著者
沖村 遥平 本間 裕大 鵜飼 孝盛 栗田 治
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.289-292, 2016-07-01 (Released:2016-07-29)
参考文献数
3
被引用文献数
2

夏の風物詩として存在感の大きなものに,都市部での花火大会が挙げられる.都市部で打ち上げられる花火を観賞するにあたって,周囲の建物群の影響は無視できないものであり,これらの高層な建物群によって,視界に届くはずの花火が遮蔽されてしまうのである. そこで本研究では,建物群が建ち並ぶなかでの花火の見え方に主眼を置き,建物による遮蔽と観測位置などを厳密に考慮した上で,視界にとらえられる花火の量を定量的に評価する.より具体的には,視対象となる打ち上げ花火が視界でどの程度の大きさを占めるかを,視対象の見かけの大きさを数値化した物理量である「立体角」を用いて評価すると同時に,花火の全形のうちどの程度の割合が視界にとらえられるかを,立体角の定義から直ちに算出される「可視率」を用いて評価し,これら2つの要素を評価指標とする.また,構築したモデルを都市部で行われている実際の花火大会のいくつかの事例へ適用し,実証的な視認性評価分析を展開する.
著者
鵜飼 孝盛 栗田 治
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.163-168, 2003-10-25
参考文献数
5
被引用文献数
4 2

交通網に伴う地の利に関する理論的な値を計算する.この値はグラフ理論に基づいており,交通網に対応する隣接行列の固有ベクトルとして計算され,その特徴は交通網の位相的構造にのみ依存するということである.しかしながら,この値は交通網の結節点に対してのみ定義されている.人々が2次元平面上に住んでいることを考えると,この欠陥を無視することはできない.本論分ではまず,首都圏鉄道網でこの値を計算した後,その特徴を損なうことなく,所要時間を考慮するように値の定義を一般化する.また,メッシュ・システムを用いて,対象を平面へと拡張する.
著者
鈴木 敦夫 李 明哲 佐々木 美裕 鵜飼 孝盛 大山 達雄 三浦 英俊 栗田 治 田口 東 稲川 敬介 小市 俊悟 古田 壮宏 鳥海 重喜 藤原 祥裕 高松 瑞代 田中 健一 腰塚 武志 石崎 文雄 伏見 正則 腰塚 武志
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

都市内の災害時の人の流動に関する総合的な研究として,本研究ではテーマを3つ設定した.1)交通ネットワークシステムの頑健性と効率性の評価:道路,鉄道,航空網それぞれについて,GISデータ,時刻表,交通量データを用いて頑健性と効率性の評価を行った.2)緊急時の都市内・都市間流動に関するモデル:過大な交通量が流れているときの鉄道の遅延を記述する数理モデルを開発した.また,都市内で早急な避難が必要なほどの重大な事故が発生したときの都市内経路の解析について研究を進展させている.3)コンパクトな都市空間の設計原理:鉄道網の発達が平面を時間的に縮小させる効果について数理的に分析した.
著者
鵜飼 孝盛
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2009-2011