著者
池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-16, 2005
被引用文献数
1

万葉集は我国最古の歌集であり、全20巻には4,500余りの歌が集められている。万葉集に用いられている語彙は延べ50,070であり、異なり語彙では述べ6,505語である。この数は源氏物語の総語彙数207,808語、異なり語11,423語に及ばないが、枕草子の総語彙32,906語、異なり語数5,247語よりは多い。万葉集に用いられている語の中で、興味を引かれた幾つかの語彙について調べてみたので報告する。
著者
池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-16, 2004-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
65

平安朝の食について文化に関わる視点から分析を続けているが、これまでに『土佐日記』『枕草子』『和泉式部日記』『紫式部日記』『更級日記』『讃岐典侍日記』について報告した。今回は『竹取物語』『伊勢物語』『大和物語』および『平中物語』を資料として用いた。
著者
西村 幹也
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.21-32, 2008 (Released:2017-06-17)
参考文献数
8

モンゴル国北西部に居住するトナカイ飼育民ツァータンのトナカイ飼育の実態と管理方法を年間を通じて概観し、その特徴と成立について考察する。ツァータンのトナカイ飼育は社会主義時代に推奨された大規模トナカイ群飼育の方法を取り入れ、塩や尿を利用したり、頻繁な接触によって馴化を行うといった個別の個体管理方法に加えて、群を種類毎に分け、柵を利用するなど群単位による管理方法を平行して同時に行うようになり、合理的かつ効率的なトナカイ管理を行うに至っている。その結果、草原家畜と比較して経済効率の悪いトナカイ飼育を少ない労働力でまかない、平行して他の活動を積極的に展開し、資本主義経済に移行して後の社会変化に適応しようとしている。
著者
阿部 好恵
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.87-98, 2011-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
29
被引用文献数
1

社団法人やどかりの里では,年1回やどかり研究所報告・交流集会が開催される.この集会の過去5年間の記録における研究報告は,量的研究に比べ質的研究が多い.また活動に参加する当事者の「語り」を対象とした質的研究に着目すると,その多くにエスノメソドロジーの特徴が見られた.このことは,約35年前の「相互研修会」の記録の中で既に示されていた自明性の重要性の指摘にも通じるものであり,当事者の「語り」の質的研究が今後も継続することの重要性が示唆された。
著者
川井 美佳 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.23-34, 1996-03-25 (Released:2017-06-16)
参考文献数
12
被引用文献数
18
著者
工藤 ゆかり
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
no.53, pp.19-25, 2016-03-31

保育の質の向上が求められている状況下にあるが、幼児にとっての遊びの意義の捉えも実際の保育実践も様々である。そこで、自身の保育実践を振り返り、幼児の遊びの意義、遊びの充実と保育者の援助との関連性について検討を行った。幼児は、興味・関心に基づく遊びに自発的に取り組み、没頭する中で必然性のある学びを得る。モノや人と存分にかかわることの出来る時間や空間の保障、1つ1つの遊びが関連づくような配慮、1人の遊びが周囲の幼児に広がるような保育者の援助が必要であり、遊びの充実には保育者の援助は大変重要であるといえる。
著者
佐藤 英晶
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
no.51, pp.47-56, 2014-03-31

平成25年9月に発表された特別養護老人ホームへの入所を要介護3以上とする入所要件の変更など、介護保険制度における施設サービスの利用抑制や費用負担の見直しなどが進んでいる。高齢者人口の増大に伴う施設サービスニーズの拡大と介護保険料の高騰や社会保障給付費の増大という需給バランスをとりながら、福祉的理念を保った制度運営が求められる。しかし、一連の制度改革の方向性は、特別養護老人ホームの施設整備を抑制するなどにより、いかに介護保険給付費の増大を抑制するかという前提の下に進められている。特別養護老人ホームの入所要件の厳格化については、国が議論してきた内容そのものに大きな誤謬があることが、各種のデータ等から明らかになった。こうした財政的事情優先の制度改革は需給バランスの偏りや福祉的理念を欠き兼ねない問題を含んでいることが示唆された。
著者
松浦 美由紀 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.A11-A18, 1991-03-25

