著者
庄 ゆかり 長登 康 稲垣 知宏 隅谷 孝洋
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.92, pp.27-35, 2011-08

広島大学図書館は. 1年次前期授業「情報活用基礎」において1回60分で文献情報の探索と利用に関する情報リテラシー教育プログラムを提供している。このたび,この授業について,アンケートとe-learning教材を利用した事前テスト・事後テストにより,学生の能力調査と授業評価を行った。コンピュータ利用経験と文献情報利用に関する情報リテラシー能力には大きな関連性は見られなかった。また,4-7月の期間における通常の授業の影響は明らかではなかったが,このプログラムには効果があることが確認できた。知識を実際の学習行動に結びつけることが今後の課題である。Hiroshima University Library offers an information literacy program to freshmen in their first semester which is a one-shot sixty minute session on how to search for and use bibliographic information. Student knowledge and sessions are evaluated through the use of questionnaires about their experiences using computers and pre-and post-tests using e-learning resources. While neither a strong correlation between computer use and information literacy knowledge nor direct effects of their learning in other subjects during the period of April to July was found in relation to use of bibliographic information, the researchers were able to confirm that the program was effective. How to link the knowledge learned in this program and reallearning behavior is a topic that needs to be studied further.
著者
富田 健市
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.20-26, 2001-08

国立情報学研究所はその全身である学術情報センター当時に、北京日本学研究センター及び国際交流基金からの要請を受け、北京日本学研究センター図書資料館の情報化支援を中心する学術情報交流プロジェクトを開始した。本プロジェクトは、1998年度から3年計画で実施され、2001年3月までにほご所期の目標を達成して終了した。この3年にわたるプロジェクトの概要を日中の図書館員の交流を中心として報告する。
著者
岡部 幸祐 金成 真由子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.85, pp.1-11, 2009-03

筑波大学附属図書館では,利用案内ビデオを改訂するにあたり,図書館利用促進ツールとして,図書館そのものに興味を抱かせるプロモーションビデオを制作した。学生志向に視点を転換し,必要な情報を提供するとともに新しい図書館利用を提案する内容とした。また,公開はWebで行い,利用案内情報とのリンクやプロモートを意図したコンテンツも合わせて掲載することで,図書館リテラシーの向上を期待し,学生との関係性構築及びコミュニケーション促進の可能性も考慮した。その企画,制作,公開の実際を報告する。
著者
筑木 一郎
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.63-73, 2009-03

京都大学学術情報リポジトリの戦略と成果を報告し,展望を示す。京大リポジトリでは,紀要類の電子ジャーナル化という戦略を打ち出し,リポジトリを電子ジャーナル・プラットフォームとして機能させる道を模索している。小規模な研究者グループの支援としてのリポジトリ事業は電子ジャーナル出版に行き着くことを明らかにする。一方で,京都大学学術出版会との連携,ヒトiPS 細胞論文やノーベル賞受賞論文の登録・公開といった特色ある活動を打ち出すことで,リポジトリ事業が大学あるいは図書館の活動を低コストでアピールできる取り組みであることも明らかにする。
著者
篠塚 富士男
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-11, 1990-07

abstractなし
著者
江上 敏哲
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.60-71, 2006-08

2005年12月,イタリアのナポリ・ローマ・ヴェネツイアの日本資料図書館を訪問し,各館における実態,特に,活動・運営,蔵書,日本資料・日本情報の提供・入手,目録等について調査した。イタリアにおける日本語学習者は増加傾向にあるが,蔵書の多い図書館は少なく,ほとんどの図書館で東アジア・東洋等と同組織である。日本語を理解する司書も少ない。日本からの図書館サービス・情報発信の改善として,書誌・目録データベースにおけるローマ字併記の整備,ILL受付体制の整備と説明の強化等が考えられる。In December 2005, the author visited Italian Japanese resource libraries in Napoli, Rome, and Venice, and surveyed their collections, operations, and activities and how they select, acquire and catalog Japanese language materials. While the number of Japanese language learners appears to be on the increase in Italy. There are very few libraries with large Japanese collections. Most libraries are operated as a combined East Asian or Oriental collections and there are very few staff who can understand Japanese. The author offers a number of examples of how improved services from Japan, such as including Romanization in cataloging records or providing more information about getting interlibrary loan, can help Italian Japanese resource libraries to serve their clientele better.
著者
梶原 瑠衣 山根 泰志
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.2166, 2024-03-31 (Released:2024-03-05)

九州大学附属図書館は,貴重書等の画像を活用した図書館グッズを,九州大学生活協同組合と共同制作した。当該商品は,九州大学のオリジナルグッズのひとつとして,2021年に販売が開始され,恒常的に誰でも購入できる状態となっている。また,寄附事業「九州大学デジタル資料整備事業」の返礼品としても活用している。従来,九州大学附属図書館では無償の図書館グッズを制作したことはあったが,販売用グッズ制作は初めての試みとなった。1年以上かけて制作した図書館グッズについて,完成までの道のりを紹介する。
著者
清重 周太郎
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.2162, 2024 (Released:2024-03-01)

本研究では,図書館評価におけるエビデンスの強化を目的として,大学図書館の活動情報をメタデータ管理によって定量化する手法を提示する。北海道大学附属図書館では活動情報定量化システムのプロトタイプを開発するとともに,2020年度の活動に対して担当業務を粒度にメタデータを付与し,既存の財源および成果データと関連付けるデータ整備を試行した。結果として財源—活動属性—利用統計のサイクルの可視化が得られるとともに,学習評価の手法を応用した部署アセスメントが構想できることを示す。
著者
井上 敏宏 高橋 菜奈子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.124, pp.2157, 2023-09-30 (Released:2023-10-04)

本稿では,「GIGAスクール構想」のもとで普及してきたデジタル教科書について,制度化に向けた文部科学省での政策の展開および著作権法上の留意点を整理し,国立教育系大学図書館におけるデジタル教科書の導入状況や普及の取り組みについて,全体の概況と大阪教育大学と東京学芸大学の事例を紹介する。これにより,デジタル教科書に関する基礎的な情報の整理を試みつつ,最後に教員を志望する大学生の利用を保証するための課題と展望を述べた。
著者
大場 高志 杉田 茂樹
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.25-30, 2004-03-31 (Released:2017-11-17)

インターネットの普及を背景に学術情報の流通環境は大きく変化し,大学自身の教育研究成果の社会への情報発信が重要になるとともに,ネットワーク上の情報資源の取扱いが大学図書館にとって重要な課題となっている。こうした状況を受けて国立情報学研究所では,平成14年度から,メタデータ・データベース共同構築事業を開始した。本事業の現状を報告し,今後の課題と取り組みを紹介する。
著者
橋本 唯子 山中 節子 藤井 亜希子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.2109, 2021-08-31 (Released:2021-09-16)

平成27年5月に和歌山大学図書館において発生したシバンムシによる虫害について, 発生から緊急対応・燻蒸処理とその後の点検などといった実施項目の概略を示し,以後虫害を防ぐための対策として研修・環境整備・殺虫およびクリーニング作業などを進めてきた経緯を紹介する。成果として職員の意識向上・資料保存環境の改善があげられると同時に, 記録の不足・消毒用エタノールなど必要物品の不足などの課題についてまとめ, 被災時に図書資料をどのように救出すべきか, 意識を共有する意義について言及する。