著者
森田 昇 川堰 宣隆 田代 雄介 大井 慶太郎 山田 茂 高野 登 大山 達雄
出版者
社団法人 砥粒加工学会
雑誌
砥粒加工学会誌
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.547-552, 2007

本研究は,GaAs半導体の研削加工におけるクラック発生機構を明らかにすることを目的としている.単粒研削時のクラック発生過程を詳細に検討するため,傾斜ステージをもったスクラッチ加工機を試作した.これを用いてGaAs(100)のスクラッチ加工実験を行い,とくに結晶方位依存性の観点から,GaAsにおけるクラック発生機構の特異性について検討した.これより,GaAsにおけるクラックの発生は結晶方位に強く依存し,[0¯11]方向に加工したときに最も脆性破壊が生じやすく,[011]方向の場合に最も生じにくいことがわかった.また,脆性破壊部の形状は加工方向によって大きく異なる.以上の結果より,GaAsにおけるクラック発生機構は結晶方位によって変化し,その傾向はSiのそれとは異なることがわかった.
著者
鈴木 敦夫 李 明哲 佐々木 美裕 鵜飼 孝盛 大山 達雄 三浦 英俊 栗田 治 田口 東 稲川 敬介 小市 俊悟 古田 壮宏 鳥海 重喜 藤原 祥裕 高松 瑞代 田中 健一 腰塚 武志 石崎 文雄 伏見 正則 腰塚 武志
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

都市内の災害時の人の流動に関する総合的な研究として,本研究ではテーマを3つ設定した.1)交通ネットワークシステムの頑健性と効率性の評価:道路,鉄道,航空網それぞれについて,GISデータ,時刻表,交通量データを用いて頑健性と効率性の評価を行った.2)緊急時の都市内・都市間流動に関するモデル:過大な交通量が流れているときの鉄道の遅延を記述する数理モデルを開発した.また,都市内で早急な避難が必要なほどの重大な事故が発生したときの都市内経路の解析について研究を進展させている.3)コンパクトな都市空間の設計原理:鉄道網の発達が平面を時間的に縮小させる効果について数理的に分析した.
著者
吉井 邦恒 大山 達雄 長谷部 正 勝又 健太郎 長友 謙治
出版者
農林水産省農林水産政策研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

地域インデックスタイプの収入保険については、①収量と価格の両方が負の相関をもって変動する状況下では、収量保険に比べて保険金の支払いが少なくなるものの、収量と価格の両方が下落する年には、収入の大幅な低下を緩和すること、②価格が低下傾向にある状況下では、収量と価格の相関関係が小さい地域における支払いが特に大きくなることから、その制度設計に当たっては、収量と価格の相関関係に留意した保険料率の設定が必要であることを明らかにした。
著者
伏見 正則 腰塚 武志 大山 達雄 田口 東 栗田 治 三浦 英俊
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

1.ネットワーク構造を有するシステムの安定性,頑健性,信頼性等の定量的評価のための基礎理論の構築・手法の開発を行い,その応用として,東京都の水道網,マニラ市の道路交通網,等について数値計算を行った.2.都市の道路網において,交通規制や事故,工事,震災などにより一部分が通行不可能となった場合に全体が受ける影響の評価や,救急車の最短経路を求めるシステムの構築などを行った.3.首都圏に直下型地震が発生した場合を想定して,首都圏の鉄道利用者の被災状況を詳細に計算した.これらの結果は,救急活動の新しい検討資料として有効であると考えられる.4.首都圏の電車ネットワークを利用する通勤客を対象として,時間依存の利用者均衡配分問題を解くモデルを作成した.さらに,急行電車を廃止して,乗り換えによる混雑と電車の遅延をなくすことが,結果として乗客の円滑な輸送に効果があることをしめした.この対策は,ある私鉄線で実際に導入されて効果を挙げている.5.電力自由化問題を取り上げ,各種分散型電源の普及形態を探る数理計画モデルを構築し,種々の観点からのぞましい分散形態を探った.6.都市間移動のための施設としての新空港を建設した場合に,利用者の予測をするモデルを提案した.7.鉄道輸送に関しては,経済性を考慮して軌道の最適保守計画を策定するモデルを作成した.また,CO_2の排出削減の観点から,トラックによる貨物輸送を貨物列車による輸送に転換できるかどうかを検討するモデルを作成し,東海道線を例として実証的分析を行った.8.空間相互作用モデルの一般化に向けて,立ち寄り型のエントロピーモデルの開発と周遊モデルの提案を行った.
著者
大山 達雄 丹羽 冨士雄 諸星 穂積 伏見 正則 杉野 隆 吉井 邦恒 森地 茂
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

