著者
沢崎 徹 森 裕司 加納 康彦
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.23-38, 1979-01-31 (Released:2010-12-09)
参考文献数
8

1.シバヤギに関する形態学的資料を整備する目的で, できる限り自然に近い状態に保定した雄を用い, 断面解剖学的に検討を加えた。2.胸部, 腹部, 骨盤腔部の各臓器, および筋の解剖学的位置関係を明らかにした。3.これらの成績の詳細は, Fig.2~Fig.14に示した。
著者
曲渕 輝夫 輿水 馨 藤原 公策
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.123-129, 1977-04-25 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 4

1975年の2月から4月にかけて, 都内某研究所で集団発生したゴールデンハムスターの多数の死亡をともなうwet tailの原因を究明するため, 病因・病理学的検索, 伝達試験を行った。剖検された11匹中10匹に出血性腸炎が, 5匹の肝には, 針頭大の淡黄色または乳白色の壊死病変が認められ, 腸および肝の塗抹標本に, Tyzzer菌と思われる桿菌が多数認められた。発症ハムスターの腸管乳剤を健康ハムスターに経口投与すると, 10~14日で自然例と同様の症状を発現死亡し, 腎および肝の塗抹標本に多数のTyzzer菌が認められた。汚染床敷を入れたケージを54日間室温に放置した後, 健康ハムスターを入れると, 5~19日目までの間にwet tailを発現死亡し, 腸および肝の壊死病変部には, 多数のTyzzer菌が認められた。この事実からwet tailの集団発生に, Tyzzer菌の芽胞が重要な役割を演じていることが示唆された。
著者
佐藤 正寛 小畑 太郎
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.731-735, 1995-10-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11

シリアンハムスターを選抜実験に用いるため, 給与飼料および交配週齢が受胎率や離乳子数などの繁殖成績に及ぼす影響について検討した。雌240匹を2群に分け, 1群には草食動物用飼料ZC-2, 他の1群には繁殖用飼料MB-1を給与して育成した (育成期) 。交配時に各群をさらに2群に分け, 1群は育成期と同一飼料, 他の1群は飼料を変えて繁殖させた (繁殖期) 。交配は各群の半数を8週齢, 残りの半数を12週齢で行った。育成期にZC2を給与し, 繁殖期にMB-1を給与した区が, 雌親の分娩数, 離乳数, 3週齢時における子の匹数および一腹体重において有意に高い値を示した (P<0.01) 。12週齢交配区は8週齢交配区に比べて, 雌親の分娩数, 分娩時における産子数と一腹体重において有意に高い値を示した。しかし, 3週齢における子の匹数や一腹体重には差がみられなかった。以上の結果から, ハムスターの育成期には比較的高繊維質の飼料を給与し, 繁殖期に繁殖用飼料に切り換えることによって高い繁殖成績が得られることが明らかとなった。
著者
武田 満
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.104-106, 1959-07-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
3

ss系マウスの生時に乳子数を4匹 (2: 2) に制限し, 容積の異る4種の飼育箱に飼育して生産能力として, 成長・性成熟及び産子能力を観察した成績は次の如くである。1) 飼育密度の低いほど成長はよい。2) ♀の膣開口日令においては差はなかつたが, 受胎日令では飼育密度が低いほど長い傾向があつた。♂の精巣下降日令では差は見られなかつた。3) 産子数・産子体重及び生時体重の夫々と飼育密度の間には特に明かな関係は見られなかつた。
著者
呉 祥林 王 春燕 加藤 秀樹 〓 瑞昌 張 新創 姚 甘火 朱 碧霞 森脇 和郎
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.541-543, 1992-10-01 (Released:2010-12-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

中国において最もよく使われているアウトブレッドの昆明マウスから育成された近交系LIBP/1系統の遺伝的プロファイルを作成するために26遺伝子座を調べた。4種類の毛色遺伝子の遺伝子型は, a/a, B/B, c/cおよびD/Dであった。21種類の生化学的標識遺伝子の検査結果は, Ahp-lb, Amy-1a, Car-2a, Ce-2a, Es-1b, Es-3a, Es-1Oa, Es-11a, Gpd-la, Gpi-1a, Gus-1b, Hbb3, Idh-1a, Ldr-1a, Mod-1a, Mup-1b, Pep-3b, Pgm-1a, Sep-1b, Tam-1cおよびTrfdであった。H-2遺伝子座は, KbおよびDbであった。
著者
芹川 忠夫 山田 淳三
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.665-671, 1993-10-01 (Released:2010-08-25)

