著者
外崎 みゆき
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.24-34, 2010

<p>私立大学では機関リポジトリに登録できる学術コンテンツの量は左程多くない。一方で私立大学には創設時の資料や独自のコレクション,教材などがあるが,これらの電子資料を学術資料と区別して別のデータベースに収録するのは非効率である。経済効果を高めるため,公開・非公開に加えて,学内のみの公開・学部学科限定公開など,より多くの電子資料を収録可能な環境が望ましい。未公開資料を含めて,登録が可能な資料を増やすためには環境の整備が不可欠である。登録管理が可能なデータ範囲を広げることで,より多くのコンテンツ登録が可能となり,基盤を広げることが公開可能なコンテンツの増加につながる。今回,「大容量コンテンツへの対応」「所属情報による閲覧の制限」「多様なコンテンツへの対応」という3つの機能を強化し,システムの開発,環境設定の見直しなどを行った。</p>
著者
杉田 茂樹
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.29-37, 2014-09-05 (Released:2017-10-31)

最近ほぼ10年の間に,国立情報学研究所CSI委託事業等を背景として,国内の数多くの大学で機関リポジトリが設置された。各大学の担当者は,経験のない機関リポジトリ構築という業務に,海外先行事例などを参考に積極的に取り組み,学内の認知度向上とコンテンツ増進のためのさまざまな手法を開発してきた。今日では,電子ジャーナルの発展をはじめとしたインターネット利用の普及によってやや希薄となった研究者との重要な接点のひとつとなっている。
著者
藤倉 恵一
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.21-31, 2006

<p>文教大学越谷図書館は1981年10月の新図書館開館を機に,学外者に図書館を開放している。当時は画期的・先進的なことであったが,20年以上が経過して大学図書館の学外開放が一般的になったいま,あらためてサービス展開の経緯と現状,意義と課題についてまとめる。また,同図書館内で運営されている小学校中学年以下の子どもを対象にした児童文庫「あいのみ文庫」も開設以来盛況を保っているが,これについてもあわせて紹介する。</p>
著者
岡田 孝子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.42-53, 2008-08-31 (Released:2017-11-09)

近年,わが国でも市民に対する法教育の重要性が広く認識されるようになり,初等中等教育段階での法教育が学校教育の中で実践され始めた。しかし,法教育を受けた学生が実際に社会でその知識や能力を活用するためには,法情報に関する教育を受けることが必要である。本稿では法教育を受けた学生のための法情報教育を本格的に行う場としては大学教養課程が適切であるとの立場に基づき,市民のための法情報を理解して扱うための能力を「法情報リテラシー」と呼ぶ。そして,大学教養課程で学ぶべき法情報リテラシーの内容とその教授法について考察する。
著者
生貝 直人
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.11-18, 2016

<p>本稿では、デジタルアーカイブに関わる近年の法政策動向と、それが図書館をはじめとする文化施設の活動に与える影響を理解することを目的として、まず国内外におけるデジタルアーカイブの法政策の状況、特に統合ポータルの構築に向けた各国の施策を紹介し、次に2015年度に文化庁で行われたデジタルアーカイブ促進のための著作権制度の見直し(図書館複製、孤児作品問題対策、紹介・解説のための利用等)を検討し、最後に今後の課題としての書籍等資料の全文検索サービスのあり方について論じる。</p>
著者
飯塚 潤一 福井 恵
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.1712, 2018-03-31 (Released:2018-03-29)

障害者差別解消法が2016年4月に施行され,同法律の条文の一部『過重な負担』『合理的配慮』が大きく取り上げられ,責任と不安が交錯する中,大学附属図書館もその対応が順守義務として求められている。本稿では,まず同法律の概要を紹介する。続いて,図書館利用において,障害学生・教職員が感じる障壁を解消するには,どのように考え,具体的にどう対応すればよいのかを考えてみたい。特に情報の入手が困難な視覚障害者を中心に,支援機器の活用,司書の方による支援など,できるところからその方策を提案する。
著者
日出 弘
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.45-48, 2013-03-31 (Released:2017-10-31)