1.女子学生(帯広大谷短期大学栄養士科学生)を対象に、その食行動を分析した。 40名4日間、延べ456回の食事について調べた。2.欠食割合は0.5%である。食事は椅子に腰かけて、テーブルを使用する場合が最も多い。食事をする人では、一人で摂る場合、家族と共に、および友人と摂る場合が、それぞれ同じ割合である。昼食は友人と共に摂る場合が7割と多い。3.食事中に4割以上の人がテレビを見ている。食事中の会話は2/3の者がしている。4.食事を作る人は、朝は自分で作る割合が大きく、昼食は食堂で摂り、夕食は家族、寮、下宿の人が作ったものを摂る割合が大きい。5.用いる食器は、朝と夕は茶碗と汁椀が多く、ついで洋皿である。箸は、全体の2/3が使用するが、フォークの使用も大きく、時に昼食でフォークとスプーンの使用が大きい。6.調味・香辛料では、醤油が最も多く、マヨネーズは三食共にかなり用いられ、昼食ではコショウと砂糖の使用が大きい。7.食事の前後に"いただきます"、"ごちそうさま"を言う割合は50数%である。8. 1日に摂る食材料の平均値は、23.3品目である。
著者
池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.25-31, 2013

万葉集に使用される5万余りの語彙の内、`こころ'の関連語および`おほに'の類縁語について分析した。 `こころ'の語は252回用いられ`情、心、意、神、景迹'の文字があてられている。そのうち`情'と`心'の字が大半を占めている。 `おもふ'は万葉集に536回用いられ`念、思、憶、想'の文字が使用されているが、その8割は`念'の字である。 `おほに'は12回、`おほほし'は19回用いられ、前者には`髣髴、凡、鬱(欝)、不明、踈'が、後者には`欝、鬱悒、不明、不清、凡'が使用されている。 `髣髴'は`おほに'の他に`ほのか'と訓まれ、`鬱'は`おほに、おほほし'の他に`いぶせし'と訓まれる。`凡'は`おほに、おほほし'の他に`いぶせし'と訓まれる。`凡'は`おほに'および`おほろか'と訓まれている。
著者
明神 もと子
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.41-46, 2011

心理学者ヴィゴツキーは障害児教育においても、先駆的な理論を展開しており、発達と発達診断、障害の理解、教育方法など、現代においても、大きい示唆を与えている。障害特性やTEACCHプログラム、行動分析など行動主義に根ざした指導が広く行われている現代にあって、ヴィゴツキーの理論は新しく、挑戦的、批判的である。 <br>障害児と健常児の発達には共通性を認めたうえで、障害に由来する発達の独自性があると考えている。障害については、1次的障害(脳の障害など)と2次的障害(知的障害など)を区別した。教育の効果があがるのは、生物的なものではなく、文化的なものとし、感覚訓練などでなく、高次精神機能に働きかけることが重要であるとした。指導には集団が重要であるとした。個別指導が強調される現在の現場実践の再検討を迫るものであろう。
著者
持田 誠
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
no.49, pp.63-72, 2012-03-31

十勝圏には多くの鉄道車輌が保存されているが、大半が車輌を記念碑的に展示しているのみであり、資料に関する二次的な情報の集約が見られない。近年、鉄道資料を文化財として、鉄道史や産業考古学的見地から評価する動きが全国的に見られる。そこで、十勝圏に保存されている鉄道車輌ならびに鉄道に関する資料の保存状況の実態把握を進める一環として、帯広市周辺に保存されている鉄道資料の概要を調査した。帯広市周辺では、静態保存の鉄道車輌を中心に、駅舎、施設、備品類などの現業資料、経営に関する文書資料などの存在が確認された。一方で、これらの資料に関する資料情報の収集や保存記録などの整備は進んでいなかった。今後は十勝圏全体における鉄道資料の現況把握を行うと共に、鉄道資料台帳の作成や産業遺産データベースへの登録などを進め、地域博物館が核となって、鉄道資料を文化財として地域で保存・活用していく機運を高める事が重要である。
著者
門 利恵 石田 翼 島田 謙一郎 韓 圭鎬 福島 道広
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.11-25, 2020-03-31 (Released:2020-04-09)
参考文献数
54

生ジャガイモデンプンおよびその加工品のひとつであるドラムドライ加工デンプンフレークについて,ラットを用いたin vivo試験により脂質代謝および腸内環境に与える影響を比較検討した。生ジャガイモデンプン投与群では,血清中の総コレステロール濃度,non-HDL-コレステロール濃度,中性脂肪濃度が低下し,脂質代謝に有用な効果を持つ可能性が示唆された。また,腸内環境では有害菌の抑制や盲腸内短鎖脂肪酸濃度の有意な増加がみられ,盲腸内有害細菌の増殖を抑制して,盲腸内環境が改善された可能性が示唆された。これらの効果はジャガイモに含まれるレジスタントスターチ(RS)によるものと考えられる。生ジャガイモデンプンにはRSによるものと考えられる脂質代謝および腸内発酵への良好な影響が確認された。しかし,生ジャガイモデンプンを加熱・糊化し,ドラムドライ加工により得られたデンプンフレークには同様の効果が見られず,生理特性の違いが明らかとなった。