著者
中前 茂之 高野 伸栄 大川戸 貴浩
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_39-I_52, 2014 (Released:2015-02-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1

平成に入ってから長く続いた少雪傾向が一変し,近年は豪雪が頻出する傾向がみられ,財政の厳しい市町村にとっては豪雪への対応は財政上軽い負担ではない.除雪事業の特徴として,あらかじめ降雪の量を決定して予算を立てることが不可能である上,一旦豪雪が発生した場合は市町村は除雪費を否応なく確保しなければならず,限られた市町村財政では賄いきれない恐れがある.しかしながら,国によるいくつかの支援措置はあるものの,国と地方の負担・分担のルールも明確に定まっていない.そこで,本稿では,これまでは直轄国道や道府県管理道路について除雪費推計手法として提案してきた除雪単価逓減則を市町村道にも適用することを検討するとともに,市町村の豪雪時における財源確保の状況や想定する負担限度を明らかにし,その際の課題を整理検討する.
著者
大井 孝通 高野 伸栄 加賀屋 誠一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.751-756, 2000
被引用文献数
1

地方都市において路線バスは唯一の公共交通であるが、その運行状況は極めて厳しく、さらに平成13年度からの需給調整規制の廃止により、赤字路線の廃止、事業者の撤退が予想される。この際、現在のような乗車密度等の直接的利用価値だけでなく、その存在価値も考慮した路線バスの評価が行われるべきと考える。<BR>そこで、本研究ではCVM (Contingent Valuation Method: 仮想的市場評価法) を用いることにより、路線バスのオプション価値、非利用価値の計測を試みた。さらに、地方都市における路線バスの評価へのCVMの活用についての考察を行った。
著者
高野 伸栄 倉内 公嘉 荒木 正芳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.284-298, 2009 (Released:2009-07-17)
参考文献数
26
被引用文献数
2

本研究は公共工事の入札制度が抱える問題点を踏まえ,住民が当事者意識を持ちつつ,内容を理解しやすい公共工事に対して,住民参加型入札制度の導入を提唱し,模擬入札実験を通して,その可能性を検証したものである. まず,アンケート調査の結果,住民は工事を行うにふさわしい業者として,価格以上に質を重視し,発注者が求めるものと大差がない一方,公共工事の入札に対する印象は不信感が強いことを明らかにした.次にその解決にあたり,住民参加型入札制度を提唱し,その効果と課題を考察した上で,模擬入札実験を行い,住民は一定条件の下では建設業者を合理的に評価することが可能である,本制度の適用により,入札制度に対する意識が変化する可能性がある等の結論を得,住民参加型入札方式が入札制度の改善に有効な方法である可能性を示した.

1 0 0 0 OA 巻頭言

著者
高野 伸栄
出版者
北海道大学公共政策大学院
雑誌
年報 公共政策学 (ISSN:18819818)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1, 2019
著者
高野 伸栄 五十嵐 日出夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.245-252, 1991-11-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8

This paper aims at the evaluation method for the alternative of District Planning by AHP (Analytic Hierarchy Process). In AHP, the evaluation structure is very clear and it's suitable for the District Planning. However, the evaluation criteria must be independent each other. And the weight of the alternative which is final output by AHP is the average evaluation. So the evaluation is apt to be one side.In this paper, the new evaluation index (U, N, L index) which is based on fuzzy measure theory is adopted. And we examine its validity for the independent constraint and the versatile evaluation.
著者
伊藤 徳彦 高野 伸栄
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.75-85, 2013 (Released:2013-06-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

本研究では,道路整備事業の建設工事に伴う経済効果のうち,工事関係者の事業地域での日常生活支出に着眼し,高規格幹線道路事業トンネル工事をケーススタディに経済波及効果を推計し,推計プロセスの開発を行った.その結果,工事関係者88名の域内日常生活支出は年額1,756万円,一人あたり20万円であり,ガソリン・一般食料品・生鮮食料品の購入と自動車整備が支出全体の約70%を占める傾向とわかった.経済波及効果は2,933万円で,同年度我が国の名目経済成長率が1.1%のなか,過疎化高齢化とマイナス経済成長の懸念の地域で,域内生産額16,846百万円の0.17%増分に相当するものと推計した.産業別では,製造業・農業・商業運輸・自動車整備業等に効果が及ぶとわかり,結果,推計プロセスを開発できた.
著者
谷口 綾子 高野 伸栄 原 文宏
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.814-820, 2003-11-01
被引用文献数
1

トラベル・フィードバック・プログラム(TFP)は, 自動車利用から公共交通機関への転換を目指して, 人々の行動に影響を与える心理要因に働きかけ, 自発的な行動の変化を目的とする交通需要マネジメントの一手法である.TFPは個人の交通行動の調査とその結果に基づく診断書を提示するなどのフィードバックを繰り返すコミュニケーション・プログラムで, 本稿ではその考え方と具体的な手順とともに, 2000年度札幌市における事例の紹介およびその実務における留意点を取りまとめる.