世界最多であり,その治療技術や研究開発において指導的役割を果たしている。これまでは重粒子線治療は単施設による報告に限られていたが,2014年より日本炭素イオン線治療臨床研究グループ(J-CROS)が組織され,多施設共同臨床研究を通じて頭頸部腫瘍に対する重粒子線治療の包括的な有効性や安全性が報告されてきた。これまで重粒子線治療は先進医療として行われてきたが,これらの本邦からのエビデンスをもとに,2018年から頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く)が保険適用となっている。今回の総説では,頭頸部腫瘍に対する重粒子線治療の概要,これまでの治療成績ならびに今後の展望について概説する。

1 0 0 0 OA 1 歴史

著者
野田 真永 村田 和俊 中野 隆史
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.367-369, 2015-06-15 (Released:2015-06-27)
参考文献数
6
被引用文献数
1

X線の発見から本年で120年経つが,その間,物理工学面の技術革新により放射線治療は格段の進歩を遂げた。粒子線治療は,速中性子線治療から始まり,現在では陽子線・重粒子線治療が世界で計57施設にて実施されるようになった。この粒子線治療の発展には1940年代以降の粒子線加速器開発技術の進歩が大きく関与している。