著者
上野 成三 高山 百合子 前川 行幸 原条 誠也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1261-1265, 2003

従来のアマモ移植は多大な労力を要する播種法や株植法により実施されているのに対して, 播種・株植が不要な新しいアマモ移植手法を提案する. 本手法は, 天然のアマモ場に敷設したマット上にアマモ種子を自然発芽・定着させ, このマットを本移植地へ移設するものである. 本手法の実証実験として, 英虞湾立神浦でマットの敷設実験と移設実験を実施した. マット敷設実験ではマット上に1000本/m<SUP>2</SUP>以上の高密度でアマモが定着し, 天然アマモ場からの種子の自然落下によるアマモマットの形成が実証できた. 一方, マット移設実験では天然アマモ場に比べて移設先でのアマモの生長が鈍化した. これはマット移設時の根の損傷が原因と考えられ, 今後の課題となった.
著者
赤塚 真依子 高山 百合子 Edwin MUCHEVBE 伊藤 一教 渡辺 謙太 桑江 朝比呂 源 利文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_943-I_948, 2020 (Released:2020-11-04)
参考文献数
10

海草場の変化を捉えるモニタリング方法として環境DNAの活用を目指し,海草量の季節変化に伴うeDNA量の変化を把握することを目的に,水槽に生育するアマモを対象に15ヵ月の生育観察と環境DNA分析を実施した.また,実海域でのモニタリングに向けて,潮汐による流れの変化がある環境下で,季節変化の差に対して採水地点や同時刻に採水した差がどの程度であるのか調査した.15ヵ月のモニタリングでは,環境DNA量が夏に高い値を示し秋に低下する周期性を確認でき,海草が流出する時期に高くなる可能性が明らかになった.実海域調査では,同時刻に採水した1Lの分析で検出の有無が混在する結果となったが,採水量や分析量を増量し,阻害影響を低減することで定量下限を超えた値の検出が可能となり,実海域調査への適応が期待できる結果を得られた.
著者
高山 百合子 国分 秀樹 上野 成三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.139-150, 2008 (Released:2008-07-22)
参考文献数
38

三重県英虞湾において,浚渫ヘドロを用いた干潟実験区を5つ造成し,3年にわたり底質,底生生物の追跡モニタリングを実施した.その結果,砂質土干潟より浚渫ヘドロを混合した干潟の方が底生生物の種類数,個体数がともに増大することが分かり,浚渫ヘドロは干潟材料として有用であることが確かめられた.また,底生生物が増大する底質の最適条件はIL4∼6%,COD3∼8mg/g,泥分20∼30%となった.適度な有機物を含む底質で底生生物が増大するこの特性は,他海域の調査結果とも同様であったことから全国の海域で共通することが確認された.以上より,底生生物の増大を目的とした干潟設計条件として浚渫ヘドロの混合割合の設定が可能となり,浚渫ヘドロを処分するのではなく干潟表面の造成材料に有効利用する新しい資源循環型の干潟造成方法が確立された.
著者
国分 秀樹 奥村 宏征 高山 百合子 湯浅 城之 上野 成三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1231-1235, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

著者らのグループは, 浚渫ヘドロの含有する豊富な有機物を干潟生態系への栄養供給材料として利用できるという観点から, 2004年3月に英虞湾において約3,000m2の人工干潟を造成し, 底生生物及び底質の調査を行ってきた.昨年度までの研究成果としては, 干潟生態系に最適な底質の有機物量と粒度, 地盤高条件を明らかにし, 干潟造成材に浚渫ヘドロを利用する際の混合率の設定方法をとりまとめた.本論文では, 造成干潟域の周囲をシートで囲うことにより, 干潟域に流入・流出する水質の変化について2潮汐間にわたり定量的に連続観測し, 人工干潟の特性および干潟に流入出する物質のフラックスについて検討した.その結果, 浚渫ヘドロを用いた人工干潟の特性として, 懸濁態有機物に対してシンクであり, 溶存態無機栄養塩に対してはソースとして機能していることが明らかとなった.
著者
若木 太一 高山 百合子 不破 浩子
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

唐通事・異国通詞および周辺の唐話学者(稗官の徒、小説家)たちが編纂した唐話辞書の探索、書誌的調査、及び翻訳語彙の分析えを通して、日本近世文学・語学に及ぼした日中言語文化の顕著な相互影響を解明を目的とした4年間(平成9年度〜同12年度)の研究成果は次の通りである。1)唐話辞書、唐話学書の所在調査・書誌調査など基礎調査をカード化した。唐通事の諸家において編纂された唐話辞書、及び出版された唐話学書、あるいは翻訳書等の所在調査を行い、書誌をとり目録化した。(国文学研究資料館、東京大学図書館、慶応大学図書館、松平文庫、長崎県立図書館その他)2)「唐話辞書・通俗書略年表」をまとめた。「唐話辞書類従」(長沢規矩也解題)などに収載する唐話辞書・通俗書よび唐話学関係の文献・データなど既存の基礎目録を確認し、国文学研究資料館、国会図書館、国立公文書館等の唐話辞書の調査を基礎に、新資料を加えた目録「唐話辞書・通俗書略年表」を作成した。3)唐話辞書の語彙・内容の分析研究分担者の協力をえて辞書の翻刻、語彙の分析などを行い、索引を制作した。*『訳詞長短話』巻一の翻刻と解題*『東京異詞相雑解』の総合語彙索引4)『唐話辞書と翻訳語彙の研究-日中言語文化交渉史-』の報告書を制作した。これまで資料の発掘や収集の基礎調査と各辞書の図書館・文庫所蔵の唐話辞書、通俗書などの調査をふまえた「唐話辞書・通俗書略年表」、『訳詞長短話』の翻刻、『東京異詞相雑解』の総合語彙索引、唐通事の生活と文事等を収載。