著者
兵藤 健志 渡邊 由紀子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.50-60, 2017-03-15 (Released:2017-09-22)

大学図書館による情報リテラシー教育を,アクティブ・ラーニングを促進する学習・教育支援活動と広義に捉え,情報リテラシー教育を展開するための図書館職員の役割について,九州大学の事例をもとに実証的に考察する。九州大学附属図書館は,学内プログラムの枠組みを利用して,学習・教育支援体制の整備を進めており,学生や教員との協働による多様な情報リテラシー教育の取り組みの中で,図書館職員はハブとしての役割を果たしている。その役割を担うためには,学習・教育支援に関する専門性を向上させる人材育成が重要となる。
著者
梅澤 貴典
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.20-29, 2017-03-15 (Released:2017-09-22)

学術情報のオープンアクセス化が進行する中,大学図書館でリテラシー教育をおこなう担当者に求められるスキルについて,(1)取り扱う資料とデータベースの知識,(2)支援対象別のニーズ把握力,(3)教育カリキュラム・卒業後のキャリアと連動した内容構成力,(4)学習者・研究者視点のストーリーテリング力,(5)アウトプットのための情報活用提案力の5 つの観点から論じ,さらに,これからの大学図書館が教育と研究の支援において主導的な役割を果たすためにどのような取り組みが必要となるかについて,(1)大学経営・評価(2)人材育成の2 つの観点から考察する。
著者
諏訪 敏幸 スワ トシユキ Swa Toshiyuki
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.65-75, 2006-12-31

本稿では情報リテラシー教育のあり方,特に教室での一斉教育とレファレンス場面での日常的な個別対応における教育との関連および結合について考える。そのため大阪大学生命科学図書館における8年余の看護系学生・院生・教職員に対する両形態の教育活動を報告・分析し,考察する。その結果両者は補い合い,相互にその基盤を提供し,強化し合う関係にあることを確認し,さらに,教育活動が図書館の専門性に立脚した生命力あるものとなるために個別対応の充実が不可欠であることを主張する。
著者
中山 知士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 = Journal of college and university libraries (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.101, pp.44-52, 2014-12

日本では学位規則の一部を改正する文部科学省令が平成25 年4 月1 日から施行された。同年9 月に香港で開催された電子学位論文についての国際会議に参加し,我が国の学位規則の改正の背景,骨子,電子学位論文の公開にかかる大学図書館コミュニティの取り組み,今後の可能性について口頭発表を行った。国際会議,発表の内容,会議のセッションに参加して得られた他国,他機関の電子学位論文の状況や取り組みについて報告する。
著者
中山 知士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.44-52, 2014

<p>日本では学位規則の一部を改正する文部科学省令が平成25年4月1日から施行された。同年9月に香港で開催された電子学位論文についての国際会議に参加し,我が国の学位規則の改正の背景,骨子,電子学位論文の公開にかかる大学図書館コミュニティの取り組み,今後の可能性について口頭発表を行った。国際会議,発表の内容,会議のセッションに参加して得られた他国,他機関の電子学位論文の状況や取り組みについて報告する。</p>
著者
藤江 雄太郎 小島 由香 長屋 俊 フジエ ユウタロウ コジマ ユカ ナガヤ シュン Fujie Yutaro Kojima Yuka Nagaya Shun
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.34-43, 2015-08

今日世界中で数多くのデジタル化資料が無料公開されている。本稿では,これらの資料の発見性を高める方策を検討するため,NACSIS-ILL のログに注目し,分析を行った。ILL ログのうち,無料で公開されているデジタル化資料が利用できるという理由で謝絶に至ったログを抽出,案内されている資料を調査した。その結果,無料デジタル化資料はWeb 上の広い範囲に散在し,特に国内では60%程度がNDLSearch・CiNii Articles・J-GLOBAL・J-STAGE の各サイトに加えて検索エンジンで検索すれば発見可能な資料であることがわかった。また,これらのサイトはメタデータ連携が部分的で,収録状況の詳細が明示されていないことがわかり,発見性低下の一つの要因になっていることが示唆された。 / There is now a multitude of digitizedmaterials that have beenmade available for free around the world. In order to consider measures to improve the discoverability of these free resources, the authors have analyzed the transaction logs from NACSIS-ILL logs. The authors surveyed the interlibrary loan transactions where the request was cancelled because an item was freely available to see what types of materials were requested. As a result, the authors found that the digitized materials are widely-scattered on the web and of particular significance approximately 60% of the domestic digitized materials are discoverable using the search engines and following services: NDL Search, CiNii Articles, J-GLOBAL, and JSTAGE. While there is a partial linkage between the metadata existing in each of these sites, it is not possible to see detailed information about the contents and that fact contributes to the decreased discoverability.
著者
國見 裕美
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.83-91, 2016

<p>「学生が情報活用能力を身に着けるプロセスを支援すること」に着目した学習支援として,生命科学系の専門図書館である徳島大学附属図書館蔵本分館では「医生物分野において統計学に基づくビッグデータ解析やデータマイニングを駆使して,実践的な課題発見・問題解決能力を持つ人材育成を支援すること」「根拠に基づく医療を実践する重要性を学び,より質の高い医療情報を取り扱える人材育成を支援すること」を目的とした2つのプログラムを企画・主催した。情報リテラシーの面からみた学習支援の取り組みとして報告する。</p>
著者
首東 誠
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 = Journal of college and university libraries (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.103, pp.24-33, 2016-03

