著者
中潟 直己
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.11-18, 1994-01-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
44
被引用文献数
4 6

Embryos, oocytes and spermatozoa of mice could be successfully preserved at -1961 by simple freezing methods. The survival rate of frozen embryos was very high at thawing and they developed into normal young after embryo transfer. In gametes, the cryopreserved oocytes could be fertilized in vitro by fresh spermatozoa and the cryopreserved spermatozoa could fertilize fresh oocytes. Moreover, the cryopreserved oocytes could be fertilized by the cryopreserved spermatozoa and the embryos obtained by in vitro fertilization between cryopreserved gametes could develop into normal, live young after embryo transfer. In the future, if not only the embryos but also the oocytes and spermatozoa of many mouse strains are frozen, normal young can be produced from cryopreserved embryos and gametes.
著者
矢沢 肇 梅沢 英彦 倉益 茂実 宮嶋 正康
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.203-206, 1986

日本生物科学研究所付属実験動物研究所において全兄妹交配により, JWY-NIBS及びNWY-NIBSの2近交系が確立された。それらの起源, 確立過程, 成熟時月齢, 成熟時体重及び標識遺伝子は下記の如く要約される。1.JWY-NIBS: 起源: 東京都の高尾山付近で繁殖され, その後府中市の農家で維持されていたウサギを起源とする。近交開始年月: 1964年4月。近交系確立年月: 1981年6月。成熟時月齢: メス7カ月, オス7.5カ月。成熟時体重: メス2.8~3.0kg, オス2.7~2.9kg。生化学的標識遺伝子: ヘモペキシンHxs型, エステラーゼEst-1<SUP>s</SUP>型, α-プロテインはF型にそれぞれ固定していた。2.NWY-NIBS: 起源: 米国ジャクソン研究所より1967年に導入された系統III, ニュージーランドホワイト種を超源とする。近交開始年月: 1967年11月。近交系確立年月: 1982年7月。成熟時月齢: メス7.5カ月, オス8カ月。成熟時体重: メス2.8~3.0kg, オス2.9~3.1kg。生化学的標識遺伝子: ヘモペキシンHx<SUP>F</SUP>型。エステラーゼEst-1<SUP>s</SUP>型及びEst-2<SUP>f</SUP>型, α-プロテインはS型にそれぞれ固定していた。
著者
大塚 閏一 豊満 義邦 西中川 駿
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.113-127, 1981

キュウシュウノウサギ (以下<I>Lepus</I>) , アマミノクロウサギ (以下<I>Pentalagus</I>) および家兎JW-NIBSの前肢骨・後肢骨を骨計測学的に検索した。<BR>1) 肩甲骨, 寛骨以外の四肢の各骨の長さは, 第一中手骨, 膝蓋骨, 前・後肢の末節骨を除いて, <I>Lepus</I>が最も大きく, ついでJW-NIBSで, <I>Pentalagus</I>が極端に小さい。<BR>2) 肩甲骨, 寛骨以外の四肢の各骨の幅は, 全般的に<I>Pentalagus</I>がやや人きい傾向を示し, <I>Lepus</I>とJW-NIBSの間には顕著な差異は認められない。.<BR>3) 四肢の各骨の関節面の面積は, 骨の長さとの比率でみると, <I>Pentalagus</I>が広い。<BR>4) <I>Pentalagus</I>の末節骨の長さおよび中節骨との関節面の幅は, 最も大きく, 強大で, また, 内側の指または趾列が外側よりも大きい。 JW-NIBSの末節骨は幅狭く, 弱小である。<BR>5) <I>Lepus</I>およびJW-NIBSの寛骨の幅は, 雌が雄よりも明らかに大きいが, <I>Pentalagus</I>ではこの差異は明確ではない。
著者
大塚 潤一 豊満 義邦 西中川 駿
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.441-455, 1980
被引用文献数
1

