著者
原 武雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.254, pp.156-159, 2005-11

2001年10月22日にリックコーポレーション(同年8月に「すわき」から社名変更)の五代目社長に就任した菅原啓晃は、その数日前、久しぶりに妻子が住む埼玉の自宅に戻った。 創業家の三代目・洲脇誠司が突如、社長を辞め、その後を受けた三宅昭徳もわずか1年で辞任。残る6人の取締役の互選で、菅原が次期社長に指名された。そのことを妻に伝えなければならない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.242, pp.19-25, 2004-11

「お願いしておりました"スキルナー"、届きました! 装着して指輪をはめてみると、本当に私の指のよう。嬉しくて嬉しくて涙がこぼれました」 「"ビビファイ"、ありがとうございました。早速友人に見せに行きました。みんなびっくり! このおっぱいを着けて、温泉に行きたいです!」 義肢装具会社、中村ブレイスには、こんな感謝の手紙が毎日のように届く。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.238, pp.43-46, 2004-07

ゼネコンとその系列業者、設計事務所などの"なれ合い"が建設費用を割高なものにしている——。 岐阜市に本社を置く希望社の桑原耕司社長は、15年以上前に建設業界の現状をこう喝破し、その商習慣を真っ向から否定することで頭角を現した。桑原社長はゼネコンの元社員。建設業界では「異端児」として知られている。 バブル経済崩壊後の逆風下でも、業績を伸ばしてきた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.287, pp.66-69, 2008-08

「今、分からんのはしょうがない。僕が工場から帰るまでに、出荷数をまとめた表を作ってくれんか。君も、身の回りのどこにムダがあるか分かるようにいつも意識しなくちゃいかんよ。毎朝起きたら、今日はどんなカイゼンをするか思いつくぐらいになるとええんよ」 山田の指摘を受け、出荷場の担当者たちは、慌てて出荷管理表を作り始めた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.188, pp.26-29, 2000-05

数多くの中小企業のコンサルティングを手がけてきた細野知久税理士の事務所には、「騙された」と嘆く経営者がしばしば相談に訪れる。細野税理士は、こうした経営者に「なぜ『大丈夫だ』とあなたは考えたのか、その根拠を教えてください」と尋ねることにしている。 ほとんどの経営者は「いままで大丈夫だったから」と答える。
著者
池内 計司
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.293, pp.38-41, 2009-02

飛躍のチャンスをつかんだと感じた矢先に、一転してどん底に落ちた。あの「天国から地獄」の衝撃を思い返すと、今でも背筋が寒くなります。 当社は愛媛県今治市で、主にOEM(相手先ブランドによる生産)によるブランドものタオルの製造受託を手掛けてきました。同時に、細々と自社ブランドのタオルを開発していました。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.224, pp.30-33, 2003-05

東京都中央区にあるムービーテレビジョン月島事務所には、社員が仕事の合間に集い、気楽に語り合える場所がある。バーカウンター付きの社内カフェ、通称"MTカフェ"だ。
著者
水野 孝彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.246, pp.132-135, 2005-03

「鍵の専門店」を全国展開したカリスマ経営者は、加盟店向けの債務保証に足を取られた。数値管理を「苦手」と敬遠した"逃げ"の経営が、致命的な判断ミスを生んだ。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.260, pp.54-58, 2006-05

岐阜県関市にある菓子メーカー、フレシュールの工場で、山田日登志(66歳)は鋭い眼差しを一人の男に投げていた。 資材課資材係係長の森由隆、42歳。山田が、どの資材がどこにいくつあるのか、残りいくつになったらどこに発注すればいいのかを大きく書いて、置き場に張り出すよう指示すると、森はこう言って反論した。「材料があるのはここだけじゃないですからね。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.182, pp.23-27, 1999-11

建築物の企画・設計を手がけるエム・エイチ・ディベロップメント(東京都品川区、以下MHD)の梶川文男社長はいま、来年一月にJR大崎駅近くにオープンするホテル「ファミリーイン・フィフティーズ」の準備に追われている。ダブルベッドで一泊五〇〇〇円 ファミリーイン・フィフティーズの宿泊料金は、一泊に簡単な朝食が付いて五〇〇〇円。
著者
矢野 宏
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.245, pp.158-160, 2005-02