田嶋記念大学図書館振興財団から助成金を得て,既存書架に取付けて,棚からの資料落下を抑制する「棚板傾斜付加金具」を開発・実装し,効果を検証した。取付けを希望する図書館には,性能評価モニター(有償)として提供できる。
著者
萬谷 衣加
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.14-25, 2003-08-31 (Released:2017-12-12)

Yahoo! Japanカテゴリを一種の分類体系と捉え,Yahoo! Japanカテゴリに日本十進分類法9版(NDC9)分類を付与することを試みた。これによりNDC9分類を介して,ウェブサイトと図書資料を同時に検索・提示する環境ができる。政治・政治学分野と工学分野のYahoo! Japanカテゴリに対しNDC9相関索引を利用して,政治・政治学分野では約60%,工学分野では約75%のカテゴリに曖昧性のないNDC9分類を付与できた。カテゴリの下のウェブサイトに付与したNDC9分類と比較し,方法の有効性を示した。
著者
大木 彰
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.2045, 2019-11-30 (Released:2020-01-09)

大谷探検隊将来資料は,浄土真宗本願寺派第22代宗主大谷光瑞が組織した大谷探検隊が中央アジアやインドなどから将来した資料を中心としたコレクションである。資料の形態は,仏教経典をはじめとする文書及びその断片などの資料,錦資料,古銭資料,仏像類などさまざまである。非図書資料として,形態や内容がさまざまである大谷探検隊将来資料について,資料所蔵の経緯,整理と管理,利用状況に触れながら,保存の現状について紹介する。
著者
藤田 儒聖 庄 ゆかり 井上 修
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.81-93, 2005

<p>本会合への参加は,わが国の大学図書館界として,北米会合の第12回(ナッシュビル大会),14回(ラホーヤ大会),15回(ニューオリンズ大会),欧州会合の第6回(バルセロナ大会)に続くものである。今回は,文献情報データベース,電子コンテンツの保存や管理,各館のコレクション分析,紙媒体資料の共同保存あるいは保存書庫問題,利用者の満足度調査の意義など,幅広いテーマが取り上げられ,また,電子ジャーナルを中核とする学術文献を取り巻く環境の変化,特にオープンアクセス化の動向などについての議論が行われた。ここに,その概略を報告する。</p>
著者
野末 俊比古
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.1-8, 2017-03-15 (Released:2017-09-22)

情報リテラシー教育を中心に,大学図書館における教育・学修支援について,概念・動向の整理を試みつつ,「新しい学び」に向けて検討を要すると思われる論点のなかからいくつかを取り上げ,考察を行った。具体的には,カリキュラムに基づく教育・学修支援として図書館サービスを位置づけたうえで,情報リテラシー教育について二つの側面を提示し,デザインにおける枠組みを指摘した。また,体系的なプログラムの構築にあたって必要な三つの観点を提案した。最後に,アクティブラーニングとの関わりに言及した。
著者
蒲生 英博 瀬戸 有希子 杉浦 未布子 寄本 真里 阿部 由貴
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.2071, 2020-11-30 (Released:2020-12-01)

高大連携とは,高等学校と大学がそれぞれの教育資源を活用し,連携協力して行う教育活動である。本稿では,「あいちの学校連携ネット」における高大連携の取組を紹介し,高大連携と高大接続の概要と背景,高等学校の推進状況を概観する。次に,名古屋経済大学及び図書館による高大連携の取組を具体的に紹介し,国内の大学図書館における多様な事例を整理して報告する。さらに,高大連携の課題を示し,情報リテラシー教育などの大学図書館の学習支援活動が高大連携においても機能するのかという観点から,大学図書館の役割を考察する。
著者
永田 治樹 藤井 美咲 北村 明久
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.1-15, 2000