キュウシュウノウサギ (以下<I>Lepus</I>) , アマミノクロウサギ (<I>Pentalagus</I>) および家兎JW-NIBSの頭蓋骨・胴骨を形態学的ならびに骨計測学的に検索した。<BR>1) 尾椎数は<I>Lepus</I>が10~12個, <I>Pentalagus</I>が10~11個およびJW-NIBSが15~17個である。<BR>2) <I>Pentalagus</I>の上顎臼歯数が5個という従来の記載は, この種属の識別用形質とは認められない。<BR>3) <I>Pentalagus</I>の眼窩および鼓室胞は極端に小さい。<BR>4) JW-NIBSの脳頭蓋の長さおよび頸椎, 胸椎, 腰椎の椎孔の幅は, 他の二者より小さい傾向を示す。<BR>5) 腰椎の棘突起および横突起の形状および大きさは, 三者間に明白な差異がある。<BR>6) 骨の計測値の変異係数は, JW-NIBSが最も小さい。
著者
小原 二郎 横地 千仭 岩井 博 吉村 将文
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.188-194, 1960-11-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

The roentgenological techniques for the giography of monkey were described. The techniques were proved to be useful either for stereotypic analysis of the cardiovascular system or in a magnificating studies with the organ slice following the administration of the contrast media.A live monkey should be examined by arteriopuncture under the intravenous anesthesia with pent- barbitulate. In the case of dead monkey, it was recommended to leave the body in 5°C for 48 to 72 hrs. before the application of contrast media.The emulsified contrast media was introduced slowly into the femoral artery under a fluoroscopy.Bucky was necessary for the better results in the roentgenography of a whole body or the trunk.No screen expose technique was used for the better result to the individual organs.In order to obtain a sharp picture, an enough distance for focal spot, low voltage and waek current were recommended since the exposure has not any limitation for the still object.
著者
武下 政一 芝谷 光治 子林 孝司 新比恵 啓志 周参見 正行 有行 史男
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.405-410, 1993
被引用文献数
1

50kGy電子線照射滅菌飼料をラットに給餌し, 親ラットの生殖機能ならびに第一世代および第二世代の発生・発育に及ぼす影響を検討した.その結果, 電子線照射滅菌飼料群に特異的な変化は認められず, 今回用いた50kGy照射条件下では, 電子線滅菌飼料は既存のγ線照射滅菌飼料と同様, ラットの繁殖・育成用飼料として使用可能と判断された。
著者
サクニミット モラコット 稲月 一高 杉山 芳宏 八神 健一
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.341-345, 1988
被引用文献数
71

マウス肝炎ウイルス (MHV) , イヌコロナウイルス (CCV) , Kilhamラットウイルス (KRV) およびイヌパルボウイルス (CPV) に対する消毒薬, 加熱, 紫外線の殺ウイルス効果を検討した。コロナウィルス (MHVおよびCCV) に対しては, ほとんどの消毒薬, 60℃, 15分の加熱で不活化ができたが, パルポウイルス (KRVおよびCPV) に対しては, ホルムアルデヒド, ヨードホール, 次亜塩素酸ナトリウム, 亜塩素酸ナトリウム以外に有効な消毒薬はなく, 80℃, 30分の加熱でも不活化できなかった。紫外線は, いずれのウイルスに対しても, 15分の照射で不活化できた。また, 同一ウイルス群に属するウイルスは各処置に対して同程度の反応を示し, ウイルス種, 株による差は認められなかった。
著者
黒岩 純一 今道 友則
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.213-222, 1977 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Chinchilla lnaigerは南米Andes山脈原産の齧歯目, ヤマアラシ亜目, チンチラ科, チンチラ属の毛皮獣でモルモットと比較的近縁である。当研究室では1966年チンチラの飼育繁殖を開始し, 常時120~150匹を飼育し, 実験動物化および毛皮産業の発展を目標として研究を行なってきている。本報は当研究室において最近4年間に得られたチンチラの発育, 繁殖に間する成績をまとめたものである。初回腟開口日令は変異が大きく (71日令以下~308日令) , 45匹の平均は173.2±57.6日令であった。24匹100性同期の平均は35.7±7.9日であり, 15~62日の範囲であった。5匹の動物について調べられた5妊娠期間の平均は110.4日で108~112日の範囲であった。3年間に分娩した123腹中で5月~8月の分娩数が81腹 (65.9%) で最も多い。従って妊娠期間約110日をさかのぼった1月~4月すなわち春がチンチラの繁殖に最も適した季節と考えられる。12月には分娩が見られず, 妊娠期間をさかのぼると8月~9月上旬には受胎しないようであり, Weirのいうsummer anoestrusと考えられる。産仔数は1~4匹で2匹が最も多く (46.3%) , 平均1.90±0.76匹 (1~4) であった。出生時の性比は133.7 (雌98, 雄131匹) で, 他の動物に比較して雄が多いようである。1973年の年間分娩数は37腹71匹で平均産仔数は1.92匹であった。離乳仔数は59匹, 1腹平均1.59匹, 240日令つまり成熟に達するとみなされる日令に達したもの50匹で1腹平均1.35であった。死因を調査した91匹の動物のうち, 事故死が26匹 (28.6%) , 乳仔の死亡が23匹 (25.3%) と最も多かった。不正咬合が9匹 (9.9%) , 直腸脱が5匹 (5.5%) と多いのが特徴的であった。
著者
青木 忍 天尾 弘実 斎藤 徹 斎藤 学 高橋 和明 多川 政弘
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.569-572, 1991-10-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6