学位規則の改正(平成25年3月11日公布,同年4月1日施行)により博士論文がインターネットの利用により公表されるようになってから丸2年が経過し,規則上,施行初年度の博士論文(全文もしくは要約)は全てインターネット(原則,機関リポジトリ)上に出揃うこととなった。オープンアクセスにかかる新たな動きが見られる今,国としての初のオープンアクセス義務化政策である博論OAにかかる学位規則の改正について,当時,文部科学省の大学図書館係長として関わった立場から改めて振り返ってみた。It has been two years since the revision of the Degree Regulations (11 March, 2013 promulgation, 1 April enforcement) to oblige doctoral degree awardees to make their theses and dissertations accessible to the public via the Internet. As per the rules, all ETDs (full-text or digest) on the first year were made available on the Internet, primarily through institutional repository of each university. Nowadays new movements of open access are seen. The author, at that time a chief of the University Library Unit of the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, looks back on the process of getting the regulations changed to OA for ETDs as the first OA mandatory policy in Japan.
著者
杉田 茂樹
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.1-8, 2016

<p>インターネット利用の普及により,大学図書館の役割は,外界で流通する図書や雑誌を大学の中へと取り込んでその読者である教職員,学生に供することから,教育・研究活動の中で生み出される大学の生産物を収集,保存し,外界へと発信していくことへと変わってきている。このことをはじめとして,学術出版の紙から電子への移行が大学図書館活動に与えつつある影響について,収書,学術雑誌,ILL文献複写を取り上げて概説する。</p>
著者
首東 誠
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.24-33, 2016

<p>学位規則の改正(平成25年3月11日公布,同年4月1日施行)により博士論文がインターネットの利用により公表されるようになってから丸2年が経過し,規則上,施行初年度の博士論文(全文もしくは要約)は全てインターネット(原則,機関リポジトリ)上に出揃うこととなった。オープンアクセスにかかる新たな動きが見られる今,国としての初のオープンアクセス義務化政策である博論OAにかかる学位規則の改正について,当時,文部科学省の大学図書館係長として関わった立場から改めて振り返ってみた。</p>
著者
森石 みどり
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.50-61, 2016

<p>大学図書館では,十分ではない資料保存スペースを学修スペースに変換することが求められ,自動書庫や遠隔地保存書庫,シェアードプリントの導入が提案されている。北米で取り組みが進んでいるシェアードプリントの中から,雑誌バックナンバーを共同保存するWEST(Western Regional Storage Trust)について調査する機会を得た。あわせてWEST参加館の中から,自動書庫・保存書庫を持つ機関を訪問したので報告する。日本でのシェアードプリント導入に関しても考察する。</p>
著者
上野 友稔
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.34-41, 2016

<p>大学および大学図書館で必要不可欠なツールとなった電子ジャーナル等の電子リソースには,大学図書館による電子リソース情報の管理と利用者へのアクセス支援という課題があり,英国では電子リソースのナレッジベース共同構築によりこの課題に取り組んでいる。本稿では,平成26年に行った英国視察の結果から,英国で進められているナレッジベース共同構築プロジェクト「Knowledge Base +(KB +)」についての最新動向およびその課題と,KB +参加館の電子リソース管理業務の実態と図書館サービスへの利活用の調査報告を行うとともに,日本におけるナレッジベース共同構築の展望を述べる。</p>
著者
石井 百葉 小山 美佳 小高 栄美 佐藤 千春 鈴木 剛紀 高橋 雅一 武内 八重子 立石 亜紀子 永峰 由梨 堀池 尚明 大学図書館職員研修ワーキング・グループ
出版者
国立大学図書館協議会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.11-18, 2009-08

大学図書館職員研修「ad!ライブラリー~大学図書館効果的広報戦略~」は、平成20年度の国立大学図書館協会東京地区協会・関東甲信越地区協会の助成事業として開催された。異なる機関に所属する採用6~9年の職員をメンバーとするワーキング・グループが、この研修会を企画・運営した経緯を報告する。
著者
大澤 類里佐 中山 知士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.36-41, 2011-12

国立情報学研究所CSI 委託事業「オープンアクセスとセルフ・アーカイビングに関する著作権マネジメント・プロジェクト」(SCPJ)について,その発足からの経緯を振り返り,データベース作成を中心に現在の活動について述べた上で,課題と今後の展望について報告する。
著者
久保田 壮活
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.1-5, 2014

<p>小樽商科大学附属図書館では,平成24年度より図書館職員による学習支援サービスの新しい取り組みである,「クラスライブラリアン」制度を開始した。職員1名1名が学生各学年生に対し入学から卒業までを一貫して担当することにより,学生と職員の「顔の見える」関係を目指した図書館と学生のパートナーシップの強化策の試みである。 小規模大学における大学図書館サービスの今後のありかたを考えるうえでの一つの事例として,いまだ発展途上である本活動について紹介する。</p>
著者
城 恭子 土出 郁子
出版者
「大学図書館研究」編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.56-64, 2013

2012年5月,スウェーデンのウプサラ大学でオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の第3回年次集会および総会が開催された。COARは2009年10月に発足した,リポジトリとオープンアクセスの推進につとめる国際的な非営利組織である。本集会は2日間にわたり,「リポジトリをコンテンツで満たす」「リポジトリのネットワークとサービス」をテーマにした事例報告セッション,ワーキンググループ会議,参加組織限定の総会などのプログラムにより,各国,各地域の現状報告と,オープンアクセスやリポジトリの諸課題についての議論が行われた。本稿ではCOARの活動を含め,本年次集会の概要を報告する。