出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.226, pp.70-73, 2003-07

ようやく明るくなりかけた午前四時。中央タクシー(長野市、宇都宮英遠社長)の乗務員詰め所には、電話機のモニタースピーカーを中心に車座になった運転士達がいた。ボイスメールの内容を聞き逃すまいと皆、真剣な表情だ。 「総売り上げの八割弱を占める電話注文をもう一歩押し上げ、三期連続の赤字から回復を目指そう。
著者
大坪 正則 奥寺 憲穂
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.242, pp.100-103, 2004-11

——プロ野球再編騒動も結局は球団経営を疎かにしてきたツケですが、そもそも赤字続きの経営がここまで放置されてきたこと自体、不思議です。大坪 ここまで騒動が大きくなってきたのは、2003年3月期に連結会計が導入されたからなんですね。それまでは、1959年の国税庁の通達で親会社の単体の決算で済んだから、親会社の広告宣伝費として損金計上できた。
著者
梅野 重俊
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.288, pp.84-87, 2008-09

「幸運を招くつぼを300万円で買いませんか」「私はエスパー(超能力者)です。このシールを店に張ればたちまち繁盛します」「この場所は昔、女郎屋だったようです。お神酒をあげましょう」 会社が危機に直面して困っていると、いろいろな人が次から次に寄ってきます。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.269, pp.48-52, 2007-02

2006年4〜6月号のコラムで登場した、ケーキメーカーのフレシュール。当時、「初の脱落者か?」と山田をヒヤヒヤさせた同社だが、その後、「火事場のばか力」で大復活を遂げていた。取材・文◎池松由香(編集部)写真◎堀 勝志古(P48下の写真を除く)2006年、師走。山田日登志(67歳)は岐阜羽島の駅で、ある男と待ち合わせをしていた。
著者
山田 日登志 池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.273, pp.38-43, 2007-06

2007年2月、山田はある懇親会の会場で、不思議な男と出会った。鳥取県境港市の魚肉練り製品会社、モリイ食品社長の森井仁。山田は森井がすぐに気に入り、指導を即決した。同年4月、ひょうが降る中、山田は米子空港へ降り立った。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.192, pp.60-62, 2000-09

「会社を変えたいという意識を強く持っている人なら、平社員でも取締役になれるチャンスがあります」——。こう語るのは日本原料(川崎市)の齋藤安弘社長だ。 日本原料は、浄水場向けの濾過ろか砂で約八割のシェアを握るトップメーカーだ。新設の浄水場に濾過砂を納入するだけでなく、定期的に濾過砂を取り出して洗浄したり、交換するサービスも手がける。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.212, pp.46-48, 2002-05

日曜日の午後一一時。東京都内のあるコンビニエンスストアに、モップなどの清掃用具を手にした作業着姿の三人の若者がやってきた。彼らは、店長に「よろしくお願いします」と丁寧に挨拶をすると、すぐに清掃作業を始めた 床をモップで拭きワックスをかけるだけでなく、自動ドアや道路に面したガラス、冷蔵ショーケースなどにこびりついた汚れを手際よく落とす。
著者
荻島 央江
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.290, pp.13-19, 2008-11

「社員にとって、僕はかなり面倒くさい社長かもしれませんね」。グループウエアと呼ばれる業務用ソフトウエアを開発・販売するサイボウズ(東京都文京区)の創業メンバーで、社長の青野慶久はそう言って笑った。 「例えば朝、出社したときに、僕の顔を見てムスっとした顔で通り過ぎる社員がいたら、どうしてあいさつしないのかをその場で聞くんです。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.198, pp.80-82, 2001-03

長野県東部を中心にホームセンターとコンビニエンスストアを展開していた地場企業のサンフル(長野県小諸市、足立恵三郎社長)は、二〇〇〇年一一月二〇日に第一回目、二二日に第二回目の不渡りを出して倒産した。負債総額は約一四億七二〇〇万円。 二回目の不渡りを出した翌日、足立氏は小諸商工会議所を訪れ、地元の取引先に迷惑をかけたことを詫びた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.284, pp.26-40, 2008-05

「人間は本来弱い生き物であり、特に経営判断のような重大局面になると、不安や恐れ、緊張から思わぬ非合理な選択をしてしまうことが少なくない。そんなとき、典型的な決断ミスのパターンをあらかじめ知っておくだけで、失敗を未然に防ぐ確率が高まる」 人間の経済行動を心理学的に分析する行動経済学の専門家、角田康夫氏はこう話す。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.228, pp.66-68, 2003-09