未明の火事で妻子4人と140年続いた店を失った小川与よ志し和かずは、その日の午後、現場検証に立ち会った。 焦げくさい臭いが鼻をつく。2階の屋根までも焼け落ち、ぬかるんだ足元には割れた瓦が散乱していた。柱や壁も真っ黒に焼け焦げ、住み慣れた家は見るも無残な姿をさらしていた。 2001年8月31日。子供達の夏休み最後の日だった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.240, pp.21-27, 2004-09

午後3時のサッカーグラウンドは蒸し暑かった。アルビレックス新潟社長の池田弘ひろむが、ワールドカップの会場にもなった競技場「ビッグスワン」メインゲートから、ゴールポストに向かって歩いてくる。チームカラーでもあるオレンジ色のシャツが、夏の陽射しに眩しい。走ってきたわけでもないのに息が弾んでいるのは、恰幅がいいせいだろう。
著者
小野 田鶴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.255, pp.136-138, 2005-12

パソコン教室などを経営する松岡みどりは、原田隆史の研修に参加。8月の売り上げ目標の達成に意欲を燃やす。だが、8月初旬から業績は不振を極めた。起死回生を狙う松岡は、お盆休みに長期目標設定用紙を書き上げ、8月20日、緊急会議を召集した。 「成功するか否かは、目標を設定した時点で9割がた決まっている」 原田隆史はそう説いている。
著者
小和田 哲男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.177, pp.74-77, 1999-06

戦国時代は、いつ敵に攻められるかわからないということもあって、軍勢がたやすく通れないように、道は狭く、しかも曲がりくねったままで、川には橋を架けないのがあたりまえだった。川は、領内および城を守るための天然の堀と認識されていたからである。 中には、城下町の入口付近にわざと屈曲を設けて、容易に城に近づけないような工夫をしている武将もいた。
著者
加来 耕三
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.189, pp.82-85, 2000-06

一見いっけん、不釣合な長崎県の佐世保市にも、佐世保商人はいた。が、彼らは唐突に出現している。 むろん、それ以前から佐世保の地はあったものの、この漢音の地名は「差布さしほ」、「佐志方さしほ」などとも表記されており、かならずしもさせぼではなかった。 おそらく、中世社会においてさせぼの一族は、全国どこにでもある名もなき土豪の一派であったに違いない。
著者
皆木 和義
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.259, pp.118-121, 2006-04

幸之助の表情が急に厳しくなり、山本を透徹とうてつした視線でとらえた。徐おもむろに言葉を吐いた。 「山本はん……。あなたのご主張やご提案、ご商売に対するご熱意には、常々わしも頭が下がる思いでおます。日ごろから深く敬服いたしてもおります。
著者
原 武雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.248, pp.120-122, 2005-05

2001年10月13日、土曜日。洋菓子のヒロタで店長を務める高木ひとみ(現エリアマネージャー)は、自宅で荷造りをしていた。翌日、新潟の実家へ、結婚の報告に帰る予定だった。日曜と月曜は休暇を取っていた。 そこへ、電話が掛かってきた。 「明日なんだけど、やっぱり出勤してもらえないだろうか?」 上司からだった。高木が無理だと断ると、上司はこう続けた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.203, pp.94-96, 2001-08

不況が続く中で、新規事業に活路を求める企業が増えている。だが、本業の"病状"が悪化してからの一か八かの賭けは、ほとんどの場合、いたずらに"死期"を早めるだけの結果を招く。アイデアマンとして名を馳せたそうめんメーカーの社長は、経営危機の渦中でひらめいた新事業にのめり込み、無謀な投資で会社に致命的な打撃を与えてしまった。 「塩ラーメンと生ビール。
著者
東田 勉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.259, pp.62-65, 2006-04

ここは東京・南池袋。夕暮れになると、表通りから一本路地を入ったビルの2階に若者たちが集まって来る。ある者は頭にタオルを巻いた作業員風、ある者は旅行中のバックパッカー風。平均年齢は20歳後半ぐらいだろうか。中には中年と思おぼしき人も混じる。 やがて室内には人が溢あふれ、宵闇の外階段に順番待ちの列ができた。
著者
関 満博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.221, pp.64-66, 2003-02

廃棄物燃焼炉の専門メーカー、アクトリーの水越裕治社長(一九四七年生まれ)は、開口一番、「最近、ロシアに行ってきた。さすがに宇宙関連の凄い技術がある。技術提携をするか調整中」と語り始めた。燃焼一筋に歩み、日本の頂点に立つ水越氏は、世界の技術への関心が深く、とりわけ「これからはロシアの宇宙関連技術だ」と熱く語る。