(1)わが国における過去20年間の鉄道事故を事業者、形態、原因という3つの観点から実証データをもとに統計的解析を行った。鉄道事故の推移を確率現象として捉えた上で、それらの形態を説明する数理モデルとして事故データを最も良く説明する確率モデルを提示し、特に踏切事故削減対策の効果分析を行った。(2)ネットワーク構造を有するライフラインシステムの頑健性の定量的評価のための基礎理論の構築と手法の開発を行った。その現実のシステムへの応用として、マニラ市(フィリピン共和国)と東京都における道路交通網を対象としたネットワークの連結強度解析に経路数え上げ法を適用し、両者の比較分析を行った。(3)都市交通・輸送、公共施設配置などの分野に対するOR手法の適用可能性に関する基礎研究として、わが国の主要な公共輸送システムとしての鉄道システムの軌道保守計画システムの構築、消防署等の公共施設最適配置のための数理計画最適化モデルの構築と検証、さらにはシステムモデル解の実用化を試みた。(4)わが国の危機管理対応策の一環として、食料安全保障問題を取り上げ、食料自給率向上のための最適戦略を求め、その効果分析を行うための最適化モデル構築を目的として、モデルの概念設計、データ収集、最適化計算を行った。(5)わが国における電力自由化問題を取り上げ、それに伴って増加が予想される各種分散型電源の望ましい普及形態を探る数理計画最適化モデルを構築し、供給者、需要家、そしてグローバルな観点という相互に異なる評価基準を有する主体にとって望ましい分散型電源の普及形態がどのようなものかを探った。(6)国内外における公共政策評価の理論と実際を整理するために、評価の現状、概要、事例紹介、経緯分析等からなる著書の編著を行った。本研究の最終報告書の作成を行った。
著者
大山 達雄 三和 雅史
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.569-575, 2008-10-01
参考文献数
5

鉄道は他の輸送手段に比べて安全性において優れているとされているが,まれに発生する大事故が与える社会的不安,損失は極めて大きいことから,安全な輸送を安定して確保するための安全性向上戦略を科学的に検証し,効率的な安全性向上策を検討することは重要である,一方,多くの死傷者をもたらす自然災害についても,その発生および被害データを統計的な観点から眺め,科学的に考察した上で安全性の向上に結びつけることも重要である.本稿では,わが国において発生した鉄道重大事故と自然災害に関する統計データ解析を実施し,発生傾向,原因,被害状況を把握した上で,有効な安全性向上策を検討する.
著者
伏見 正則 田口 東 大山 達雄 腰塚 武志 三浦 英俊 栗田 治
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.都市の平面交通に関する数理的研究:東京都のような放射・環状道路網を有する都市,あるいは札幌や京都のような直交格子状道路網を有する都市において、通勤や物資の輸送等のために生ずる交通量について、種々の特性を数理的に求め、それに基づいて、渋滞を避けるために必要な道路面積、就業地域と住宅地域の最適な配分等についての知見を得た。また、東京都を例にとって、実際のデータと理論の整合性についても検討した。2.都市の高層ビルにおける移動時間の分析と、ビルの効率的面積配分に関する研究:高層ビル内の移動に関して重要な役割を果たすエレベータとエスカレータに関して,適切な役割分担、ゾーニング方式の最適設計、移動に必要な部分の面積とオフイスに使える面積を考慮したビルの最適形状等について数理的な検討を行った。また、ビル間の移動に要する時間を考慮した場合に、交通路と居住地をどのように配分するのが適切かについても数理的に論じた。さらに、新宿の高層ビル群で移動に要する時間の実地調査を行い、数理的なモデルの妥当性を検証するためのデータを得た。3.都市間交通網の評価:道路網あるいは鉄道網による都市の結びつきの強さをグラフ理論を使って評価する方法を検討し、それを使って、北海道の道路網およびユーラシア鉄道網の評価を行った。このような研究は、新線建設の重要度評価などのために有用であると考えられる。4.公共施設の最適配置:高額な高度医療機器や老人福祉医療施設などの公共施設の配置に関する地域間格差を調査し、それに基づいて、施設を適正に配置するための数理的手法について検討を行った。