モルモットの精巣摘出手術を腹部正中線および陰嚢の2ルートから行って, 手術時間, 術後の経過, 術創の治癒状況を比較し, いずれの手術ルートがモルモットに負担をかけずに, かつ安全に実施できるかを検討した。その結果, 手術時間には, 両者間に有意差は認められなかった。腹部正中線切開法では, 術後の経過が良く, 1週後の術創の治癒状況も良好であった。しかし, 陰嚢切開法では, 鞘膜臓側板や精巣白膜が薄く手術時に精巣実質を傷つけて精巣内容物を周囲に飛散させる危険性が高かった。そして, 治癒状況も不良であり, 5例中4例に陰嚢内化膿が見られた。以上の結果より, モルモットの精巣摘出手術法としては, 腹部正中線切開法が陰嚢切開法より適していた。
著者
織田 銑一 近藤 恭司
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.273-280, 1977
被引用文献数
1
著者
大野 民生 石川 明 山縣 高宏 並河 鷹夫 富田 武
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.123-129, 1992-04-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8
被引用文献数
9 9

行動異常変異形質がスンクスの実験室系統において発見された。行動異常個体は左右両方向への旋回行動と水平方向の首振り行動を特徴としており, 少なくとも生後10日齢において, 明確に判別できた。これら異常個体は生涯, 安定的かつ継続的に異常行動を示した。交配実験により, この行動異常形質は常染色体性の単一遺伝子座の劣性遣伝子により支配され, 浸透度は完全であることが判明した。さらに家系解析により, この遺伝子は沖縄県宜野湾市で捕獲した1匹の野性雄個体に由来することが判明した。そこで, この行動異常形質を「Waltzing」と命名し, 遺伝子記号wzを提唱した。Waltzing個体は旋回行動や首振り行動のほかに, 尾を持って持ち上げると体を頻繁にくねらせたり, 水中で頭部をまったく水面上に維持できない行動を示す。それ故, 一連の異常行動は平衡感覚器の異常と関係があると予想された。しかし, 行動異常個体は, 妊娠期間・産仔数・離乳率および体重についてほぼ正常であり, 毎世代30匹以上から成る閉鎖集団 (WZライン) として育成されている。
著者
菅野 茂 須藤 有二 澤崎 坦 澤崎 徹 加納 康彦 松井 寛二 森 裕司
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.433-439, 1980
被引用文献数
5

東京大学農学部附属牧場コロニーのシバヤギ55頭を対象にRaBA-Super Systemを用い, 血清総蛋白以下16項目の臨床血液化学値の測定を行った。<BR>1) ビリルビン, コレステロール, TTT, ALPおよびCPKのバラツキが著しかったが, 計測不能の項目はなかった。<BR>2) 年齢による差がみとめられ, 血糖, ChE, ALPおよびCPKは育成群が, 血清総蛋白およびアルブミンは成熟群が高値を示した。<BR>3) 雌成熟群におけるGPTおよびBUN値は秋, 冬に比べ, 夏に有意に低い値を示した。<BR>4) トリグリセライドおよびアルブミンについて, RaBA法と用手法の同時比較を行ったところ, 測定法による差がみとめられた。
著者
山口 孝雄 斎藤 徹
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.209-212, 1987-04-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