<p>図書館活動の成果を顧客の側から考察するサービス品質は,図書館経営にとって不可欠な指標である。本論は,図書館サービスの品質をSERVQUAL(サービスの本質的な五つの局面について,顧客のサービスへの期待とサービス・パフォーマンスの認知との差を数量的に把握する)によって測定するケース・スタディである。この研究では顧客(教員・学生)だけでなく,サービス供給者である図書館職員をも調査対象とし,またSERVQUALで設定されていない設問を混ぜて調査した。収集されたデータから,調査実施館である千葉大学附属図書館の特性値が把握され,また図書館サービスに対する品質測定方法として,SERVQUAL再検討の必要性が示唆された。</p>
著者
馬場 真紀子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.2048, 2019-11-30 (Released:2019-12-24)

東京海洋大学附属図書館における, アーカイブズ宇田道隆文庫の保存整理の取り組みを紹介する。宇田道隆は, 元東京水産大学教授であり海洋学者である。アーカイブズ宇田道隆文庫は, 宇田が遺した研究資料・記録類の集合体とそのデジタルアーカイブの双方を指し, 研究業績集であるとともに一研究者の特殊コレクションであるといえる。資料類保存の経緯についてまとめ, 特徴ある資料の紹介, 整理方法, デジタル化・公開, 活用事例を紹介し, 今後の課題について述べる。
著者
PICCIOTTO Sol 髙木 晃子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.115, pp.2065, 2020-08-31 (Released:2020-10-29)

英国の大学群における複写のための包括ライセンスに関して著作権審判所が下した決定の法的背景およびその含意について,高等教育機関でのライセンスによる複写の正当性を擁護する観点から考察した。
著者
床井 啓太郎
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.36-43, 2017-05-31 (Released:2017-09-22)

一橋大学社会科学古典資料センターは,西洋古典資料の専門研究図書館として,20年以上にわたって約8万冊におよぶ貴重書の保存対策を進めてきた。本稿では,センターで組織的な保存対策を始めるに至った経緯のほか,付設の保存修復工房で行っている資料の状態調査と保存処置,書庫の保存環境整備について紹介する。また,西洋古典資料の保存を担う中核的な人材の育成を目指す実務研修などの新たな取り組みについても触れ,センターにおける保存事業の今後の方向性を示す。
著者
田嶋 知宏
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.115, pp.2070, 2020-08-31 (Released:2020-09-24)

常磐大学情報メディアセンター図書館では,「情報収集検索ガイダンス」の動画を制作し,学生や教職員に提供している。その動画制作に至る背景及び,動画コンテンツの概要を踏まえつつ,初年次教育科目における動画活用の実例を示した。これらの取り組みを踏まえて,図書館制作動画の授業における活用の効果と課題を考察した。その結果,授業内容に応じた動画の選択が可能となる利点や繰り返して視聴できる動画の効果とそれを維持管理していくためのコストのバランスを考慮していく必要があることが明らかとなった。
著者
竹内 比呂也 國本 千裕
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.114, 2020

本稿は今日の日本の大学図書館に求められる機能の変化を実現するために必要な人材という観点から新たな大学図書館員の育成について論じるものである。過去40年間の大学図書館機能の変化とその際に大学図書館員に必要とされた新しい知識やスキルを明らかにした上で,それらを現職者がどのように獲得してきたかを記述する。その上で,学習(修)支援・教育活動への直接的な関与と研究データ管理という新しい機能について,これらを実現するために大学図書館員が獲得すべき知識,スキルを育成するプログラムの内容を紹介するとともに,その実現に向けた課題を考察する。
著者
星野 雅英
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.42-52, 2007-12-31 (Released:2017-11-09)

大学図書館職員の専門性について,図書館組織という視点と図書館職員も大学職員の一員であるという観点から考え,専門性として不可欠といわれてきた主題専門知識について改めて考える。また,これまで具体的に挙げられてきた専門性を整理して5+1のカテゴリーに分類した。さらに,東京大学における新たな評価制度を紹介し,その意義や意図について説明する。最後に,東京大学の図書館職員を想定して,キャリアパスを保証するために有効と思われる職位や人事異動とOJTについて私案を述べる。