どのような製品を開発し、どこに売り込めば何台売れるか——。こうしたデータを導き出す精度の高いマーケティング力がなければ、たとえ独創的で優れた製品を作っても、市場に食い込むのは難しい。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.219, pp.30-33, 2002-12

カネの使い方、業務の進め方、手がける事業の内容—一度ダメになった会社を再生するには、そのいずれかを徹底的に見直すしか道はない。それをやり遂げた"不死鳥企業"には、どんなドラマがあったのか… 「ゴミ袋はムダ使いしないよう、社長が一枚ずつ手渡しする」「コピー機は使用後に必ず電源を切る」「ビールジョッキを冷やす冷蔵庫にはタイマーを付け、閉店時の消し忘れを防ぐ」…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.184, pp.88-90, 2000-01

一九九六年一〇月九日、新潟市のシロアリ駆除会社、ピコイの近藤建社長は、東京の大手証券会社を訪ね、周囲の人々に晴れやかな笑顔を振りまいていた。 この日、念願の店頭公開を果たしたピコイの株価は、事前の予想を上回る高騰を見せた。近藤社長は、公開時の持ち株売却で一〇億円を超えるキャピタルゲインを獲得し、この年、新潟県の長者番付でトップの座に輝いた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.264, pp.38-46, 2006-09

宋文洲氏、藤本篤志氏、和田裕美氏の3人に共通するメッセージ。それは、営業における「売れる仕組み」作りの大切さである。営業マン個々の能力だけに頼るのではなく、営業組織として売れる仕組みを作る。これが重要だ。 「営業は人なり」「話術は最高の武器」「とにかく足で稼げ」「プロは結果がすべて」。これらの営業手法に関する格言は、どれも一面の真実をあらわしてはいる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.200, pp.104-106, 2001-05

本業がジリ貧に陥った企業の経営者は、「何とか新しい食い扶持を」と考えがちだが、拙速な業種転換や新規事業への進出は、かえって傷口を広げることになりかねない。業績回復への焦りが、リスクに対する正常な判断力を鈍らせるからだ。北陸地方にある老舗バットメーカーの三代目経営者はまさにその罠にはまり、赤字を膨らませてしまった。
著者
村山 弘美
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.254, pp.21-27, 2005-11

総売上高510億円の企業グループを率いる代表の外志雄は、プライベートばかりか、仕事の場に向かう時も自ら車のハンドルを握る。社長の芙美子を助手席に乗せ、二人だけで都内を駆け回ることもしばしばだ。外志雄が語る。 「若い頃は映画監督かカーレーサーになろうかと思っていた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.215, pp.36-39, 2002-08

今月初め、派手な色で椰子の木を機体に描いた見慣れない飛行機が、羽田空港を飛び立った。宮崎市に本社を置く航空会社、スカイネットアジア航空(下田祥司社長)が羽田│宮崎の第一便を就航させたのだ。 羽田発着便による航空事業への参入は、九八年九月のスカイマークエアラインズ、同一二月の北海道国際航空(エア・ドゥ)以来、三社目。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.222, pp.56-58, 2003-03

都会のビジネスホテルの話ではない。半世紀の歴史を持つ温泉旅館、紅葉館(福島県郡山市、村田英男社長)の料金設定だ。 単身客に備えただけでなく、この旅館は夕食がオプション扱いで、「一泊朝食付き」が基本となっている。客室係は到着したお客の荷物を運ばないし、お茶も出さない。布団の上げ下ろしもお客に任せる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.226, pp.52-55, 2003-07

やまだ・のぶふさ●1963年12月愛知県生まれ、39歳。86年に愛知学院大学を卒業後、テレビ制作会社勤務を経て、94年、結婚式の二次会をコーディネートするモックを創業。その後、企業の宴会ビジネスにも進出。2003年4月、東証マザーズに上場した。【本社所在地】愛知県名古屋市中区錦2-3-9 1052(222)6211東京・銀座にある「i-MOCサロン」。
著者
原 武雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.262, pp.19-25, 2006-07

「仕事を終えた後の深夜、ふらっと近くの『am/pm』をのぞきに行くと、店の外ばかりか、店の中で、床にぺたっと座り込んでいる少年たちをよく目にしました。注意すると、険しい目をして何も言わずにプイッと出ていくか、『いいじゃねえか、お前に関係ねえだろっ!』と怒鳴り出すか、どちらかでした」 態度が悪化していただけではない。