自然発情雌に関する交尾未経験雄ハムスターの交尾行動を夜間 (1900~2000時) に赤色ランプ下で30分間観察した。7例中5例の動物に射精に到る一連の交尾行動が見られた。さらに, これらの動物の交尾行動を再び観察したが, 交尾行動の促進は認められなかった。
著者
寺田 英司 中山 太郎 日置 恭司 斎藤 宗雄 奥平 博一
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.365-367, 1980-07-10 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

Outbred hooded由来であるヌードラット (rnu/rnu) の, 免疫学的性格を検討した。胸腺依存性抗原 (ヒツジ赤血球) に対する抗体産生は, ヘテロ型 (+/rnu) ではIgM, IgG抗体ともに, 産生されるにもかかわらず, ホモ型 (rnu/rnu) ではIgM, IgG抗体とも, 一次反応, 二次反応でも検出されなかった。マウスsarcoma180の移植能を検討したところ, ヘテロ型では腫瘍の生着はみられなかったが, ホモ型では30日間以上生着し, 増殖することがわかった。T細胞にmitogenであるCoA, PHA-Pに対して, ホモ型の脾細胞は反応を示さなかった。以上のことから, rnu遺伝子をホモ型にもつこのヌードラットにおいては, T細胞機能が欠損していると結論した。
著者
猪 貴義 石垣 貞夫
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.8-13, 1961-01-30 (Released:2010-12-09)
参考文献数
8

1949年以降, 東北大学農学部家畜育種学教室で育種して来たマウスの4系統, dd, rr, ss, C57BLの成熟♂を用いて赤血球数, 白血球数, hemoglobin量, 血清蛋白濃度, 白血球の分類について, 平均値と偏差を求め, 統計的にその有意差を検討したところ, 赤血球数, 白血球数, hemoglobin量において有意差のあることを認めた。赤血球数はdd 1055±64万, rr 1090±66万, ss 994±80万, C57BL 1117±78万であり, 白血球数はdd 8, 560±1, 628, rr 8, 013±1, 655, ss 6, 725±1, 696, C57BL 5, 046±2, 242であり, hemoglobin量はdd 15.29±1.01g/d1, rr 16.74±0.68g/dl, ss 15.53±1.20g/dl, C57BL 15.12±1.15g/dlであった。なお, 血清蛋白濃度については系統間の有意差がなく, 白血球の分類については好中球についてrrとC57BLとの間にのみ有意差があり, 他の系統間には差はみられなかった。
著者
後藤 一雄 伊藤 豊志雄
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.389-394, 1994
被引用文献数
2

ティザー菌をPCR法を用いて, 高感度かつ特異的に検出する目的で, マウス由来ティザー菌 (MSK株) の16SリボゾームDNA (rDNA) の塩基配列を決定し, その配列をRJ株 (ラット由来) の配列と比較した。決定された配列はMSK株およびRJ株で相同性が高かったが (97%以上) , 他の菌種との相同性は低かった (70~83%) ことからティザー菌種に特異的配列を含んでいると考えられた。そこで, PCR法でTyzzer菌種を特異的に検出するプライマーをこれらの塩基配列をもとに選択した。選択されたプライマーを用いたPCR法では, ティザー菌2株 (MSK株およびRJ株) の他, ハムスター由来のHN株を検出できたが, ティザー菌以外の細菌は検出されず, ティザー菌種に対して高い特異性を示した。また, 1個以上のティザー菌 (RJ株) が検出可能であった。さらに, 9匹のJc1: Wistarラットに2×10<SUP>4</SUP>の菌を経口的に実験感染させ, 接種後1, 3および5日目にそれぞれ3匹ずつ肝臓, 心臓, 盲腸, 脾臓および腸間膜リンパ節を採材しPCR法および蛍光抗体法を用いて菌検索を行った。接種後1および3日目の材料からはいずれの方法においても菌は検出されなかった。しかし, 接種後5日目のラットのうち1匹は肝臓および心臓から, 他1匹は盲腸からそれぞれ両方法によって菌が検出された。これらの結果から, 今回明らかにされたMSK株16SrDNAの塩基配列はティザー菌種間でよく保存されていること, さらに選択されたプライマーを用いたPCR法が高感度かつ特異的なティザー菌診断法として有用であることが示唆された。