LAS公開シンポジウム「実験動物科学の使命と新たなる展開」の講演要項中, 「獣医学は実験動物科学のなかで何をなすべきか (光岡知足) 」の7ページ, 21行目~25行目に, 記述が不十分なところがあったので, 24行目, 「微生物学的研究・開発の重要性について言えば, 昨年11月から今年1月, 京大医学部附属動物実験施設で起きたラットの腎症候性出血熱とそれに対する対応のしかたに問題があったことからも明らかである。」のあとに, 「このような事件の再発を防止するためにも, また, 適正に行うべき動物実験を, とかく安易に考えがちな実験動物使用者に対して警告を与える意味においても, 本病原体がどのような経路で侵入し, 本事件をどのように処理したか, さらに, 今なお, どのような問題が残されているかについて関係者の見解を表明すべきであったと思う。」を挿入・加筆することを考えたが, 上記のような関係者の報告が掲載されることとなり, ここに7ページ, 21行目~25行目の記述のすべてを削除する。関係者から問題点として指摘された項目を含め, 人畜共通伝染病としての微生物学的研究・開発ならびに情報システムの一層の進展を望むとともに, 同様の事件発生の際には, 積極的に会員に事件についての情報を提供していただくことを切望する。
著者
田爪 正気 梅原 恵子 松沢 秀之 相川 浩幸 橋本 一男 佐々木 正五
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.517-522, 1991

マウスの寿命に及ぼす無菌状態と食餌制限の影響について検討した。実験動物は雄のICR系無菌およびSPFマウスを用いた。制限食の開始時期は生後5週とし, 自由摂取群と制限食群とに分けた。制限食群の食餌は自由摂取群の摂取量の80℃6 (4.5g/日) を毎日与えた。平均寿命は自由摂取群のSPFマウスでは75.9週, 無菌マウスでは88.9週, 制限食群のSPFマウスでは117.5週, 無菌マウスでは109.6週であった。また, 体重を計測した結果, 制限食群は自由摂取群と比べて, SPFおよび無菌マウス共に低値の成績が得られた。この結果, 離乳直後からの食餌制限は成熟を遅らせ, 成長期間が長くなり, 寿命が延びている可能性が考えられる。一方, 無菌マウスの平均寿命はSPFマウスの平均寿命と比べて, 自由摂取群では長く, 制限食群では短かった。この成績から, 無菌状態と食餌制限の組合せでは顕著な延命効果は認められなかったが, 各々単独では平均寿命の延長に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
著者
水谷 誠 茅野 和夫 梅沢 英彦 倉益 茂実
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.59-61, 1974 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11
被引用文献数
9

1.白色の羽毛でおおわれ目・耳の周囲, 頭・背・尾部ならびに副翼部 (副翼羽, 覆翼羽) に散在的に野性型羽毛をもつ羽装―panda―は遺伝形質である。2.その形質は常染色体上の劣性遺伝子によって発現すると思われる。
著者
滝沢 光男 矢島 隆二 林 昌亮 坂口 孝
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.311-314, 1978-07-25 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

市販のプラスチック膜 (パラフィルム) を用いた微量測定法により, ラットのプロトロンビン時間を測定しQuickの方法による生理値と比較したとき, その相関係数は0.951と非常に高く, 本微量法は血液凝固能を検索する上で有効であることが確かめられた。またその応用例として, 名種実験動物におけるプロトロンビン時間について本法により検討したところ, ウサギの正常値は9.8秒と最も短かく, 次いでイヌ, マウス, ネコ, ラットの順に長くなり, その正常値はそれぞれ12.5, 13.3, 14.8, 16.0秒であり, モルモットの場合が最も長く25.3秒であった。
著者
大野 京子 丹羽 愛樹 加藤 志津香 子安 和弘 織田 銑一 近藤 恭司
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.449-454, 1992
被引用文献数
5

新たなる実験動物として小型食虫類のジネズミ (<I>Crocidura dsineaumi</I>) を飼育・繁殖した。動物の捕獲はシャーマンライブトラップを用いて行い, 木製ケージにて飼育した。数世代経過後はプラスチックケージにて飼育し, 餌は養鱒用ペレットおよびキャットフードを, 水は給水瓶にて自由摂取させた。繁殖は雄1雌1個体を2~3週間同居させ, 出産・哺育時は雄親を離すようにした。ケージ内飼育においては通年繁殖し, 妊娠期間は28~30日, リッターサイズは1~4匹であった。新生児は急激に成長し, 生後6~8週齢で成体になった (雄9.7g, 雌8.3g) .繁殖期間は約1年半, 生存期間はおよそ2年以上と考えられた。