著者
WRONSKI A.
雑誌
Math. Japonica
巻号頁・発行日
vol.28, pp.211-213, 1983
被引用文献数
4
著者
谷村 吉隆 DIJKSTRA ArendG. DIJKSTRA A.G.
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本年度は昨年度行った非マルコフ性について研究をさらに発展させ、系と熱浴が強く結合していることにより生じる平衡統計力学からのずれについて詳細に研究した。具体的には2スピン系に2つの熱浴をつけた研究を行った。この計算は2つの独立した階層を扱うことになり、計算コストは大変高いが並列化等の処理により初めて可能になった。系と熱浴との相関に関しても、非線形応答関数を計算する手法を応用することでより深く研究しBathentanglementという概念を導入して、その解析を行った。結合強度が強い領域で熱浴とのエンタングルメントにより、通常の熱力学と様相が大きくことなることをパンプ・プローブなどの非線形分光スペクトルと結びつけながら研究を行った。光合成FMO系についてこのような概念を導入することで、これまでの結果を変えるかについてもチェックを行った。これまではドルーデ型という構造をもたないスペクトル分布関数にを用いて主に研究をおこなったが、ブラウニアン型という、共鳴周波数をもつスペクトル分布関数に対する階層方程式をもちいることで、電子移動反応についての2次元分光についても研究を開始した。マーカスのインバーテッドパラボロと呼ばれる化学反応律の変化を、シーケンシャルからスーパーエクスチェンジと呼ばれる電子移動反応領域について、階層方程式を用いることで統一的に議論し、それがどのように多次元分光スペクトルに反映されるかについてのシミュレーションを開始している。結果はヨーロッパやシンガポール等の国際会議で発表し、投稿中を含む2本の論文として出版した。
著者
Joseph A. Loo Sabrina A. Benchaar Jiang Zhang
出版者
日本質量分析学会
雑誌
Mass Spectrometry (ISSN:2187137X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.Special_Issue, pp.S0013-S0013, 2013-04-15 (Released:2013-05-03)
参考文献数
35
被引用文献数
2 5

Native protein mass spectrometry (MS), the measurement of proteins and protein complexes from non-denaturing solutions, with electrospray ionization (ESI) has utility in the biological sciences. Protein complexes exceeding 1 MDa have been measured by MS and ion mobility spectrometry (IMS), and the data yields information not only regarding size, but structural details can be revealed also. ESI-IMS allows the relative stability of protein–ligand binding to be measured. Top-down MS, the direct dissociation of the intact gas phase biomolecule, can generate sequence and identity information for monomeric (denatured) proteins, and topology information for noncovalent protein complexes. For protein complexes with small molecule ligands, i.e., drugs, cofactors, metals, etc., top-down MS with electron capture dissociation can be used to elucidate the site(s) of ligand binding. Increasing protein ESI charging, e.g., supercharging, enhances the efficiency for dissociation of protein complexes.
著者
スムーラ A.
出版者
コリア評論社
雑誌
コリア評論 (ISSN:04544234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.38-40, 1957-09
著者
堀田 昌克 Tauber D.a. Holmes Jr.A.L. Miller B.I. Bowers J.E.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.192, pp.19-24, 1996-07-25

高出力、 広帯域な半導体レーザの実現を目指して、熱放散特性、高周波信号伝搬特性に優れたマイクロストリップレーザ(Microstrip laser: MSレーザ)という新たなレーザ構造を検討した。MS-レーザは下部クラッド層の直下に厚い金電極を有していることを特徴としている。本構造の作製工程を考案し、 試作した素子の諸特性を評価した。 ボンデイング工程及びその後のレーザプロセスが素子特性に悪影響を及ぼしていないことを、その閾値電流特性から確認した。また、CW発振特性、高周波信号伝搬実験から、本構造が従来の構造に比べて熱放散および高周波伝搬特性に関して優れていることを明らかにした。
著者
Santo Tetsuo A
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.241-254, 1960-07-10

