著者
吉仲 亮 岩下 洋哲 川原 純 斎藤 寿樹 鶴間 浩二 湊 真一
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.616-622, 2012-11-01

本稿では,フロンティア法による,与えられたグラフ上の特定の制約を満たす部分グラフ抽出の具体的応用例として,ナンバーリンクとスリザーリンクと呼ばれるパズルそれぞれのための解答器と問題生成器のアルゴリズムを提案し,実験結果を報告する.また,この技術を用いたスリザーリンクの問題作成支援についても議論する.
著者
出口 弘
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.598-604, 2011-10-01

本稿では,エージェントベースのモデリング&シミュレーションに関する認識論的課題を扱う.そこでは方法論的なモデルの展開(Unfolding)と畳込み(Folding)という概念を鍵に,エージェントベースのモデル作法について論じる.従来のマクロな微分方程式モデルを中心としたモデル化技法は,マクロな変数の増減を定める動的プロセスを定式化するものである.しかしそのマクロ変数がマイクロなエージェントの状態変数から得られるシステムでは,個々のエージェントの状態変数からなるモデルへとモデルを展開することで,より微細な境界条件をモデルに組込むことが可能となる.本稿ではこうした異なる粒度や視点を持ったモデル間の相互関係をモデル化の認識論として分析する.
著者
鳥越 規央
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.11-16, 2012-01-01
参考文献数
9

メジャーリーグでは,セイバーメトリクスというプロ野球のデータ解析手法によって生み出された指標に基づいて選手を評価している.こうした動きは日本のプロ野球においても徐々に浸透している.近年はプロ野球データも1球ごとに細かく収集されているため,より精度の高い分析手法の開発も期待できる.本報告では,アウトカウント,塁状況別シチュエーションにおける得点差別の勝率確率の算出方法を解説する.これによりWPA(Win Probability Added)と呼ばれる,選手の貢献度を示す指標を用いて選手評価を行うことができる.さらには,ある打順が1試合当たりに得る平均得点の算出方法を紹介し,より多くの得点を得た打順にどのような傾向が見られるかを考察した.
著者
小宮 享 牧 正人
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.346-351, 2006-06-01

運動会などでおなじみの棒倒しの試合では,対戦前にどちらのチームとも,まず全競技者を攻撃・防御担当に配分し,次に各担当ごとに作戦計画を立てると思う.例えば攻撃・防御とも,より細分して綿密な役割分担を決定したり,タイミングや攻撃方向を設定したりするかもしれません.本稿では,このような作戦が練られ統制のとれた棒倒しの対戦での双方のチームの消耗の様子をランチェスターモデルにより記述することを試みた.次に設定した棒倒しモデルにおいて,予め決められた試合時間をいくつかの時間帯に分け,各時間帯での最適な攻撃要員の配分や心理状況により攻撃配分が変化する様子を観察した.