著者
金丸 明彦 下田 研一 長澤 多代
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.1-14, 2003-12

長崎大学では、大学教育機能開発センターが主催する第8回ファカルティ・ディベロップメント(FD)の中で、附属図書館が「情報検索の方法」ワークショップを担当した。本稿では、最初に第8回FD全体の実施の経緯をたどり、次に「情報検索の方法」に焦点をあてて、その目的と内容を紹介し、実施を通して得られた成果と課題について報告した。その結果、成果として、教員への教育活動支援が学生の情報利用の促進につながったこと、課題として、教員への広報活動や職員の資質向上など教育活動支援の体制を図書館内に整備することがあるとわかった。
著者
増田 元 高橋 努 米澤 誠 村田 輝
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.38-53, 1999-03

大学図書館の過去のデータをNACSIS総合目録データベースへ遡及入力する際の方式を比較し、オンライン自動登録方式の特徴、問題点およびその有効性について考察した。遡及入力ツールとしての自動登録システムの有効性を検証するため、国立大学図書館協議会次期電算化システム専門委員会が開発した新目録所在情報システム対応目録自動登録クライアント(CATP-Auto)を用いて、カード目録データおよび機械可読データによる遡及入力実験を行い、その結果を分析した。最後に各大学図書館が効率的に遡及入力を進めるための指針を示した。
著者
安東 奈穂子 池田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.26-41, 2007-12

個人情報漏洩事件が相次ぐなか,図書館にも,図書館利用者の個人情報やプライバシーに対するいっそうの配慮が求められている。そこで,現在多くの図書館において行われているような,個人情報の取得を半ば当然としたうえで取得後のセキュリティを重視する個人情報管理が,果たして十分な情報保護を実現しているのか検証し,それに対して,画期的な新個人認証システムPersonal IDシステムの下では個人情報管理にどのような変化がもたらされるのかを比較検討する。さらに,当該システムを活用した,図書館利用者の情報主権者としての立場をより尊重した情報取得のあり方や,それに基づく,図書館利用者自らが主導権を握る利用者指向のサービスについて考察する。As incidents of identity theft become more frequent, libraries are becoming more concerned with ways to protect the personal information and privacy of their users. They must begin by asking themselves whether the library's current system of personal information management is really performing adequately, and then consider how it would compare to the way they could manage personal information using the innovative personal authentification system Personal ID. Furthermore, the authors posit that by implementing this new system, more respect is given to the library users who are in the position of controlling information, and this in turn provides a framework for developing user-centered services in which library users are able to take the initiative themselves.
著者
甲斐 重武 宮岡 大輔 兵藤 健志 宮地 健士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.13-18, 2005-12

九州大学附属図書館は,大学統合と国立大学法人化という大きな変革期のなかで図書館ポータル 「My Library」を開発し運用してきた。これはサービスの一元的窓口として従来の蔵書検索やサービス依頼 を統合する形のものであるが,システム的には必ずしも完成されたものではなく,マニュアル業務を活用し て柔軟に対応してきた。2005年未には大学の新キャンパスへの移転が開始され,新しい図書館が開館するこ とに加え,図書館システムの機種更新も予定されている。これを機に図書館ポータルとしての総合的な完成 度を高めようとしている。Kyushu University Library began to operate its library portal "My Library" during a dramatic period of change caused by university mergers and the creation of national university corporations. The portal function was intended to provide a single service point for the library catalog,Search engines, and library services, but the software wasn't yet completely developed so a certain amount of manual work had to be done to make it work. At the end of 2005,when the university moves to its new campus, there are plans for improved library systems to support the new library, including a more complete system of centralized services through the library portal.
著者
杉 岳志
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.16-22, 2012-12

図書館職員・専門助手・教員の役割に着目して,一橋大学における図書館と教員及び図書館職員と専門助手の協働を紹介する。一橋大学では2007年度に専門助手制度が導入され,以来,専門助手は図書館職員と教員の中間的な存在として独自の役割を果たしてきた。情報リテラシー教育の分野では,専門助手は時には図書館職員,時には教員と同じ役割を担い,時にはいずれとも異なる役割を受け持った。学芸員資格科目では,専門助手は実習の講師を務めた。展示における図書館職員と専門助手の役割は年によって異なるが,2010年度の企画展示では図書館職員と専門助手がともに企画立案を行った。This paper provides the library specialistDs role in serving as the linchpin for library faculty collaboration. In 2007 Hitotsubashi University introduced a library specialist system, and since then the library specialist has fulfilled its unique role as a hybrid between faculty member and library staff. In the case of information literacy education, the library specialist would sometimes play the same role as the library staff, sometimes the same role as the faculty member, and sometimes entirely different roles on behalf of both. In the case of the curator certification course, the library specialist served as the instructor. The role of the library specialist in arranging for exhibitions has differed each year, but the library staff and library specialist worked together to plan the special exhibition of the year 2010.
著者
高橋 正江 柴田 育子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.65-70, 2013-03

2012 年10 月,オーストリア共和国ウィーンにて国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)2012 年秋季会合が開催された。今回の会合では,投資家の視点による出版社評価,従量制価格モデル,オープンアクセス,コンソーシアムの今後の役割,ビッグ・ディールへの考察,ヨーロッパのコンソーシアム活動,出版社(JSTOR)プレゼンテーション,SCOAP3進捗報告など合計12 のセッションが行われた。本稿ではその概要を報告する。
著者
鈴木 正紀 若生 政江 菊池 美紀 湊 伸子 近藤 秀二 肥土 広康 柴原 秀美
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.49-55, 2013-03

埼玉県内の大学・短期大学等の図書館を会員とする地域コンソーシアムである,「埼玉県大学・短期大学図書館協議会(略称 SALA)」の活動を紹介する。1988年に発足し,現在は県内47機関をメンバーとして活動している。相互協力の活発化を目指して創立されたが,現在は,研修会の開催,会報の発行,ウェブサイトの運用,共同リポジトリの構築,共同購入事業の実施,「図書館と県民のつどい埼玉」への参加など,多彩な活動を展開している。本稿では,それらの概略を紹介するとともに,その原動力となっていることがらについて考察を行っている。 / Saitama Academic Library Association(SALA)is a regional consortia for Saitama prefecture. The members consist of academic libraries from universities and junior colleges and so on. SALA wasestablished in 1988, and now consists of 47 institutions. It was founded with the aim of boosting inter-library cooperation, but current activities also include offering workshops, publishing a newsletter, operating the website, building a shared repository, initiating consortial purchasing, and participating in a?Saitama Prefectural Library Fair(Toshokan to Kenmin no Tsudoi)?. This paper provides an overview of the various activities undertaken and the authors consider what is the driving force that makes the organization so active.