著者
中井 えり子 伊東 直人 佐藤 義則
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.105-113, 2006-12
被引用文献数
1

三重大学附属図書館では地域貢献の一環として、平成16年度から、三重県津市教育委員会と連携して津市内の学校図書館の活性化支援を開始した。これは、津市教育委員会が文部科学省から「学校図書館資源共有ネットワーク推進事業」として平成16年度から平成18年度までの3年間、予算配分を受けて実施するものである。大学図書館と学校図書館の連携は、全国的にも事例がほとんど見られないため、本稿ではその概要を紹介するとともに、今後の課題と発展性について論じる。The Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology (MEXT) allocates budget for programs that promote school libraries' resource sharing networks.Tsu Board of Education was allocated a portion od the dudget for 3years, begining in 2004.The bored planned to send volunteers and visiting counselors to several model school libraries. And then the Board launched a Committee of Center for School Library Promotion in order to determine the direction of the program and look into its efficiency.Prof.Sato of Mie University Library takes on the position of Chairman of the Committee. Meanwhile Mie University Library Staff members serve on the Committee, and participate actively in information literacy workshops with Prof.Sato. Coordination between university libraries and school libraries is not a common activity for university libraries. Therefore we introduce the coordination with Mie University Library and model school libraries of the program, and at the same time we discuss its accomplishments and future prospects.
著者
徳田 聖子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.28-37, 2009-08

英国の図書館における資料保存活動は,国際的な概念の変化と同様にコンサベーションからプリザベーション重視の姿勢に変わり今日に至る。電子化など紙媒体以外による保存活動も近年の現象である。そのような中で2007 年10 月に開設した英国図書館のコンサベーション施設,British Library Centre for Conservation(BLCC)について,設立の経緯と事業の実際を訪問経験も交えつつ報告する。また同館がマイクロソフト社と共同で行った電子化プロジェクトについて,資料保存の観点から調査事項をまとめる。
著者
大澤 類里佐 中山 知士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.93, pp.36-41, 2011-12 (Released:2013-12-25)

国立情報学研究所CSI 委託事業「オープンアクセスとセルフ・アーカイビングに関する著作権マネジメント・プロジェクト」(SCPJ)について,その発足からの経緯を振り返り,データベース作成を中心に現在の活動について述べた上で,課題と今後の展望について報告する。
著者
井上 真琴 小川 千代子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.1-11, 2006

<p>図書館でのアーカイブ資料の取扱いは大きな課題である。通常の図書資料とは性格が異なるため,アーカイブ資料の特性を活かすためには,独自の整理方法と利用方法が必要になる。しかし,アーキビストのスキルを持った図書館員の養成は容易ではなく,未整理のまま置かれている資料も多い。同志社大学ではその打開策として,図書館員がアーカイブ資料の性格や取扱いを認識したうえで,アーカイブ資料の整理にアウトソーシングを利用する試みを行った。この企画から整理公開へいたるプロセスを,発注側担当者と業務指導コンサルタントそれぞれの立場から詳述し,課題解決の実践例として報告する。</p>
著者
長澤 多代
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.79-91, 2007-08
被引用文献数
1

本稿では,ウェイン州立大学の図書館情報学プログラムが開講する専門科目である「図書館員のための教育方法論」の内容と方法,新しい大学図書館員像であるブレンディツド・ライブラリアンに求められる専門能力に関する提案をもとに,情報リテラシー教育を担当する図書館員に求められる専門能力について検討した。その結果,情報リテラシー教育を担当する図書館員に求められる専門能力として,情報リテラシー,教育方法論,教育工学に関する知識及び技術に加えて,大学経営に関する知識や技術,コミュニケーションの能力があるとわかった。This paper explains competencies expected from librarians involved in information literacy instruction, based on the contents and methods taught in "Instructional Methods for Librarians", a professional course provided by the Library and Information Science Program, Wayne State University, and also based on the proposals for 'blended librarians' as a new model for academic librarians. As a result, librarians involved in information literacy instruction would be expected to have competency not only in terms of their knowledge and skills in information literacy, pedagogy and instructional technology, but also in university administration and communication.
著者
松本 紳 逸村 裕 歳森 敦 MATSUMOTO Makoto ITSUMURA Hiroshi TOSHIMORI Atsushi
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.9-14, 2011-03-01

2007年度より改組され新たなスタートを切った筑波大学情報学群知識情報・図書館学類について記した。知識科学,情報経営・図書館,知識情報システムの三主専攻からなる学類の使命,教育理念,輩出すべき人材,そして1年次からのカリキュラム構成とその特色,就職先/進路について述べた。また学類と附属図書館とが協同で設置したラーニングコモンズとそこから派生した「図書館情報学若手の会(ALIS:Around Library and Information Science)の活動について記述した。学類は発足して 年目であり,今後,評価活動を通じてカリキュラムの見直し,改定すべき所を検証していくところである。
著者
直江 千寿子 渡辺 真希子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.52-58, 2011-12

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC:International Coalition of LibraryConsortia )の会合は,年2 回,春に北米,秋に欧州で開催されている。米国テキサス州オースティンで開催された第23回会合は,電子リソース価格調査,電子ジャーナルの価格モデル,PDA,電子ブック,ディスカバリー・サービス等をテーマとした全体討議やテーマ別分科会の他,ベンダーグリルの全19 セッションから構成されていた。本稿ではその概要について報告する。The International Coalition of LibraryConsortia meets twice a year, in North America in the spring and in Europe in the fall. The 23rd meeting was held in Austin Texas and included a total of nineteen sessions on topics such as value and assessment measures for e-resources, pricing models for e-journals, PDA, e-books and discoveryservices and breakout sessions on different topics. This paper provides an overview of these sessions.
著者
畠山 珠美
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.69, pp.53-59, 2003-12

国際基督教大学図書館では、90年代前半から授業と連携した図書館オリエンテーションを実施してきた。最近では、大学内における情報リテラシー教育の一環としても図書館オリエンテーションは重要な役割を担っている。この数年間における図書館オリエンテーションの取り組みについて紹介するとともに、効果的な図書館オリエンテーションについて考察する。
著者
米田 奈穂 武内 八重子 加藤 晃一
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.74-81, 2006-03
被引用文献数
2

近年国立大学図書館全体としては文献複写依頼件数の減少が見られるが,千葉大学附属図書館亥鼻分館では文献複写依頼件数が減少していない。このような相違の生じる要因を明らかにするために亥鼻分館における2002 年度から2004 年度のILL文献複写依頼データを詳細に分析したところ,看護文献の依頼増加という傾向が明らかになった。亥鼻分館における受付タイトル分析及びNACSIS-ILLでの全国的な依頼タイトル分析でも同様の傾向が見られたことから,その要因について看護分野の文献需要と提供という観点から考察した。