前橋では,ある場所の脈動振巾が最大になつた時の台風や低気圧の速度,位置および中心示度などの間には,ある関係式が成立つことを述べたが,さらに本橋では,まづ低気圧や台風の中心のまわりに,ある領域を考え(第2b図)脈動観訓点付近の海岸に最高の波浪として到達する波がこの領域のへりから送り出されたと考えるとうまく説明のつく新しい関係式を導いた(式(1)).この領域の半径は,低気圧や台風の進行方向の左側では,中心示度が1000ミリバール以上の低気圧では数十キロメートル,中心示度が985ミリバール位以下の台風では300~400キロメートル位のもので,進行方向の右側ではこれ等よりもやや大きい.つまり,さうした領域のふちから出た波浪が,観測点付近の海岸に最高の波浪として到達し,それと同時にそこの脈動が一番大きくなる,ということで,ある場所の脈動と,それをおこすエネルギー源である低気圧や台風の速度や大きさ,およびその位置などに関係した時間的空間的な相互関係がうまく説明されてくる.そこでつぎには,果してそれならば,ある場所での波浪が一番高くなつた時に,その同じ場所での脈動も同時に一番大きくなるだろうか,という点に関する直接の確証が望まれてくる.そこで今回,千葉県銚子市の名洗港(第5図)で脈動を観測し,その振巾の最大時が同じ場所で運輸省第二港湾建設局の行なつている波浪観測の波高の最大時と果して一致するかどうかを調べて見た.その結果は予想通りであつて,この両者はかなりよく一致した(第8図).さらに,今度の観測で認められたことは,a)防波堤に直接打ち当る衝撃力は,脈動にはならないこと(第10図のA).b)少なくとも日本では,ある場所の脈動振巾は,ほとんどその場所の近くの波浪の高さで左右され,広い範囲にわたつて一様な地殻構造をもつた大陸で従来認められているようには脈動は伝播してゆかないこと.c)観測点周囲の複雑に入りこんだ崖や,妨害物等によつて,局部的な定常波が方々で見られたが,脈動による地面の動きも,これ等の局部的な定常波発生源を脈動源と考えて差支えないこと(第10図のB).等である.また,脈動の周期がいつも波浪の周期の約半分になつているという点を説明する定常波説をより一層確認する目的で,波浪の波形の中には第二高調波がほとんどないことを,最近気象研究所の海洋研究部で完成されたスペクトル分析器による結果で確めた(第9図).以上三部にわたつて,いろいろの角度から脈動の発生する場所についての究明を試みて来たが,結局帰するところは,脈動は波浪が海岸に到達し,海岸線上のどこか,十分な反射波が生じうる場所で入射波と反射波との間に起る定常波によつて発生する,ということである.このような発生源は,当然それぞれの場所における波浪の反射率の大小,定常波発生領域の広狭,さらには,その領域の海底における弾性波の吸収係数の大小等に左右される「強さ」を一つ一つ持つているであろう.しかも,これ等の異つた強さをもつ発生源の一つ一つからやつてくる脈動波自体が,また一定の振巾ではありえない.何故ならば,それぞれの発生源に送りこまれる波浪の高さ自体が,それぞれ独立に絶えず変動をくり返す性質のものだからである.したがつて,局部的に脈動を観測する限り,脈動波は全く不規則にあちこちからやつてくるように見える.また,特に強い発生源がある方向に存在する場合には,海上をエネルギー源(低気圧や台風)が移動しても,この強い発生源からの脈動波が終始卓越して観測されることも当然ありうる.
著者
Wu Chun-Chieh Bender Morris A. Kurihara Yoshio
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.777-788, 2000-12-25
参考文献数
15
被引用文献数
1

GFDLにおいて開発されたハリケーンモデルをAVN及びNOGAPS全球解析のそれぞれと結合して、台風予報システムGFDSとGFDNがつくられた。GFDSシステムは、1995(1996)年に16(24)個の台風について、125(178)例の予報実験を行い、台風経路の予報で非常に良い成績を示した。12、24、36、48及び72時間後の予報位置の平均誤差は、1995(1996)年の場合、95(108)、146(178)、193(227)、249(280)及び465(480)kmである。CLIPER予報と比べると、約30%の精度向上となった。平均誤差と同時に誤差の標準偏差も減少したが, これは、低緯度では進路が北に偏る傾向があるものの、GFDSの予報精度と信頼度の高さを示すものである。一方、台風強度の予報は満足出来るものではなく、大西洋における誤差と同様に、弱い(強い)台風を実際よりも強く(弱く)予報し過ぎる傾向がみられた。1996年には二組の予報システム(GFDSとGFDN)で同時に予報が行われたので、二組の台風位置予報を比較した。台風の予報位置の誤差は、距離については両者は大体同程度であったが、それぞれの予報位置には、異なった方向に系統的に偏る傾向(系統的偏差、場所に依存する)が認められた。その結果、二つの予報の平均をとると、それぞれの予報にくらべて予報誤差が10%減少した。予報の向上は、それぞれの予報を系統的偏差で修正する補足実験でも認められた。系統的偏差は定常ではないが、それを熱帯低気圧の予報精度向上に役立てることができるかもしれない。

1 0 0 0 OA The rare-RI ring

著者
Ozawa A. Uesaka T. Wakasugi M.
出版者
Oxford University Press
雑誌
Progress of theoretical and experimental physics (ISSN:20503911)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.03C009, 2012-12
被引用文献数
55

We describe the rare-RI (radioactive isotope) ring at the RI Beam Factory (RIBF). The main purpose of the rare-RI ring is to measure the mass of very neutron-rich nuclei, the production rates of which are very small (hence ‘rare RI’) and the lifetimes of which are predicted to be very short. In the rare-RI ring, there are two innovative pieces of apparatus: individual injection, which can realize the injection of 200 A MeV rare RIs one by one, and a cyclotron-like storage ring, which allows high isochronous magnetic fields with large angular and momentum acceptances. With these devices, we will achieve a 10−6 mass resolution, and will be able to access rare RIs, the production rate of which is down to 1 event/day/pnA. Construction of the rare-RI ring started in fiscal year 2012.
著者
Camnasio Anibal J. Gonzalo J.A.
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
Journal of the Physical Society of Japan (ISSN:00319015)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.451-459, 1975-08-15
被引用文献数
26

A Comparative study has been made of the specific heat in single crystals of triglycine sulfate (TGS) and deuterated triglycine sulfate (DTGS). Measurements were performed (a) in the temperature interval 100-400 K, and (b) around the respective critical regions (at small temperature intervals &sim;0.02℃). In the low temperature region, both experimental curves were almost coincident, and they showed a temperature dependence indicative of strong anomalous anharmonicity. The heats of transition (ΔQ=1.90±0.10 joule/g.) and entropy change (ΔS=(6.21±0.30)×10^<-3> joule/g℃) were almost the same for both crystals. The specific heat discontinuity was substantially different in both cases, ΔC_p=0.24±0.03 joule/g℃ for TGS, and ΔC_p=0.48±0.03 joule/g℃ for DTGS. Calculations based on both the thermodynamic theory and the statistical theory of ferroelectrics show fair agreement with the data.